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書類送検されたというだけの記事で起訴されたわけでもないのですが、結構大きな取り扱いです。
これでは、死亡するなど結果が悪かった場合に、初期の診断が当たっていなかったケースでは「 刑事事件 」になる、との脅威的なメッセージを現場の医師に送ってしまっています。
診断とは試行錯誤の結果たどり着くものです。一回だけの診察で正解が得られる場合もあれば、達人が診察検査を繰り返しても正答不可能なものもあります。「 診断の達人 」でも、正答率は70%程度でしょう。まして、イレウスは小児科外来の「 地雷疾患 」のひとつです。小児外来診療をする医師なら、誰でも一度ならず、ヒヤッとしたことがあるはずです。
慎重な検査を重ねれば診断がつくケースでも、保険診療がそれを許さない場合もあります。また、世に言う「 検査漬け 」批判もあります。
保険診療では、療養担当規則や支払基金の指導に従う必要があります。支払基金は初回診察で鑑別疾患の大部分を除外するために慎重な検査をすることを禁止しています。費用が嵩む恐れがあるからです。初回診察では頻度の高いものだけを考えて治療に当たり、経過を追って必要な検査を追加するように求めているのです。
これで刑事告発、起訴されるのなら、小児科臨床は不可能です。現場は崩壊するしかありません。
----法医学者の悩み事------------------------------------------------------------
http://blogs.yahoo.co.jp/momohan_1/29697827.html
書類送検という言葉に対する誤解か
作成日付 2007/3/13(火) 午後 8:20
腸捻転を風邪と誤診 札幌で女児死亡 2医師書類送検 (2007/03/13 北海道新聞)
札幌市厚別区の会社員三上直也さん(27)の長女紗英ちゃん(4つ)が昨年一月、同区の小児科医院で診察を受けた際、院長の男性医師(50)から、実際は腸捻転(ねんてん)なのに風邪と診断され、回復しないため再び医院を訪れた際も、男性医師(57)に誤診され死亡したとして、道警は十三日、業務上過失致死の疑いで、院長と医師を書類送検した。
三上さんらによると、長女は昨年一月二十三日夜から腹痛を訴え、回復しないため、翌二十四日午前、家族と同医院を訪れた。診察に当たった院長から、風邪と診断されて帰宅したが、ぐったりした状態となったため、二十五日夕方、再び医院を訪れ、別の男性医師の診察を受けた。この際、エックス線などの検査を受け、医師から「胃腸炎ではないか、風邪の影響もある」と診断され、「命に別条はない。明日来なさい」と言われたという。
長女は帰宅後、意識がなくなり、心肺停止状態となったため、救急車を呼んで市立札幌病院に搬送したが、二十六日早朝に死亡した。
道警が長女の遺体を司法解剖した結果、死因は、腸捻転による腹膜炎だった。道警は、診察した医師二人が二回の診察でいずれも誤診したとみて、適切な医療行為を怠ったことから長女を死亡させたと判断した。
同医院の院長は、北海道新聞の取材に対し「誤診ではなく、適切な診療だった。今回の送検は女児の解剖結果を誤って解釈しており、妥当性を欠いている」と話している。
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なんだかなあ、という感じの報道だ。書類送検というのは、単に書類を検事に送るだけの手続きである。送検後、検事が起訴・不起訴を判断するのであって、現段階では起訴するかも決まっていないということだ。
司法解剖したものは、犯罪性があろうが、なかろうが、書類送検されるのは手続きの一過程にすぎないので、妥当、妥当でないというのも変な話だ。確かに、この事件が、業務上過失致死事件として、立件・起訴されたというのなら、驚きだし、不当だろうとも思うのだが、今の段階ではなんともいえない。臨床の先生も、報道で出てくる言葉をちゃんと理解して使わなければ、変なコメントが半永久的に保管されてしまうので要注意だ。報道する側もちゃんとわかって報道しているのか疑問を感じたが、わかっていないとしたら、あまりにレベルの低い報道だなと思った。
