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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu128.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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土地価格の政府発表の数字ほど明らかに現実と違う数字である
それをマスコミが今更のように、「デフレ脱却」と受け売り報道する
2006年9月20日 水曜日
◆基準地価、3大都市圏16年ぶり上昇
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060919-00000001-yom-bus_all
国土交通省は19日付で、2006年の基準地価(7月1日時点)を発表した。
東京、大阪、名古屋の3大都市圏の平均で、住宅地が前年比0・4%上昇、商業地は同3・6%上昇し、ともにバブル期の1990年以来、16年ぶりに上昇に転じた。
東京など大都市の中心部で先行した地価の回復が郊外にも広がり、都市圏全体の地価を押し上げた。一方、全国平均は、住宅地が同2・3%下落、商業地が同2・1%下落し、いずれも15年連続で下落したが、下落率は3年連続で前年より縮小し、下げ止まりに向けた動きもうかがえた。
3大都市圏で上昇率が30%を超えた地点は、商業地で8地点、住宅地で1地点。東京の千代田、中央、港の都心3区の平均上昇率は、住宅地が前年比17・8%(前年4・9%)、商業地は同14・2%(同2・8%)と、上昇率が大きく拡大した。
(読売新聞) - 9月19日6時1分更新
◆欺瞞の「基準地価」とマスコミによる「情報汚染」 9月19日 HiT株式教室
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/family-mn/hit1.htm
戦時中の「大本営発表」という嘘ばかりの発表を信じさせられた国民の地位は今もあまり変わっていないかもしれません。中でも、土地価格の政府発表の数字ほど明らかに現実と違う数字でありながら、それをマスコミが今更のように、「デフレ脱却」とピントの外れた受け売り報道を行うことは迎合的で無批判な姿勢と言わざるを得ないでしょう。
国土交通省が発表した「基準地価」は同省が公表する毎年1月1日時点の土地価格である「公示価格」を都道府県レベルで7月1日の時点で異なる調査地点とについて発表されるもので、基本的に公示地価と内容が異なることは無く、補完的なものに過ぎません。公示価格や基準地価はバブル崩壊後に実際の土地価格が急落する一方で、土地の実勢価格とかけ離れて少しずつ値下げしてきた結果、実勢と3年もずれて「3大都市圏で16年ぶりに上昇」というような欺瞞性の高い数字になって発表されたことは疑いようがありません。
公的な地価の算定には一応資格のある不動産鑑定士が適切な評価を行う形式になっていますが、集められた取引事例は当局の固定資産税の急減を防ぐ思惑によって都合の良い事例が多いことは業界の常識と言われています。多くの地主が不当に高い固定資産税について、取引事例よりもはるかに高く課税され、訴訟になったり、クレームをつけましたが、土地所有者が示す取引事例は「個別の事情で特別に安く売買された特殊な取引事例」として参考にならないと行政側が退けています。都合の悪い取引事例を「特殊な事例」として排除していたのでは正確な土地価格にならないことは当然でしょう。
結局、地方の土地は公示価格や基準地価を少しずつ下げても追いつけず、都心部の土地は不動産投信などの買いで急騰し、ようやく実勢に見合うレベルになったに過ぎません。4年ほど前にキャノンが「土地を借りるより買うほうがコストが安い」として、それまでの土地を買わない方針を転換して大規模に土地を取得したことがありました。それは収益還元に比重を置いた正しい経営判断だったことが今になって明らかになっています。4年前なら兎も角、マスコミが今頃になって、「16年ぶりに3大都市圏の土地が上昇」と報道することは土地取引に無知な人たちを焦らせて高値掴みを奨励させかねない問題のある追従記事と言うべきでしょう。固定資産税を高く取られた人たちにとっても気分の悪い報道に違いありません。
◆地価高騰はいつまで続くか 8月30日 住宅ローンアドバイザー 殿岡秀秋
http://blog.mag2.com/m/log/0000159738/
近年の大都市での地価高騰を支えてきたのは,史上空前の低金利と金余りです。日銀のゼロ金利と量的緩和政策の結果,資金の運用先を求めて,地銀等がJリート(日本型不動産投資信託)に大量に資金を投資しました。
これを運用するためにJリートは多くの不動産を取得してきました。そのため優良の投資物件は品薄となり,価格の高騰をまねきました。Jリートに物件を納める不動産業者は,高値で物件を仕入れてもJリートが購入してくれるので,高値でも物件探しを続けることができたのです。
しかし,日本銀行は7月14日で短期市場金利(無担保コール翌日物金利)を実質0%に誘導する「ゼロ金利政策」を解除し,金利を0.25%引き上げることを決めました。金利の引上げは2000年8月以来,ほぼ6年ぶりとなります。
公定歩合(日本銀行が,市中金融機関に貸出しを行う際に適用される基準金利。中央銀行により,市中の通貨量や金利を調節する手段とされる)は年0.1%から0.4%に引き上げられました。年内の再度の利上げもありうると日銀が政策転換した結果,不動産市場は大きく変化してきています。
