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【 内診問題 】 豊橋の産院院長ら起訴猶予 (名古屋地検)日本産婦人科医会は不起訴の裁定を求める声明
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投稿者 どっちだ 日時 2006 年 11 月 18 日 17:34:07: Neh0eMBXBwlZk
 


【 内診問題 】 豊橋の産院院長ら起訴猶予 (名古屋地検)日本産婦人科医会は不起訴の裁定を求める声明


豊橋の産院院長ら起訴猶予 無資格助産で名古屋地検

記事:共同通信社
提供:共同通信社

【2006年11月13日】


医師と助産師にしか認められない出産時の内診を准看護師らが行ったとして、保健師助産師看護師法違反(助産師業務の制限)の疑いで書類送検された愛知県豊橋市の産婦人科医院の男性院長(67)と、いずれも女性の看護師(26)と退職した准看護師(28)の計3人について名古屋地検は10日、起訴猶予にした。

地検は「3人の行為による健康被害の危険性は証拠上、認められず、院長は書類送検時に実名報道されるなど社会的制裁を受けた」などとした。

院長らは2003年11月21日夜から22日未明にかけ、同県豊川市の主婦(29)が長男(2)を出産した際、資格のない准看護師らに子宮口の開き具合を確認するなどの内 診行為をさせたとして、県警に書類送検された。

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日本産婦人科医会声明(http://www.jaog.or.jp/)

愛知県豊橋市竹内医師の起訴猶予裁定に対する
日本産婦人科医会の声明

平成18年11月10日、名古屋地方検察庁において、竹内稔弘医師に対する保健師助産師看護師法(保助看法)違反被疑事件について、起訴猶予とする裁定が行われた。今回の起訴猶予の裁定は、科刑権を行使しないという点、並びに内診行為(子宮口開大や児頭の下降の計測)そのものについて健康被害の危険性が認められないと指摘している点につい ては、評価に値するものではある。しかし、当会は、本件を起訴猶予とした裁定は誤りであり、不起訴の裁定をすべきであったと考える。


当会は、医師が行う分娩介助に関して、看護師及び准看護師が、医師の指示のもとで診療の補助(保助看法5条、6条)として子宮口開大の計測や児頭下降度の計測を行うことは 、保助看法に違反しないことを主張してきた。

厚生労働省医政局看護課長は、平成14年11月14日付医政看発第1114001号、及び平成16年9月13日付医政看発第0913002号の各回答において、内診(子宮 口の開大、児頭の下降、頚管の熟化の判定)は、保助看法3条に規定する助産であるとの判断を示した。

そもそも、厚生労働省医政局看護課長の回答は、法規の性質を持つものでなく、看護課長の回答は、下級行政機関を拘束するが、一般国民に対して拘束力を持つものではない。ま た、裁判基準として用いられるものではない。
看護課長の回答は、審議会や検討会を経ることなく、あるいは日本医師会、日本産婦人科医会の見解を聴取することなく、発せられたものである。また、分娩医療機関が激減し、 助産師の絶対数が極端に不足、偏在している現況を十分に調査することなく、発せられたものである。

看護課長の回答が発せられた後になって、厚生労働省内に「医療安全の確保に向けた保健師助産師看護師法等のあり方に関する検討会」が設置され、その検討会で、看護師、及び准看護師による内診の問題が議案とされるにいたった。検討会のとりまとめにおいても、看護師、及び准看護師による内診については、見直し論、反対論、慎重論が併記され、一 義的な解釈論は導かれていない。また、「産科における看護師の業務について」は別途、検討することになっている。

自宅分娩から施設分娩へ、産婆(助産師)から、産科医師へ、と分娩のあり方が変化しているにもかかわらず、保助看法は、昭和23年から平成14年までの 54年間見直しが行われず、平成14年改正においても、保健師、助産師、看護師の業務について、抜本的な見直しはなされなかった。保助看法の解釈にあたっては、現代における産科医療のあり方、医療の発展状況、産科医師、助産師、看護師、及び准看護師の技能、教育、充足度等の社会的要請等を踏まえつつ、時代に即して、助産師、看護師及び准看護師の役割や業務内容を検討していくべきである。そして、現代の産科医療は、医師、助産師、看護師、及び准看護師の相互の連携や協力なしには成り立たない。

我が国が、周産期死亡率、妊産婦死亡率の低さに見るように、世界のトップレベルにある産科医療を提供できるようになったのは、超音波診断装置や分娩監視装置をはじめとする種々の機器や検査の導入とともに、 産科要員(医師、助産師、看護師、及び准看護師)の弛まざる努力によるものである。

産科医の減少とともに、看護師や准看護師による子宮口の開大や児頭下降の計測が認められないことになれば、産科医療の崩壊は一層加速し、多くの診療所・病院での分娩は困難 となり、とくに地方においては半数以上の分娩施設が立ち行かなくなることは明白である。

国是たる少子化対策の大本を担っている産科医療現場の混乱を一日も早く収束することこそが、国を挙げての少子化対策となるのではないだろうか。

しかし、今回の起訴猶予の裁定は、不起訴裁定とは異なり、情状次第では未だ起訴される余地を認めることになる。そのため、今回の起訴猶予の裁定は、全国の産科医に対して、 依然として抑止的効果を与えることになり、今後分娩取り扱いを断念せざるをえない産科医が続くことが懸念される。

よって、当会は、本声明により、今回の起訴猶予裁定は不当であり、不起訴裁定を行うべきであったことを指摘するとともに、速やかに「産科における看護師の業務について」の 議論が尽くされ、統一的な見解が示されるよう求めるものである。

平成18年11月14日

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