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http://www.kanagawa.med.or.jp/chosaku/kpma/josanshi060921.pdf
保健師助産師看護師法違反容疑による警察の捜査に関する見解
平成18年8月24日、横浜市瀬谷区所在の産婦人科病院などが、保健師助産師看護
師法違反容疑で家宅捜索を受けました。 この件に関する神奈川県医師会の見解は次のとおりであります。
法令違反による罰則を適用するには、いかなる場合に法令違反になるのかが当該法令において明確でなくてはなりません。 これは罪刑法定主義の一つの帰結であります。
本件の捜査は、医師、看護師に対する保健師助産師看護師法(以下、「保助看法」という。)第30条違反容疑を理由とするものとみられます。
保助看法第30条は、「助産師でない者は、第3条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。」と規定しています。
保助看法第3条は「この法律において「助産師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。」との規定であります。
先ず「助産」の意義ですが,保助看法には定義がありません。一般には助産は「分娩を助け、産婦や新生児の世話をすること」とされますが、これからは保助看法における助産の意義は明らかになりません。
上記保助看法第30条但書が「医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。」と規定しているところから、医師が助産を行いうることに疑問はありません。
次に保助看法第5条ですが,「この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。」と規定しています。
即ち、医師は診療として助産を行うことができ、看護師はじょく婦に対し医師が行う診療である助産を補助できることになるのであります。少なくとも保助看法第5条をこのように理解する余地のあることは明らかであります。
従って,保助看法違反罪を規定する保助看法第30条においては、いかなる場合に同条違反となるかが当該法令上不明であり、同条は不備な規定といわなければなりません。
この不備を正すことなく、保助看法第30条違反の捜査を実施することは不当であります。本件の捜査を速やかに停止するよう求めます。
また,産科診療の現状は重大な段階にあります。かかる時期になされる不当な捜査は産科診療の困難性を増強するものであり、このような捜査が実施されたことは誠に残念であります。
以上
平成18年9月21日
神 奈 川 県 医 師 会
会長 田 中 忠 一
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