★阿修羅♪ > 国家破産47 > 673.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.komei.or.jp/news/daily/2005/1116_01.html
特別会計 与党主導で大胆な改革を財政民主主義の確立に向けて
公明新聞:2005年11月16日付
200兆円上回る
改革の加速を求める民意を受けて、政府・与党は、今年(2005年)度予算で約411.9兆円に上る特別会計の改革に向けた議論を本格化させている。財政制度審議会が今月(11月)下旬には改革案を示す一方、与党は財政改革協議会に作業部会を設け、年内にも基本方針を取りまとめる方向だ。
特別会計は、財政法で、国が特定の事業を行う場合や特定の資金を保有して運用を行う場合、また特定の歳入をもって特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区別して経理する必要がある場合に、例外的に設置が認められている。現在は、事業の収支を明らかにする会計が25、資金運用の収支を明らかにする会計が2、その他の会計が4と、合計31の特別会計がある。
例外であるはずのこの特別会計が巨大化している。今年(2005年)度予算で見ると82.2兆円だった一般会計に対して、特別会計は歳出総額411.9兆円、重複分を除いた歳出純計で205.2兆円に上っている。毎年の予算編成、予算審議では、一般会計だけがクローズアップされているが、本来、政府予算は特別会計を合わせた総額494.1兆円、純計239.7兆円分になるわけだ。
特別会計が多数設置されていることの問題点は、何よりも予算全体の仕組みを複雑で分かりにくくし、財政の一覧性が阻害されることだ。そもそも財政民主主義の観点からは、予算は一つでなければならないという「統一性の原則」がある。18世紀後半に英国で確立した原則だが、それまで英国では各省が独自財源に基づく基金を持っており、議会が一元的にコントロールできない状態だった。
わが国でも、戦前の旧会計法では特別会計を極めて例外的な存在とし、統一性の原則を保っていた。戦後、行政の役割の変化に合わせて、財政法が特別会計をより積極的に認めたのだが、それが増殖し国会ですら十分にチェックできない状態となっては、民主主義の成熟度が問われるといっても過言ではないだろう。
「統一性の原則」からは、特定の収入と特定の支出を結びつけない「ノン・アフェクタシオンの原則」も導き出される。この原則から外れると、ある収入がある限り、ある支出を行うというムダを生むことになる。わが国の特別会計には、そのような特定財源を持つものも多く、原則どおりムダが生まれていることになる。
廃止・民営化も
いわば財政の原則からも外れているわが国の特別会計の改革が急務になっている。財政審は2003年11月の報告で、特別会計の事務事業の見直し、歳入の見直し、説明責任の強化の必要性を指摘している。また改革の本格化で財務省は今月(11月)、一般会計への吸収、民営化・独立行政法人化、統合などで、31の特別会計を半分程度に減らす原案を示し、自民党政調会長は数年以内に10程度に再編する方針を表明している。さらに、特別会計の見直しにあたっては公明党が提案している事業仕分けの実施も検討されている。
「よい財政制度なくして、繁栄した国民経済はなし」といわれる。社会と経済を媒介する財政は、時代の転換期には必ず改革を迫られる。新たな繁栄を築くには財政の革新は避けて通れない。特別会計改革は特殊法人改革以上の大改革になるが、よりよき財政制度を築き、歳出を削減するためにも断行しなければならない。
公明新聞をぜひご購読ください。お申し込みはこちらへ