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「 外来医療、高齢者に定額制・75歳以上 来年4月から 」
これが実施されると財力のない老人は大変です。
某巨大病院グループは、既にスタープレーヤを集め始めており、定額制治療に不満を抱く老人の治療を自費で行うための病院チェーンを企画しているとの噂。
--- がんになっても、あわてない-------------
http://air.ap.teacup.com/awatenai/238.html#readmore
2007/3/24
「ほんとにやるんだね、姥捨て山政治。」 ニュースへコメント
今日の日本経済新聞1面トップの記事は「外来医療 高齢者に定額制――75歳以上、過剰診療抑える」という記事だった。来年4月から実施するとのことだ。まさか本当にやるとは。高齢者の方やこれから高齢者になる方は、黙ってみていてはいけませんよ。
前から不思議なのだが、このような記事は日経だけ1面トップで、他紙では見つからないことが多い。この書き方は「アドバルーン記事」というらしく「政府はこういうことを考えている」と書いて世論の反応を探るために出すらしい。しかし今回は決定事項として書いている。名前は似ているがアドバルーン記事ではなく提灯記事だろう。
記事は次のとおり。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070324AT3S2301O23032007.html
外来医療、高齢者に定額制・75歳以上、過剰診療抑える
厚生労働省は75歳以上の高齢者を対象に、外来診療でかかる医療費を検査や投薬の数量にかかわらず、同じ病気なら定額とする「包括払い方式」を導入する方針を固めた。2008年4月から適用する。過剰診療を減らす狙いで、患者の医療費負担も減る公算が大きい。特定の主治医が外来診療から在宅ケアまで対応する公的な「かかりつけ医」制度と一体的に導入し、医療の効率化を目指す。
政府は06年の医療制度改革で、75歳以上の「後期高齢者」を対象とした新しい健康保険制度を08年度に創設することを決めた。厚労省は医師が受け取る診療報酬についても、新制度に対応した体系を今年末までにつくる予定で、外来診療への定額制導入はその柱になる。
(記事ここまで)
今回報道されたこの方針については、今の日本を築いてきた高齢者の方々をあまりに馬鹿にした制度なので、アドバルーン記事だった時にすでにコメントを書いた。高齢者の方々は、一生懸命仕事をして今の日本の屋台骨を支えていた時に、歳を取ったらこんな扱いをされるだろうと予想しただろうか。
まだ高齢者の域に達していない人たちも、高齢者にならないうちに命が終わる保証がないのであれば、他人事ではない。このまま行ったら、75歳になった途端に「ああ、あとは医療を頼れない人生か」とため息をつく日本が出来上がる。
記事では「通院や投薬などが増えても医療費は定額」と書いてある。しかし通院や投薬、検査などが増えれば医療機関側としてコストは増える。定額制というのは、増えたコストは他の財源で払いますよということではない。コストが増えても払うお金は増やしませんよということなのだ。収入が増えないのに薬や検査を増やしてくれる医療機関はすぐにつぶれる。医療を提供したい気持ちはやまやまでも、薬も検査も診察も絞らないことには医療機関はやっていけなくなってしまうのだ。
「高齢者は軽い病気やケガでも通院を繰り返す傾向があるといわれ、こうした病院の『サロン化』の解消にも効果的と厚労省はみている」というが、日本では患者が診察を求めた時に、医師は正当な理由なく診療を拒否してはならないことになっている。来た患者さんを診ないわけにはいかないのだ。かかっても支払う医療費が増えないとなれば、受診に抑制がかかるわけがない。この記事は何を言っているのだろうか。
また、「75歳以上の医療費は約9兆円と総額の三割弱を占め、一人あたり医療費は81万5千円と40代の5倍を超えている。厚労省はこの世代の医療を効率化することで医療費を抑制したい考えだ」ということだが、意訳すれば「年寄りに医療費をかけられない仕組みを作ります」ということだ。それ以外の意味があるなら教えてほしい。
以前も書いたが、国がこの方針をどうしても曲げないのであれば「これは国の方針です。医療機関の方針ではありません。薬や検査や診察回数を減らされて不満な方は、国に文句を言って下さい」ときちんと説明する責任がある。今回の記事のように「医療費抑制のために国にとっても国民にとっても良い制度だ」という一面的な宣伝を続けては、医療機関だけがますます責められることになる。
医療に関する国の方針は、医療の総量を減らし、受診機会を制限する方向に向かっている。特に一人あたりの医療費が高い高齢者の医療費を「いくら医療を受けても支払う金額は変わりませんよ」という甘い言葉で定額制へ誘い込み、絞り込んでいこうとしている。医療の質を高くしようとか、すべての人が一定レベルの医療を受けられる国民皆保険制度を死守しようとかいう「普通の人が続いて当たり前だと思っていること」は、厚生労働省の眼中にはない。それを守りつつ医療費を抑制するのは無理だというのは、多分わかっているのだろう。
「医療費をできるだけ少なくすることがとにかく大事」な方針を続けていることで、真面目な医療の現場は極限まで疲弊している。崩壊している医療現場もどんどん増えている。日本の医療が総崩れになって、病気になっている人が不安になるのはもちろん、そうでない人まで「病気になったらどうしよう」と不安になった時、国は国民の不安を解消するための手だてがあるのだろうか。
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