★阿修羅♪ > 不安と不健康12 > 338.html
 ★阿修羅♪
医師の高給復活の話題ではなく、崩壊すると(高給でも)復活しにくい医療現場の技術と気の話題です。
http://www.asyura2.com/0601/health12/msg/338.html
投稿者 どっちだ 日時 2006 年 11 月 17 日 01:18:18: Neh0eMBXBwlZk
 

(回答先: Re:  相当陳腐化した情報ですね 投稿者 戦争屋は嫌いだ 日時 2006 年 11 月 16 日 08:29:21)

医師の高給復活の話題ではなく、崩壊すると(高給でも)復活しにくい医療現場の技術と気の話題です。

フォローありがとうございます。正直言って、どんな内容でも、質疑が付くと嬉しいです。ところで、わたしも戦争屋は嫌いです。

いやー、驚きました。ちっとも知りませんでした。

>給与が6千万に達した公立医院(スコットランドの過疎地)の医師など、「自分はこんな高い給与はいらないのに」とデーリー・メールに語っているくらい

これは驚愕情報です。ありがとうございます。6000万(年俸ですか?)くれても、それに見合うほどは働きたくない。自分の人生はそれとは違うんだ、って言ってるんでしょうね。低医療費政策の時代にイギリスから脱出しなかった医師には、それなりの事情があったはずで、それに超高給を出すのって、、、、逃げ出した優秀な医師を呼び戻す呼び水効果でも狙ったんでしょうね。

引用元デーリー・メール記事のポインタなどご紹介くだされば、大いに活用できますので喜びます。よろしくお願いします。

イギリスの事情にお詳しいようなので、ごく最近の医療現場での医療機能や医療従事者の士気について、回復状況をご存知でしたら、教えていただけると助かります。イギリスがいかにして立ち直ったかは、医療崩壊後の日本医療を考える上で重要です。


さて、ブレアの医療費150%計画は2000年から突然始まったものです。1.5倍増計画を実施しても効果が上がりにくい事態に陥っていることが、下記の2004年の記事で既に紹介されていますが、一般の目に触れることはなかったでしょう。

-ここから-----------------------------------------------------------------------

http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2004dir/n2591dir/n2591_03.htm
第2591号 2004年7月5日

短期集中連載〔全5回〕

「医療費抑制の時代」を超えて

イギリスの医療・福祉改革

第4回 医療費を大幅拡大するNHSプラン

近藤克則(日本福祉大教授/医療サービス研究)

《略》

医療費を1.5倍に拡大

 2000年新春インタビュー番組(BBC)の中で,ブレア首相は突然,大幅な医療費引き上げ宣言をした。

 当初は「誰も信じなかった」と言われるのも無理はない。突然で,しかも引き上げ幅が,5年間でなんと1.5倍という大幅なものであったからである。しかし,それなりの根拠はあった。GDP比で6%台(当時)に過ぎないイギリスの医療費水準を,他のヨーロッパ諸国の平均水準(GDP比約10%)まで引き上げれば1.5倍になるというのだ。

 言い換えれば,NHSの危機的状況は低医療費がもたらしたものであること,いくら制度改革をしても新たな投資なしには効果は上がらないことが,多くの人にとって明らかだったのである。

《中略》

上がらぬ成果or評価には時期尚早?

 国際公衆衛生学会での発表のために2004年4月にイギリスを訪れたその際に,イギリスからの参加者4人に,NHS改革への評価を尋ねてみた。2人は「数字は,操作されている」などの理由で懐疑的な評価であったが,NHSの第一線で働く2人は好意的な評価をしていた。Canterburyに足を延ばして,Kent大学の社会政策学者Baldock教授にも評価を尋ねてみた。その答えは,「医療費用や養成される医学生の数など,インプットが増えたことは間違いない。しかし,インプットを増やしたからといって,直ちにアウトプットやアウトカムの改善にはつながらない。医療には技術が不可欠だからだ。医学生が一人前になり実際に患者を診るようになるには10年かかる。この間に確認されたのはそのことだ」であった。

