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毎日新聞的ポピュリズム 【池田信夫Blog 】
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投稿者 姫 日時 2006 年 9 月 13 日 08:13:59: yNQo0naya4Ss.
 

毎日新聞的ポピュリズム [ Media ] / 2006-09-06


貸金業規制法の改正案をめぐる議論が、大詰めを迎えている。けさの朝日新聞の1面トップの見出しは「貸金業金利 一部アップ」。え?と思って本文を読むと、これは利息制限法(の一部)の上限のことだ。おまけに「後藤田政務官 抗議の辞意」と、金融庁の「業界保護」を指弾する論調である。日経は「貸金業規制、調整綱渡り」と比較的冷静だが、読売は社説で「『特例』容認で骨抜きにするな」と主張している。毎日の社説に至っては、こう主張する:
貸金業界は上限金利が引き下げられれば、信用リスクの高い人は排除されてしまうと主張する。本当だろうか。金利の引き下げは消費者にプラスである上、与党の基本方針も求めている低所得世帯に対する金融小口融資や中小零細事業者に対するセーフティーネット貸し出しの強化を図れば、かなりの問題は解消できる。
「本当だろうか」と問いかけておきながら、「信用リスクの高い人が排除される」という主張には反論せず、政府系金融機関による「小口融資」の話にすりかえている。要するに、高リスクの債務者には国費を投じろという話だ。「庶民の味方」を気取りながら、実はお上に頼るのが、こうしたポピュリズムの特徴である。

消費者金融の平均貸出金利は、大手5社でも23.15%(2005年3月・消費者金融連絡会調べ)である。上限を20%以下に引き下げれば、債務者の半分以上が借り入れできなくなるだろう(*)。特に中小の貸金業者は、ほとんどが20%以上でしか貸していないから、壊滅的な打撃を受ける。ところが毎日の社説は「業界ではこうした規制が実施されれば、業者数は現在の約1万4000から大幅に減少すると予測する。それも過剰供給状態からの正常化過程であろう」という。

こういう議論の背景には、「サラ金は暴利をむさぼっているのだから、金利を引き下げる余地があるはずだ」という通念がある。しかし金利が高すぎるという主張と、業者が「過剰供給状態」だという主張は矛盾している。過剰供給であれば、金利は競争によってリスクに見合った水準まで下がるので、得をするのは債務者である。現実に、貸金業界は非常に競争的であり、平均貸出金利も下がり続けている。業者が「大幅に減少」して大手の寡占状態になったら、リスクの高い債務者は市場から排除されるだろう。

「サラ金に駆け込むような債務者は、もともと返済能力がないのだから、貸さないほうがいい」という家父長主義も事実に合わない。大手5社の貸付債権のうち「返済困難」とみなされるのは7.9%で、大手行の2.9%に比べれば高いが、それほど特殊な市場ではない。それを地下経済に追いやるのではなく、価格メカニズムで解決する手段を整えることが市場経済の原則だ。

たしかに個別の債務者の話を聞けば、「金利を下げれば救済できる」と思うのも無理はない。しかしそれを救済しようとして金利を規制すると、市場全体としては資金供給が減少し、かえって救済されない人が増えるのだ。こういう合成の誤謬は、当事者の意見を聞いても解決せず、経済全体をみる政策当局やメディアが注意しなければならない。それを「業者保護」対「消費者保護」といった図式でしかとらえず、最後は政府に尻ぬぐいさせようという毎日新聞的ポピュリズムの背後には、まだ社会主義の亡霊が残っているのである。

(*)もう少しくわしいデータを『TAPALS白書』から補足しておく。消費者金融の債務者は、大手5社だけで1054万人(2005年)。そのうち、実に91%の債務者が20%以上の金利で借りている。業界全体では、債務者はこの1.5倍ぐらいだろうと推定され、中小の金利はほとんど20%以上だから、上限が20%になると1400万人以上が締め出されることになる。このうち3割ぐらいは金利引き下げで救済されると仮定しても、900万人以上が借り入れできなくなるだろう。金融庁の案でさえ、きわめて暴力的な価格統制である。

