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日刊ゲンダイ9月15日号
この会社の人と事件 野村隆夫
貸金業法改正の裏事情 米国の圧力の前に腰砕けになった金融庁
後藤田政務官は抗議の辞任
「拒否できない日本」ということなのか。特例と経過期間で大モメの貸金業規制法改正案は、米国政府と米金融機関の圧力で大きく歪められた、との説が永田町を席巻している。
上限金利引き下げ案の反対に動いたのは、米国の大手金融機関が参加するロビー団体、フィナンシャル・サービシズ・フォーラム(FSF)と、投資ファンドなど機関投資家のロビー団体、マネージド・ファンズ・アソシエーション(MFA)。
「ロビー団体は与謝野馨金融担当相に上限金利引き下げに反対する書簡を送った。ロビー団体の働きかけを受けた米財務省が、非公式ながら、金融庁に対して金利引き下げの見直しを求めた。米大手金融機関は米国政府と組んで、金融庁に圧力をかけたのだ」(有力金融筋)
米国が金利引き下げに頑強に反対したのは、日本の消費者金融業が彼らの"ドル箱"になっているからだ。消費者金融大手7社というのは、アコム、プロミス、武富士、アイフル、三洋信販の国内5社に、米シティグループのCFJと米GEグループのGEコンシューマー・ファイナンスの米国勢の2社が入る。シティグループやGEキャピタルはFSFのメンバーだ。
一方、投資ファンドなど米機関投資家の日本の消費者金融会社への投融資額は4兆円に上ると推計されている。
「金利引き下げは多重債務者の救済が目的だが、米国勢には、そんなことは眼中にない。金利引き下げで、投資先の業績が悪化して、株価が下落することは絶対に容認できない」(外資系の証券アナリスト)
「対日投資が減ってもいいのか」との米国の圧力の前に金融庁は腰砕けになったという。
「改正法の公布から9年間、灰色金利を残すこと。利息制限法の上限を超える金利の支払いは任意であると契約書に明記することで、借り手側からの過払い利息の返還訴訟に負けにくくするなど、いわゆる"先送り条項"を金融庁に認めさせた」(前出の有力金融筋)
米国に弱いのは「安倍政権」も小泉時代と同じ。9年間の猶予期間を7年程度に短縮するのが関の山だろう。米国側の高笑いが聞こえてくる。