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http://www.yukan-fuji.com/archives/2007/04/post_9148.html
インフルエンザ治療薬「タミフル」は依然、服用と異常行動の関係が明らかになっていないが今、米国でも服用後の異常行動が問題となっている薬がある。この“米国版タミフル問題”、実は対岸の火事では済まされない。なぜなら、問題の薬というのは今、日本で最も多く服用されている睡眠導入薬だからだ。
米国の食品医薬品局(FDA)は先ごろ、薬による副作用の報告事例を発表。一部の睡眠導入薬や睡眠薬を服用すると非常にまれだが、睡眠中に起き上がって車を運転したり、過食をしてしまう、ネットで買い物をしてしまうなど、本人には全く記憶がないのに夢遊病のような異常行動をひき起こす危険性があるというものだった。
13種の薬について、危険な症例を患者に周知させるように求めたが、中でも多くの異常行動が報告された薬が「アンビエン」。米国で最も多く処方されている睡眠導入薬でシェアの50%、売り上げでは80%を占める。同様に日本でも今、最も服用されている睡眠導入薬だ。
薬理学に詳しい精神科・心療内科「クリニック西川」院長の西川嘉伸医師は「日本では7年前に『マイスリー』という薬名で承認、発売され、ものすごい勢いでハルシオンを抜き去り、いまではシェア、売り上げ共にトップ」と話す。
睡眠導入薬に一番求められるのは「すぐに眠れること」と、「朝、眠気が残らずにスッキリと目覚めること」。マイスリーは、ハルシオン以上の効き目の早さとさわやかな目覚め(超短時間型)を売りにシェアを急拡大。そして、もう一つ専門医が好んで使う理由は安全面だ。
「マイスリーはハルシオンを含む従来よく使われてきた薬と違い非ベンゾジアゼピン系薬物なので、FDAの報告にあるような記憶に深くかかわる脳の海馬に対する作用は理論上、従来の薬と比べてはるかに少ない。現在ある睡眠導入薬の中では最も安全性が高い薬なのです」(西川医師)
では、なぜ夢遊病のような異常行動をとるのか。
「過量やアルコールとの併用など間違った服用の仕方次第では、どんな睡眠導入薬や睡眠薬でも意識障害や健忘のような副作用が出てもおかしくない」。異常行動はマイスリーに限ったものではなく、その使い方に問題がある、と西川医師は指摘する。
「すべての睡眠導入薬に言えることですが、よく服用して眠くなるのを待つ人がいる。そうすると、その間の記憶がない場合がある。また睡眠中に途中で起こされても同じです。服用したらすぐ布団に入り、電話などで起こされないように」と注意点をあげる。
今回のFDAの発表を受けて厚労省は「「マイスリーの添付文書には、精神症状、意識障害ということで幻覚や意識レベルの低下などの副作用が書かれている。今回、米国での報告はこれら精神症状、意識障害の一つでは」と話す。
マイスリーを製造販売するアステラス製薬では、「日本では米国のような異常行動といえるほどの危険な症例の報告は受けていないが、米国に合わせて説明書に表示している現在の重大な副作用をさらに強調するべきか検討中」。
どんな薬も正しい服用法を徹底させることが大切。さもないと第二、第三と「タミフル問題」は後を絶たないだろう。
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米国で次々と異常行動が報告されている「マイスリー」
(2007.04.10紙面掲載)
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