コメント


素朴な疑問 (通りすがり)

2006-09-06 13:41:37

お金を借りるという行為は、ある一点において通常の商品の購入と大きく異なりますね。緊急性です。車を買う歳に、私達はトヨタと日産をじっくり選べます。しかし「金がない!」という緊急時において、どれだけ時間的・精神的余裕と合理的な判断を確保できるでしょうか。あなたは切羽詰った経験をお持ちでない?上限を20%以下に引き下げれば、債務者の半分以上が借り入れできなくなると書いていますが、いささか根拠に乏しいですね。推測の域を出ません。消費者金融が自殺によって年に4千件近い保険金の支払いを受けている現実があります。こんな国が世界でほかにどれだけありましょう?政治やマスコミが問題視するのは無理からぬことです。リスクの高い債務者を政策的に市場から積極的に排除し、自己破産をうながす。そして4千人の命を救う。それは国益に叶うのではないでしょうかね。マーケットは重要ですよ。しかし完璧とは限りません。市場はときに歪むのです。そもそも1万4000もの膨大な業者が成立しうるような業界は、ほかにどれだけありましょう?市場メカニズム(優勝劣敗のシステム)が「正しく」働いているとは私には到底思えません。

本文をちゃんと読んでください (池田信夫)

2006-09-06 16:55:13

上限を20%以下に下げたら債務者の半分以上が借り入れできなくなる根拠は、現在の平均貸出金利が23.15%、つまり過半数が20%以上で借りているからです。

自殺云々と消費者金融の金利にどういう因果関係があるんですかね。それこそ根拠に乏しい話です。リスクの高い債務者を排除して自己破産をうながしたら、自殺者はもっと増えるんじゃないですか。

続・素朴な疑問 (通りすがり)

2006-09-06 17:41:12

ご丁寧なレス恐縮しました。
現在の平均貸出金利が23.15%だから、債務者の半分以上が借り入れできなくなる、という貴方の主張。これが、いくぶん根拠に乏しいと私は申し上げているのです。平均貸出金利が23.15%以下にならないという明快な根拠を示してほしいのです。企業努力によって、コストが下がる。それが自由市場です。マーケットメカニズムです。しかし、1万4000もの業者が温存される程度に、この業界は自由競争が成立していないのです。少なくとも、熾烈な価格競争をするパソコンや家電と比べて、自由な金利競争が行われているとは思えないのですね。なお、リスクの高い債務者を排除して自己破産をうながしたら、自殺者はもっと増えるんじゃないですかとのご指摘でですが、これも根拠に乏しいと言わざるをえないですね。残念ながら。

? (池田信夫)

2006-09-06 18:27:47

「1万4000もの業者が温存される程度に、この業界は自由競争が成立していない」? 企業の数が多いと競争が成立しないなら、1社独占になったら競争が成立するんですかね。これ以上、意味不明のコメントを書くのはやめてください。


意味不明で申し訳ありません (通りすがり)

2006-09-06 18:43:14

レス恐縮です。
言葉足らずをお詫びします。すいませんでした。数の問題を持ち出したのは、貸金業者の実態が玉石混交であり、自由競争(優勝劣敗)が正しく機能していないと言いたかったのです。実際に、暴力団などアンダーグラウンドの、俗にフロント企業と呼ばれる業者が存在することはご承知のとおりです。まっとうな競争があれば、もっと数は少ないだろうというのが趣旨です。もちろん1社独占になることは、ありえませんが。


通りすがりさんへ (Unknown)

2006-09-06 18:57:17

上限の金利を引き下げれば闇金は、増えるのでは。
もっとも、ただいいかっこしたい人に、何を言っても無駄でしょうが。


Unknown (経済素人)

2006-09-06 20:51:59

>大手5社の貸付債権のうち「返済困難」とみなされるのは7.9%で、大部分の債務は返済されているのである。
20%以上で貸してもこれだけ返済されているのだから、20%以下になれば、もっと返済率は上がるはずで、貸し倒れリスクが下がる(利益率も下がるが)ので
>上限を20%以下に引き下げれば、債務者の半分以上が借り入れできなくなるだろう。
というのは矛盾するように感じます。なにか見落としているのでしょうか?


