★阿修羅♪ > マスコミ批評3 > 118.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□新聞宅配あって困るものなし [JANJAN]
http://www.janjan.jp/media/0605/0605204693/1.php?PHPSESSID=2e668180f9c871ce3ae09b1231373197
新聞宅配あって困るものなし 2006/05/21
------------------------------------------------------------------------
再販制度(再販売価格維持制度)は、新聞社は新聞販売店に定価販売させることができるといっているが、定価販売させよとはいっていないから弱い規制であろうと思う。特殊指定は新聞社・販売店双方に定価販売を義務付けている。強い規制である。再販制度という弱い規制はこの強い規制により命脈を保っている。従っていま公正取引委員会が検討している新聞の特殊指定解除は再販制度を揺るがすものとなるだろう。
定価販売が揺らぐと販売店は値引きを始めるだろう。新聞社が値引くな、契約解除するぞと言っても販売店は高をくくるだろう。自らの販売網を寸断してまで販売店を切りはしないからだし、値引き合戦になると販売店の淘汰も進むだろう。進むと利益にならない地域の宅配は切り捨てられよう。そうするとますます宅配網は縮むだろう。そんなことになったら宅配制度でもっている新聞社の経営がおかしくなる。現に、日本の主な新聞一日の発行部数約5300万部のうち約5000万部は宅配でまかなわれている。反特殊指定解除キャンペーンの因はこのあたりにあるのだろう。
私がおかしいと思うのは、新聞社がそのことを別の理由ですりかえることだ。「宅配制度がなくなれば新聞という公平で正確な情報源が全国津々浦々にまで行き渡らなくなる。それは民主社会の基礎インフラを崩す」というのだ。そのように摩り替えなくても、「宅配制度で誰も迷惑はこうむっていない」と言えばいいと私は思う。特殊指定解除で新聞が自由競争にさらされると値段は下がるかもしれない。安くなるとすれば、月およそ4000円の購読料が3000円ぐらいにはなるのだろうが、その程度安くなるぐらいなら今までどおりの金額で確実に朝刊がポストに入っていたほうが便利だ。宅配がいいのだ。
だから新聞社はもっと自信を持ったほうがいいと私は思う。月に約4000円でこれだけいろいろ世の中のことを伝えている。即時性は劣るがテレビより掘り下げているではないかと。それを「新聞は民主社会の基礎インフラだ」などと言うので、公取委もしゃくにさわるのかもしれない。読者の反感も買うだろう。読者の多くは新聞をそれほどのものだとは思ってないのではなかろうか。時には風の吹き回しで社説に唸り、米軍のイラン空爆を危惧し、1面コラムなどで心を洗うが、テレビ欄をチェックし天気予報を一瞥しただけで会社に出かける日だってある。公器だと思って読んでいる人が多くいると思いこむのは間違いだと私は思う。
私にとって新聞は、ごく当たり前に朝起きたら家にある便利なものなのに、新聞をつくるひとは使命感にあふれて「新聞だけは別だ」と言ってやまないように見える。
(毛呂武史)