成果があがらぬ理由
 
 十分な成果が見られない他の理由としては,以下が考えられる。

 第1は,医師や看護師数もEU諸国よりまだ少なく,人手不足であること。

 第2は,下がりきった医療従事者の志気が改善しないことである。同じ人数でも,医療従事者の志気が低ければパフォーマンスも低い。NHS 改革で行われたことは,第三者が定めた標準や基準による評価と,他のトラストとの比較や賞罰など,もっぱら外圧による誘導であるとも言える。これらは低下した医療従事者の士気にはたしてプラスに作用するのであろうか。

 第3に,投入された新たな資金が,欠損の穴埋めに消えてしまった可能性である。例えば,安すぎた看護師の給与の引き上げや,長時間であった研修医の労働時間の短縮などに使われた医療費は,新たなサービス供給を生み出さない。

 イギリスの経験が示すのは,いったん医療現場が荒廃してしまえば,その回復には多大な医療費の拡大が必要になること,しかも医療費を大幅に拡大しても,その効果が現れるには,長い年月が必要となることである。比喩的に言えば,いったん借金がふくれ上がってしまうと,それを返済して完済し,さらにプラスに転じるのは容易でないのである。

-ここまで---------------------------------------------------------------------

イギリス外に逃げ出した医療技能者を呼び戻すには、現場の待遇を多少良くした程度では不足でしょう。ブレア政権が一時的に優遇政策を行っても、それが長く続く保証はなく、もし再び保守党政権ができれば昔に戻る可能性だってあるわけです。

医療技術者患者双方からの失われた医療政策への信頼、植えつけられた医療者に対する不信、害われた医療者の士気など、完全崩壊に至ると回復に時間がかかるだけでなく、投下したコストも有効に働かなくなることが問題にされています。

医師などの待遇が相当改善されても、現場の混乱が相当程度に残っていると、最近のブログ記事などを漁っても感じられます。ご存知の範囲で結構ですので、現地からのレポートを期待します。

以下は比較的新鮮な情報。現在イギリスで臨床医(整形外科)として働いている仁野千香(整形外科)さんの記事です。

-ここから----------------------------------------------------------------------

http://melit.jp/voices/ninotchka/2006/05/16/post_9.html
■ 2006年05月16日 股関節手術の待ち時間(イギリス)

今朝のBBCニュースのトップ記事はいつも話題にことかかないNHS(Natianal Health Service:国民健康保険のようなもの)のこと

ヨーロピアン法廷での判決 「イギリスのNHSは患者さんの治療の待ち時間が長過ぎて患者さんがフランスなど国外で治療を受けた場合のコストを負担すべき」

ケースは75歳のYvonne Wattsさんという女性 イギリスでの待ち時間が長過ぎたために人工股関節置換術をフランスで受けた£3,900 (80万くらい)(*1)をNHSに請求できるかどうかという争点で答えはYESとでたわけです

このケースの詳しいことはわかりませんが人工股関節置換術を受けるのにオフィシャルで7〜12ヶ月のwaiting listといわれています しかしー実際は私が目にしてきた多くのケースは15〜18ヶ月でした
どこから「待ち時間」とするかも問題な訳です

典型的な例をあげると

「股関節が痛い」
とはじめに気づき、まず家庭医GPのところにいきます
レントゲンなどの施設もないしGPは整形外科医ではないので診察もろくにないまま
「とりあえず痛み止め出しときましょう」
と数ヶ月様子を見ます

それで痛みがあまりに変わらない場合GPのところにもどって整形外科に行きたいと要請します。するとGPは整形外科医コンサルタント(*2)に手紙を書いて送ります(これが1週間くらい)。整形外科医コンサルタントの秘書さんはGPから手紙を受け取ると整形外科コンサルタントの外来診察に予約をとり、予約をとったことを手紙にして患者さんとGPに送ります(これが2〜3週間くらい)。患者さんが手紙を受け取ってみるとだいたい予約は6ヶ月先のいついつ、となっているわけです。この時点ですでに6ヶ月〜1年くらいたっているわけです。

待ちに待って整形外科医に会いにいく。するとレントゲンをはじめてここでとられて診察されて疑問がある場合は他のテストを含めて数ヶ月。ストレートに人工股関節の手術の予約をとりましょう、といってもそれに7〜8ヶ月プラスということになるわけです。

私がコンサルタントについて外来にいたときに初老の女性が股関節の痛みで診察にきていて初診まで1年待ったといっていました。その女性にコンサルタントが手術はだいたい6〜8ヶ月先と説明したとたん、涙がこぼれていました。「もうこれ以上待てません。最近は外出も出来ないようになってきた」と。

想像を絶する悲惨な状況ですが、どこまでこの判決で改善してくれるのやら。いやはや。

---------

《参考リンク》 http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/4985190.stm

BBC News Last Updated: Tuesday, 16 May 2006, 09:30 GMT 10:30 UK

NHS told to fund treatment abroad

UK patients forced to wait longer than they should for NHS treatment are entitled to reclaim the cost of being treated in Europe, a court has ruled.

