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日本呼吸器学会が、週刊ポストの「小児期の受動喫煙は肺ガンを減らす」とした記事に反論する声明を出しました。
元情報を記者が理解できなかったための誤解釈、特定スポンサーや政府機関などによる意図的誤誘導など、マスコミの誤報道は少なくありません。それら誤報道に対してきちんと反論し、できれば訂正させることは、関連専門学会の重要な責務です。しかし、我が国では、この分野での活動がほとんど行われていませんでした。
産科で生じた一連の事件で産婦人科学会の活動が少しだけ活発化しました。今回の呼吸器学会の動きは、それに続く新しい動きとして、まだ不十分な内容ですが、注目に値すると思います。
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http://www.jrs.or.jp/index.html
日本呼吸器学会
http://www.jrs.or.jp/information/061117_canser.html
Last Update 2006.11.21
受動喫煙と肺ガンの関連についての声明
社団法人日本呼吸器学会
2006年11月17日
最近その表紙と新聞広告や電車の中吊り広告などに「受動喫煙は子供の肺がん発がん率を低下させる!成人男女も[影響なし]―WHOが封印した“7年間の研究”を一挙公開」とうたった記事が某週刊誌に掲載されました。その内容は、科学的検討に耐えない全く誤ったものですが、少なからぬ人々に受動喫煙の健康影響に関する大きな誤解を生み出しています。
受動喫煙と肺ガンの関係について科学的証拠に基づく情報を一般の方々に伝えることは、呼吸器疾患の予防のために広く禁煙を訴えてきた私ども日本呼吸器学会の社会的責務であると考えます。
以下の見解をお読みいただき、呼吸器疾患の予防と健康増進を期した受動喫煙のない社会作りに対するご理解とご協力をお願い申し上げます。
記
受動喫煙と肺ガンの関連についての最新の証拠に基づいた見解
受動喫煙と肺ガンについての調査研究をくわしく分析した二つの専門機関の報告書―タバコ煙と受動喫煙の発がん性に関する国際ガン研究機構モノグラフ(2004年)、米国社会保健福祉省公衆衛生長官報告書「受動喫煙の健康影響」(2006年)―が出した結論は以下のとおりです。
1. 家庭や職場での受動喫煙は、タバコを吸わない人が肺ガンになる危険を20〜30%増やします。
2. 子供のときの受動喫煙もまた肺ガンの危険を増やします。しかし調査結果にはばらつきが見られます。これは、何十年も前の生活状態を正確につかむことができないためです。
3. 肺ガンの予防のために受動喫煙をなくするには、屋内を完全に禁煙にするのが唯一効果的な方法です。分煙、空気清浄機、換気によって受動喫煙を防ぐことはできません。
以上
【参考資料】
1 タバコ煙と受動喫煙の発がん性に関する国際ガン研究機構モノグラフ(2004年)より
2 タバコ煙と受動喫煙の発がん性に関する国際ガン研究機構モノグラフ(2004年)より
3 米国社会保健福祉省公衆衛生長官報告書「受動喫煙の健康影響」(2006年)より
結論抜粋
4 受動喫煙の健康影響:米国公衆衛生長官報告(2006年6月27日)より抜粋
結論
この報告書は、1986年の公衆衛生長官報告が論じた受動喫煙を再び取り上げている。その後20年間に、受動喫煙に関する調査研究に数多くの進歩が見られ、膨大なエビデンスが発表された。本報告書は、2004年の公衆衛生長官報告で策定された因果関係の有無を示す新たな用語を用いている。各章ごとにエビデンスの包括的レビュー、適切な場合エビデンスを定量的に統合する作業、調査成績の解釈に影響する可能性のあるバイアスの発生原因の厳密な評価が行われている。本報告書のレビュー結果は、1986年度報告書の結論の正しさを再確認し補強するものだった。非喫煙者のタバコ煙への暴露について、科学的エビデンスに裏付けられた結論を以下に示す。
1. 受動喫煙は、タバコを吸わないこどもと大人の生命と健康を奪う。
2. 受動喫煙は、乳幼児突然死症候群、急性呼吸器感染症、耳の病気、重症気管支喘息のリスクを高める。親の喫煙は、こどもの呼吸器症状を増やし、肺の成長を遅らせる。
3. 大人が受動喫煙に暴露されると、ただちに心臓血管システムに悪影響があらわれる。また虚血性心疾患と肺ガンがおきやすくなる。
4. 受動喫煙に安全無害なレベルのないことが科学的に証明されている。
5. タバコ対策が相当進んだにもかかわらず、アメリカの数千万人のこどもと大人が、家庭や職場でいまだに受動喫煙にさらされている。
6. 屋内における喫煙の禁止により非喫煙者の受動喫煙暴露を完全になくすことができる。分煙、空気清浄機、エアコンディショニングによって非喫煙者の受動喫煙を防ぐことはできない。
(原文)
http://www.surgeongeneral.gov/library/secondhandsmoke/
Major Conclusions
This report returns to involuntary smoking, the topic of the 1986 Surgeon General's report. Since then, there have been many advances in the research on secondhand smoke, and substantial evidence has been reported over the ensuing 20 years. This report uses the revised language for causal conclusions that was implemented in the 2004 Surgeon General's report (USDHHS 2004). Each chapter provides a comprehensive review of the evidence, a quantitative synthesis of the evidence if appropriate, and a rigorous assessment of sources of bias that may affect interpretations of the findings. The reviews in this report reaffirm and strengthen the findings of the 1986 report. With regard to the involuntary exposure of nonsmokers to tobacco smoke, the scientific evidence now supports the following major conclusions:
1. Secondhand smoke causes premature death and disease in children and in adults who do not smoke.
2. Children exposed to secondhand smoke are at an increased risk for sudden infant death syndrome (SIDS), acute respiratory infections, ear problems, and more severe asthma. Smoking by parents causes respiratory symptoms and slows lung growth in their children.
3. Exposure of adults to secondhand smoke has immediate adverse effects on the cardiovascular system and causes coronary heart disease and lung cancer.
4. The scientific evidence indicates that there is no risk-free level of exposure to secondhand smoke.
5. Many millions of Americans, both children and adults, are still exposed to secondhand smoke in their homes and workplaces despite substantial progress in tobacco control.
6. Eliminating smoking in indoor spaces fully protects nonsmokers from exposure to secondhand smoke. Separating smokers from nonsmokers, cleaning the air, and ventilating buildings cannot eliminate exposures of nonsmokers to secondhand smoke.
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