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今晩の話題 (2006年5月17日 夕刊 1面)
「写真の裏側」
元共同通信社カメラマンの新藤健一さんが「疑惑のアングル」と題した著書を発刊した。「本をまとめるきっかけは上海で撮られた一枚の写真だった」と言う。それは一九三七年、日本軍の爆撃でがれき化した上海南駅で傷を負い泣き出す赤ちゃんの写真だ。
当時、欧米メディアがいっせいに掲載。現在でも有名なカットなのだが、実際は「やらせ写真」だったのである。反日感情をあおるためのプロパガンダに用いられたのだ。一枚の写真の力に日本は国際世論から孤立。太平洋戦争へと突き進んだという。
米国はイラク戦争を正当化する大量破壊兵器の衛星写真を公開して戦いを始めた。後になって大義名分は誤報とブッシュ大統領が認めた。
新藤さんが注目するのは「情報操作の影に見え隠れする『民間戦争請負業者』の存在だ。軍と民の結び付きがいっそう強くなった」と言う。イラク戦争では湾岸戦争の十倍に当たる二万人の民間従業員が重要な任務を担っている。
さらに今回のV字形二本滑走路を建設する辺野古沿岸案は米コンサルタント会社が六六年に作成したマスタープランが原案と指摘。名護市が合意した形は結果的に米側が望むものになったと言う。
六六年の計画は辺野古崎に空港、大浦湾側に空母や大型艦船が接岸できる港を併設、近くに弾薬庫を備える複合施設だ。現案では軍港機能はないと政府は明言するのだが。
米軍再編の裏側に何が隠されているのか。「写真のワナ」にだまされぬよう、しっかりと見極めたい。(伊禮健)
http://www.okinawatimes.co.jp/col/20060517e.html