The European Court of Justice said the NHS must refund costs if patients waited longer than clinicians advised, even if waiting time targets were met.

The court was ruling in the case of Yvonne Watts, 75, of Bedford, who paid £3,900 for a hip operation in France.

But it said in her case UK courts would have to decide if she got a refund.

Mrs Watts said the news was "wonderful" and that if she got the money back she would donate it to a medical charity.

The case, which centres on the definition of "undue delay", could have a significant impact on the NHS.

It will allow any patient facing an unacceptable delay who has the funds to pay for an operation upfront to seek treatment abroad and recoup the costs from the NHS.

The Department of Health said it did not expect the judgment to make a big difference to the numbers travelling abroad to receive hospital treatment.

But it has already said it would be issuing new guidance on the issue in June.

Mrs Watts said: "I welcome it for what it means for other NHS patients. That's why I did it.

"If other people have to have hips done and have to go abroad, they'll be encouraged."

Her solicitor, Richard Stein, said their victory would now act to regulate possible cutbacks in the NHS and increases in waiting times caused by financial constraints.

It should also help to make sure that the concept of "undue delay" was based on a medical decision, not just an arbitrary timeframe.

The European Court of Justice in Luxembourg was asked to rule on the case after the English Court of Appeal sought its guidance.

The ECJ said the UK government wrongly interpreted patients' rights to access services in other EU countries.

It said just because waiting list targets had been met did not necessarily mean that a patient had not had to wait for an undue length of time for treatment.

Instead primary care trusts must ensure a patient's waiting time "does not exceed the period which is acceptable in the light of an objective medical assessment" of clinical need.

'Flexible targets'

The court added the degree of pain the person is in and the nature of his or her disability must be taken into account.

Also waiting time targets must be set "flexibly and dynamically" and reassessed if there is a deterioration in condition.

As authorisation for reimbursements of costs was usually sought before treatment was obtained, the primary care trust would be the body to decide on whether the patient was facing an undue delay.

However, the court found that it was for the British courts to decide whether Mrs Watts faced an undue delay and thus whether she should recoup her costs.

High Court battle

Mrs Watts, who is severely disabled, was told in September 2002 that she needed a double hip replacement and that she would have to wait around a year for the treatment.

But by the end of January 2003, her condition had worsened and a consultant said she should be operated on within three or four months.

The primary care trust again then refused authorisation for treatment abroad saying she could receive it on the NHS within the "appropriate time". This was upheld in the High Court.

But she decided to go ahead with an operation in the French town of Abbeville in March 2003 nonetheless.

There then followed a High Court battle between Mrs Watts and Bedford Primary Care Trust over the cost of the operation.

Changes?

Both Mrs Watts and the Department of Health then appealed to the Court of Appeal, which referred the matter to the European Court of Justice.

A Department of Health spokeswoman said: "We expect to continue with a system that requires any patient who wants to travel abroad for elective hospital treatment, paid for by the NHS, to be authorised to do this by their local healthcare commissioner before they receive treatment.

"However, we need to understand the full implications of the court's judgment before we make any changes to the systems operated by the NHS."

Bedford Primary Care Trust said it had applied "sound clinical judgement" at all times in the case of Mrs Watts and stressed the ruling did not decide whether she was eligible for a refund.

