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(回答先: タミフルをほとんど使わないスイス (swissinfo 3月23日) 投稿者 天空橋救国戦線 日時 2007 年 4 月 04 日 18:14:30)
一点だけ、誤解されていると思う点があります。
>日本の医者がタミフルを処方することについては「文化の違いでしょう。わざわざ来た患者に、何かしなくてはと医師が思うからではないでしょうか」ときっぱり。
日本の医者にもいろいろ種類があるでしょうが、少なくとも私や私の周囲の医師は「タミフル処方を患者さんに強要された」と理解しています。「インフルエンザ脳症」パニックをマスゴミが煽り、煽られた患者さんが殺到した歴史を、もうお忘れでしょうか。
リレンザやタミフルはリスクのある疾患を抱えているケースに限って使うというのが「インフルエンザ脳症」パニック以前の我々の共通認識でした。
しかし、2001年以後、マスゴミに煽られて恐怖に駆られた患者さんが外来に押しかけ、インフルエンザ迅速検査を強く希望されました。結果が陽性ならタミフル処方を強く要求されます。それを断ることは事実上不可能なのです。
日本の医師は医師法で「応召義務」を負わされています。患者さんの求めがあれば診療を断ることができません。医師は患者さんを選ぶことが出来ないのです。そして診療した以上は、診療内容に責任が生じます。
患者さんが検査や処方を自ら希望された場合、それを断るためには、断るだけの根拠が必要ですし、断った結果に対しては責任が生じるのです。インフルエンザに限らず、全ての疾患の予後は一定の確率で悪いものになり得ます。死亡することも稀ならずあります。患者さんの希望を拒絶した結果が万一悪ければ、医師が責任を追及されることは間違いありません。
また、この状況で患者さんの強い希望を変更させるには、その都度、説明と説得に長大な時間が必要となります。欧米の4倍も受診する患者数に対して医師数は欧米の半分と少なく、医師あたり多数(8倍)の患者さんを診ざるを得ない日本の臨床現場では、診察可能時間は短くなります。長時間かけての説明説得は不可能なのです。
我々は、「インフルエンザ脳症」パニックに同調する他には選択肢を許されていませんでした。(日ごろから良質の患者さんを選択し続け、そのような患者さんだけに支えられた一部の診療所では、乱用的タミフル処方を避けることが可能だったかも知れません)
医師側の責任を果たす役割は、日本医師会や関連学会にしか出来ませんが、残念ながら、医師会は自民党の手先に乗っ取られています。貧乏な関連学会は国や企業の研究費で縛られ、反抗する力がありません。
このようなパニックを煽った厚生労働省とマスコミにこそ最大の責任があり、そして簡単に煽られてしまう国民性にも問題があると気付くべきでしょう。
この事態を改善するためには、政府とメディアを総入れ替えし、国民の多数が正しくメディアリテラシーを獲得し、医師数を倍に増加させ、外来受診を1/4に抑制し、医師会の仕組みを多段階間接選挙から直接選挙に変更し、紐のつかない研究予算を学会が獲得できる仕組みを作る事などが必要でしょう。絶望的ですね。
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