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土壌の水銀、東京湾を汚染 30年前の農薬が雨で流出
2006年08月31日09時54分
http://www.asahi.com/national/update/0831/TKY200608300417.html
30年以上前に農薬としてまかれ、土壌に残留した水銀が雨で河川に流れ出し、今も東京湾を汚染している可能性が高いことが分かった。静岡県立大環境科学研究所の坂田昌弘教授(環境化学)らの研究で明らかになったもので、使われた水銀量から推定すると、東京湾の水銀汚染は今後、数十年は続くと、坂田教授はみている。ただ、専門家は「健康への影響を重大に考える必要はないのではないか」との見方を示している。
東京湾での水銀の出入り
研究成果は、米国で今月開かれた第8回水銀国際会議で報告された。坂田教授や別の研究者の調査で、東京湾の堆積(たいせき)物中の水銀濃度は、水銀系農薬の生産や使用が全面的に禁止された70年代に急減。ところが80年代以降は下げ止まり、自然の状態で考えられる濃度の5倍ほどでほとんど変動していないという。
坂田教授らは03年12月〜05年1月、当時勤務していた電力中央研究所と共同で、東京湾に出入りする水銀量を調べた。(1)大気から雨と一緒に降ったり、ガスや粒子として落ちたりする量(2)多摩川、荒川、江戸川からの通常流入量(3)海底への堆積量(4)海面からの揮発量(5)湾外への流出量――の5項目だ。
この結果に基づき、湾内の面積や水の流入出量などを考慮し、湾全体の年間の水銀量を算出。「入」は(1)が37キロで、(2)が70キロで計107キロ。一方、「出」は(3)495キロ(4)49キロ(5)13キロで計557キロだった。差し引きで年間450キロ「出」が多くなった。
降雨を考慮に入れて再度、調査を実施。降雨のない時と2回の台風時について、多摩川で微量重金属の濃度を比べたところ、台風時に水銀は16倍と50倍に増加していた。ほかの主な重金属はおおむね数倍程度にとどまった。坂田教授らは、農地の残留水銀が雨で河川に流れ出て、東京湾に運ばれている可能性が高いと結論づけた。ただ、魚類に蓄積することによる人への健康リスクの評価は、今後の課題という。
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