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極東ロシア】「サハリン2」事業停止命令 電力、ガス業界、調達へ影響  (フジサンケイ ビジネスアイ(日本工業新聞社))
http://www.asyura2.com/0601/hasan47/msg/699.html
投稿者 Kotetu 日時 2006 年 9 月 20 日 12:51:17: yWKbgBUfNLcrc
 

「サハリン2」事業停止命令 電力、ガス業界、調達へ影響



FujiSankei Business i. 2006/9/20  TrackBack( 0 )


 【モスクワ=内藤泰朗】ロシア天然資源省は18日、三井物産や三菱商事が参加するロシア極東サハリン沖の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」について、事実上の事業停止命令に当たる事業化調査承認の取り消しを発表。これに対し、同計画の事業主体、サハリン・エナジーは19日、「計画に極めて否定的な影響を及ぼし、開発実現の遅れにつながる恐れがある」との声明を出した。事業停止で2008年夏の日本、韓国、北米向け液化天然ガス(LNG)出荷をはじめとする事業計画全体に大幅な遅れが出るのは避けられない情勢だが、サハリン・エナジーは「ロシア政府が自らの義務を履行すると確信する」と政府に再考を求めた。


 「サハリン2」からのLNGは、購入契約を結んでいる電力、都市ガス各社にとって、今後の調達計画の中で重要な役割を担っているだけに、困惑を隠しきれないでいる。また、ロシアによる“強権発動”の背景には、原油価格の高騰を契機とした国家間の「資源争奪戦」の激化があり、日本のエネルギー安全保障にも大きな影響を及ぼすのは必至だ。

 購入を計画しているのは、東京、中部、九州、東北電力と東京、東邦、広島、西部ガスの8社で、購入量は合計で年間約470万トンに上る。

 東京電力の場合、2007年からの22年契約。購入量は年間150万トンで、年間のLNG使用量(約1600万トン)の1割弱を占める。東京ガスも07年からの24年間に年間の使用量(約970万トン)の1割強に上る110万トンを購入する計画だ。

 LNGの購入は20年前後の長期契約が中心で、原油価格の変動に応じて一定の範囲で価格は上下するが、長期にわたり安定的に調達できるというメリットがある。

 これまでの調達先は、インドネシアやオーストラリア、中東などだが、「09年から10年にかけて現在の長期契約が相次いで切れる」(電力会社)という。このため、当初06年末からの稼働を計画していた「サハリン2」が新たな調達先としてクローズアップされ、契約に踏み切ったという経緯がある。

 また、従来の調達先に比べ距離的に近いことから、輸送費などのコスト削減効果も期待できる。しかも、ロシアからのLNG購入は今回が初めてで、「調達先を分散するというリスクマネジメントの観点からも重視している」(同)という。

 ただ、今後の対応については「稼働が遅れても、供給できなくなる可能性は小さい。別の調達先を探しても、結果としてだぶつくだけ」(関係者)などとしており、当面は静観するしかないのが実情だ。

 現実問題として、LNGの需要は今後、中国やインドを中心に世界的に大きく伸びるのは確実で、すでに需給逼迫(ひっぱく)や価格高騰の懸念が高まっており、別の調達先を確保するのは簡単なことではない。


 ■問われるエネルギー安全保障 国家主導の資源外交急務

 サハリンは、原油の約9割を中東から輸入するという過度の「中東依存」から脱却する上でも重要な役割を担っており、今回の「サハリン2」の事業化調査承認取り消しは、少資源国の日本に対し、改めてエネルギー安全保障の重要性を突きつけたといえる。

 原油価格が高騰する中、世界各国は国家主導による激しい資源争奪戦を繰り広げている。

 特に、ロシアはウクライナへの天然ガス供給の停止に踏み切るなど、資源大国としての影響力を外交などに利用する動きもみせており、「欧州では生命線のエネルギー供給をロシアに過度に依存することが、大きなリスクとして認識され始めている」(民間アナリスト)。

 ロシア以外にも、ベネズエラなどの産油国ではメジャー(国際石油資本)などの民間資産を国有化する動きが表面化。中国も世界各地で資源開発の権益を次々に取得するなど、国家主導の資源外交を繰り広げており、“資源ナショナリズム”が世界的に高まっている。

 日本エネルギー経済研究所の小森吾一主任研究員は、「原油価格の高騰で産油国は巨額のオイルマネーを手にしており、自前で十分に資源開発ができる。利益を外国資本に無条件で渡したくないとの思惑が強まっている」と指摘する。

 中国などの経済成長に原油を中心とした資源需要は、今後ますます拡大するのは確実。資源価格の高騰が続く可能性は大きく、資源ナショナリズムに拍車がかかる懸念もあるが、小森主任研究員は、「外国資本による産油国への投資が先細りになり、10、20年後のエネルギー供給に支障をきたす恐れもある」と、警告する。

 こうした中、日本でも12月に閣議決定する「エネルギー基本計画」で、海外での資源開発や権益取得に加え、“和製メジャー”の育成などを打ち出す方針だ。また、サウジアラビアなどペルシャ湾岸の6産油国との自由貿易協定(FTA)締結に向け動き出すなど、資源外交も積極化している。

 ただ、「国のトップ自らが資源外交に飛び回る中国などに比べ出遅れている」(石油元売り大手首脳)との声は多く、26日に発足する新政権にとっても、エネルギー安全保障は重要な課題となりそうだ。(小塩史人)


 ■経産相 露駐日大使に事業継続を要請

 二階俊博経産相は19日、ロシアのロシュコフ駐日大使と都内の同国大使館で会談した。

 ロシアが「サハリン2」を事業停止したことに対し、二階経産相は「サハリン2が風前のともしびのような報道があるが、私はそう理解していない。プロジェクトをきちんと遂行すべきだ」と要請。

 ロシュコフ大使は「同意見だ。これをもってロシアが外資を締め出すことはない」と応じ、20日午後に大使自身が記者会見を開き、本国の状況などを説明する考えを示した。


【用語解説】 サハリン2

 サハリン(樺太)東部沖合の大型石油・天然ガス開発プロジェクト。1992年に国際入札が実施され、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルと三井物産、三菱商事が落札した。原油生産量6000万バレル、液化天然ガス(LNG)同960万トンで、2008年の商業生産が予定されていた。同計画は石油価格が低迷した時期に合意した生産物分与協定(PSA、企業間の利益配分を定める協定)に基づいており、ロシア政権は「不平等」として見直しを示唆している。


【関連記事】
・「サハリン2」事業停止 統制強化する露、3つのシナリオ (2006/09/20)
・サハリン1にも干渉 環境調査を開始 露政権 (2006/09/13)
・露天然資源省、サハリン2の計画見直しを命令 (2006/09/01)

http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200609200035a.nwc


<コメント>
 沈みゆく船から鼠は逃げるものあのだが・・・、ポチを首相にしてからの手傷は大きいと思いますです。
 それが、また続くのかと思うと、ウンザリ・・・

 

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