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北海道新聞の記事
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20070313&j=0022&k=200703132243
腸捻転を風邪と誤診 札幌で女児死亡 2医師書類送検 2007/03/13 14:02
札幌市厚別区の会社員三上直也さん(27)の長女紗英ちゃん(4つ)が昨年一月、同区の小児科医院で診察を受けた際、院長の男性医師(50)から、実際は腸捻転(ねんてん)なのに風邪と診断され、回復しないため再び医院を訪れた際も、男性医師(57)に誤診され死亡したとして、道警は十三日、業務上過失致死の疑いで、院長と医師を書類送検した。
三上さんらによると、長女は昨年一月二十三日夜から腹痛を訴え、回復しないため、翌二十四日午前、家族と同医院を訪れた。診察に当たった院長から、風邪と診断されて帰宅したが、ぐったりした状態となったため、二十五日夕方、再び医院を訪れ、別の男性医師の診察を受けた。この際、エックス線などの検査を受け、医師から「胃腸炎ではないか、風邪の影響もある」と診断され、「命に別条はない。明日来なさい」と言われたという。
長女は帰宅後、意識がなくなり、心肺停止状態となったため、救急車を呼んで市立札幌病院に搬送したが、二十六日早朝に死亡した。
道警が長女の遺体を司法解剖した結果、死因は、腸捻転による腹膜炎だった。道警は、診察した医師二人が二回の診察でいずれも誤診したとみて、適切な医療行為を怠ったことから長女を死亡させたと判断した。
同医院の院長は、北海道新聞の取材に対し「誤診ではなく、適切な診療だった。今回の送検は女児の解剖結果を誤って解釈しており、妥当性を欠いている」と話している。
読売新聞の記事
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news001.htm
道警、女児死亡で医師2人書類送検
札幌市厚別区で2006年1月、小児科医院で受診した当時4歳の女児が腸閉塞(へいそく)で死亡したのは、医師が「風邪」「胃腸炎」などと誤診した結果、適切な治療を受けられなかったためとして、北海道警捜査1課と札幌厚別署は13日、女児を診察した57歳と50歳の医師2人を業務上過失致死の疑いで札幌地検に書類送検した。医師のうち1人は「腸閉塞を見抜けなかったことに落ち度はなかった」と、責任を否定しているという。
女児は同区の会社員三上直也さん(27)の長女の紗英ちゃん。三上さんらによると、紗英ちゃんは昨年1月23日夜、腹痛を訴え、翌24日午前、かかりつけの同区の医院で受診した。診察した院長(50)は「風邪」と診断。腹痛は「風邪で菌が腹に入った」と説明して薬を出し、様子を見るよう母親の綾子さん(27)に伝えた。
しかし、25日夕になっても紗英ちゃんの容体は変わらず、嘔吐(おうと)の回数が増えてきたことから、同日夜に再度、受診。系列の別の医院長(57)が診察し、「重度の脱水症状」として点滴を行い、腹部のレントゲン写真を撮った。この医師は写真から「胃腸炎」と診断し、「命に別条があるものではない。夜中に4、5回吐くようだったら、救急病院に行きなさい」と指示したという。
26日朝、紗英ちゃんの手足が冷たくなり、ぐったりとしていることに両親が気付き、119番通報したが、救急車の到着前に意識がなくなった。両親は人工呼吸を試みたが、回復せず、搬送先の同市中央区の病院で死亡が確認されたという。
道警の司法解剖で、死因は腸閉塞と判明。2医師から事情を聞くなどしたところ、レントゲン写真にあった腸閉塞が疑われる所見を見逃していた可能性が高いことなどがわかった。
医師のうち1人は道警の任意の事情聴取に対し「腸閉塞以外でもある所見だった。わからなくても仕方がない」と話しているという。
綾子さんは「亡くなった原因がわかっているなら覚悟もできたが、急にこんなことになるなんて、納得できない。気持ちの整理は今もついていない」と話している。
(2007年3月13日 読売新聞)
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