The Court of Appeal will decide whether Mrs Watts has her costs refunded.
--------------

*1 人工股関節の手術のコストはヨーロッパ、イギリスでは日本に比べ安いそうです 人工股関節そのものが輸入だったり税金だったりせいなのでしょうか 

*2 整形外科医のコンサルタントはイギリス全土で5000人だそうです コンサルタントというとだいたい「教授」レベルと同じと考えてもいいのかもしれませんが、すべての患者さんはコンサルタントのもとに治療されるという原則を考えると少なすぎ。

-ここまで-----------------------------------------------------------------------

これは今年5月の記事でした。NHSの惨状は現在も改善までに程遠いようです。

次も最新情報。

-ここから----------------------------------------------------------------------

http://blog.drecom.jp/ukhospice/

英国ホスピスコラム

イギリスのホスピスで働く看護師です。
ホスピスでフルタイム働く傍ら緩和ケアのDegree取得のため大学でパートタイムで勉強中です。
緩和ケアについて自分の思ったことや経験したことを中心に書いています。


http://blog.drecom.jp/ukhospice/archive/133#comments
イギリスの医療っていったい・・・。[2006年10月17日(火)]

先週末、買い物に行った。彼氏がよく行くスーツのお店にも寄った。
そのお店はある街のメインストリートにあるけど、ちょっと古ぼったいかんじの店。気さくなおじさんとおばさんが経営している。いろいろなとこからセンスのあるスーツを仕入れているので見かけとは違い、結構お客さんはくる。

私はそのおばさんのキャラクターが結構好きで
「XXさん、そのスーツすっごくにあってる!」
「買わなきゃ後悔するわよ!」
「買わないの?そんなに似合っているのに買わないなんてばかげてるわよ」
なんて冗談交じりにいったりする

おじさんはおばさんにちょっと尻に敷かれてるかも・・・という感じのカップルだった。

ところが、先週末にその店に行くとおじさんの姿が見えなかった。

「先月なくなったのよ。脳腫瘍でね。」とおばさんが言った。

おばさんの話によると、おじさんは3ヶ月ほど前から頭痛を訴えるようになったそう、そして眼球内に出血も見られることもしばしばあったそうな。
そのつど、GP(かかりつけ医)に見てもらいに行ったが
「Paracetamol(アセトアミノフェン)を飲んで様子を見るように」と言われ続けていた。

ある日、店を閉めた二人はそれぞれの家へ帰ったが、おじさんとその夜から連絡が取れなくなったそうだ。
次の日の朝、店におじさんは顔を出さず、今までそんなことは一度も無かったそうで、不安に駆られたおばさんはおじさんに何度も電話をするがつながらない。
おじさんの近所の人に電話するとおじさんの車はいつもの場所に止まっているという。

あわてておじさんの家に駆けつけたおばさん。おばさんは鍵を持っていたけど、おじさんが用心のためにかけたのか、内側のロックがかかっていてドアが開かなかった。
異常な状況に、不安を覚え、おばさんは警察へ電話した。警察は着てくれたものの、明日まで様子を見るようにといって立ち去ってしまったそう。

ドアを蹴破った近所の人とおばさんがみたものは床に倒れて、すでに冷たくなっていたおじさん・・・。
そして解剖の結果、脳腫瘍が原因だった。

おばさんはイギリスの医療にすごくおこっていた。
異常な頭痛、眼球内の出血を訴えてなんどもGPに看てもらったにもかかわらず、一度も頭部の精密検査、CTもしてもらえなかったこと。
もしもGPがきちんと対応してくれていたら何か違っていたのではないかと・・・。
昨日までいっしょにすごしてきたパートナーをあっという間になくしてしまった悲しみとGPに対する怒りでいっぱいだった・・・。

「たった一ついいことといえば、彼は苦しい治療も、病院生活も送ることなくあっという間に逝ったことくらいかしらね・・・」
とおばさんが最後に言った言葉はおばさん自身を慰めているかのようだった。

-ここまで----------------------------------------------------------------------


さて、以下の投稿でご紹介した記事は数年前の経験談で少し古いですが、現在でも何も変わっていないように見えます。

重症化する患者を、手間と金はかけず、時間をかけて、選別する : 日本の近未来
http://www.asyura2.com/0601/health12/msg/335.html
投稿者 どっちだ 日時 2006 年 11 月 15 日 22:33:18:

こんな事だとは思わなかった ! http://www.geocities.jp/jgill37jp/index.htm
イギリスで病気になってはいけない http://www.geocities.jp/jgill37jp/dates.html
イギリスの病院に行ってはいけない http://www.geocities.jp/jgill37jp/nhs_index.html

 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

▲このページのTOPへ HOME > 不安と不健康12掲示板


  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。