●金利上昇で地価安定化へ
長期金利の上昇を受けて,地銀等からのJリートへの投資は止まりました。一方でJリートの上場の動きは,ますます活発化しています。そのため都心部の地価は,さらに高騰していますが,さすがに高値すぎて,投資しても利回りが悪化するため買いを躊躇する動きもみられ,高止まりしているのが実情です。現在上昇しているのは大都市圏郊外と地方の大きな都市の投資用物件です。
一方,Jリート上場数の増加で投資家の争奪戦が起こっています。その結果,新規上場で公募価格割れのJリートも出てくるようになりました。05年度に上場した16銘柄のうち,8銘柄の初値が公募価格を割り込みました。7月に上場予定だったエコロジー・リート投資法人は「市場の地合いが悪い」と上場を見送ったほどです。
現在はまだ低金利ですが,日銀の再度の金利引上げがあると,地価への影響は深刻となります。 Jリートは投資家から資金を集めていますが,投資資金の4割程度は金融機関からの借入れでまかなっています。調達金利の上昇は利回りの悪化をまねきます。
反対に銀行等の預入れ利息は高くなるため,相対的にJリートの金融商品としての魅力が薄れてきます。まだ,低金利ですので,その影響は大きくありません。ところが,再利上げが起こると投資家の選択の目が厳しくなることが予想されます。
仮に年内に再利上げが起これば,Jリートが高値で物件を仕込むことは難しくなります。当然,Jリートに物件を納める不動産業者の物件の仕入れもシビアになります。 こうして金利上昇局面で,大都市圏での地価は安定化に向かうとみられます。
(私のコメント)
9月9日の株式日記でも都心三区の賃貸相場が高くなっている事を書きましたが、空室率も1%台という話も出ていますが信じられない数字だ。その時は輸出産業が景気がいいからだろうと書きましたが、他にもREITなどの不動産投資ファンドからの投資で優良物件が少なくなって奪い合いになっている話もききます。さらには耐震偽装問題などで古いビルから新築のビルへ引っ越す動きも関係しているだろう。
このように都心三区の不動産バブルは周辺に広がっていくものだろうか? それとも都心三区だけの特殊な現象なのだろうか? 住宅に関しても超高層マンションが都内のあちこちに建てられているが、バブルの崩壊に伴う土地の流動化で超高層のビルやマンションが建て易くなったことも原因している。バブルの頃は地主もなかなか土地を手放さなかったが、土地の暴落と共に逆に手放す人が増えたのだろう。
このように都心三区にオフィスが集中して、都内の各所に超高層マンションが建てられるようになった原因としては首都圏の拡散が広がりすぎて、都心回帰が進んできたと言えるのだろう。以前は庭付き一戸建ての人気が強くて通勤時間がかかっても郊外の田園都市に一戸建ての住宅を求めたが、通勤に往復2時間以上もかかる所では、やはり生活に支障が出ることで一戸建て住宅から都内のマンションに回帰しているのだ。
オフィスビルも新都心や副都心などへの移転もありましたが、やはり中央官庁のある都心三区の利便性にはかなわないのだろうか? しばらくぶりで都心を歩くと今まで無かった新築のビルが軒並み並んでいて驚きますが、これからも都心の風景はどんどん変わっていくのだろう。一時は空洞化が心配されましたが都心の利便性が見直されたのだろう。
だから都心の基準地価の上昇は都心の再開発が進んだ事による反映であり、再開発が進めば土地の値上がりにつながってくる。逆に再開発の進まない所は老朽化が進んでスラム化してゆくのだろう。今回の基準地価は都心だけではなく名古屋などの駅前再開発地域も地価が上昇している。
このような再開発のキーワードは「超高層」であり、オフィスにしてもマンションにしても超高層のビルが中心になっており、今までは面に広がっていたのが上に伸びて面の広がりは集約化されている。アメリカのような土地の広いところでも都市は超高層ビルが建てられるのも利便性のためなのだろう。
このように大都市の再開発による経済の活性化の道筋は見えてきたのですが、地方の経済の活性化の道筋は見えてこない。だから基準地価などの動きもずるずると下げ続けている。駅前商店街も寂れる一方だし、国道沿いの巨大ショッピングセンターとパチンコ屋とラブホテルだけが繁栄しているような風景だ。
大店法の改正で中央の大資本が巨大ショッピングセンターを作って地元の資本を食ってしまった。そして大資本が手を出さないパチンコ屋とラブホテルだけが繁栄している。確かに巨大ショッピングセンターが出来れば都会と変わらぬ消費が出来るから便利だろう。車社会で大きな駐車場も備わっている。そのおかげで大資本が地方資本を食ってしまった。
このまま中央と地方の格差はついて行く一方なのだろうか? ヒントになるのは北海道の倶知安のリゾート地の地価が上がっている。オーストラリアからのスキー客の宿泊施設が出来て利用価値が高まった。だから温泉旅館なども外国には無いものだから考え方を変えれば道は開けるかもしれない。地方の人は東京ばかり見て考えますが、外国にも目を向けてみれば道は開けるかもしれない。
バブルの時代は確かに地方に多くの観光施設やリゾート施設が出来ましたがほとんど失敗してしまった。国内の客ばかり想定して同じ事をしては失敗する。日本もこれからは円安時代がやってくるかもしれない。そうなれば外国からの観光客がやって来やすくなる。日本ではありふれた豊かな自然も外人客にとってはアピールするかもしれない。豊かな発想力こそが地方を活性化するための切り札になる。