逆ですよねぇ (株屋)

2006-09-06 21:35:15

なぜマスコミは「後藤田氏は闇金業者の肩を持つのか!」と批判しないのだろう。
浅はかなヒロイズムが結局闇世界の助けになっているのだが。
はっ!まさかそれが狙い!?

経済素人さんへ (おさむ)

2006-09-06 22:34:44

>>上限を20%以下に引き下げれば、債務者の半分以上が借り入れできなくなる

だから

>>20%以下になれば、もっと返済率は上がるはずで、貸し倒れリスクが下がる

んでしょ?
これをどうして矛盾するように感じるのかわからない。
「債務者の半分以上」を「債務者のうち、返済可能性のより低い人」と置き換えればよいのでは?


困ったものです (平宮康広)

2006-09-07 02:39:30

出資法はなくなったも同然です。最高裁判決を非難してもしょうがないわけで、残された方法としては利息制限法の上限を上げて一本化するだけでしょう。特例措置などよりもそうしたほうがよいのですが、それは立法府の仕事であって行政府では手に負えない。そして後藤田さんや与謝野さんは、立法府に持ち込むことを拒否しているのかもしれませんね、憶測ですけど。

スティーブ・ジョブズは若い頃に「海軍に入るくらいなら海賊になったほうがましだ」と言ったそうですが、僕は若い頃に「官僚になるくらいならヤクザになったほうがましだ」と思ったことがあります。「銀行屋になるくらいならサラ金屋になったほうがましだ」と思った人もいるでしょう。それは「悪」なのでしょうか?

Unknown (元多重債務者)

2006-09-07 05:59:50

利息制限法を下げてくれて、出資法を残すと利用者にはありがたいんですけどね。新規も多重も(笑)


朝日の社説も出ました (池田信夫)

2006-09-07 09:56:13

特別措置の理由は、「急に締め付けてやみ金融が増えれば、自らが批判の矢面に立ちかねない」という「金融庁の都合」だそうです。価格統制によって業界を地下経済に追いやることへの反省がないのか、それをごまかそうとしているのか・・・

そもそも金融庁の懇談会で、価格統制が必要なのかという根本的な議論が欠落し、規制水準ばかり論じたことが間違いのもとです。それなのに、金融庁の案がその議論を「踏襲していない」として政務官が辞任し、それに朝日も「同感」だという。この国は、つくづく社会主義を脱却してないですね。


社説とは言えないですねえ、、、 (平宮康広)

2006-09-07 10:02:31

最高裁判決により、出資法の法的効力が無効になってしまった以上、利息制限法を改正して金利の上限を上げるしかないわけですよ。それが合理的判断というか、常識でしょう。
しかしそれにより、サラ金業者による事実上の銀行業務参入も認めざるおえない場面が生じるでしょう。金融庁がそれを拒絶しているような気がしないでもないですね。それで闇金融を誇大宣伝しているのかも。もちろん、憶測ですけどね。

国家のご都合主義もたいがいにしろと言いたいですね。グレーゾーンをなくすということは、銀行とサラ金の境界もなくすということですよ。さっさとそうしたらよいではないですか。日本は法治国家でしょうに(w


おさむさんへ (経済素人)

2006-09-07 10:29:43

レスありがとうございます。
例えば今までと同じ人に貸す場合、
>>20%以下になれば、もっと返済率は上がるはずで、貸し倒れリスクが下がる
ので、貸し出しをやめる必要はないと思うのです。

>>上限を20%以下に引き下げれば、債務者の半分以上が借り入れできなくなる
というのは、単純にいうと業者の利益が、今まで23円だったのが20円になってしまうので貸さなくなるということなんでしょうか?これは今まで「ぼろ儲け」だったのが普通の「儲け」になるだけということではないでしょうか。「普通に儲かる」のに今まで貸していた人に貸さなくなるのでしょうか?貸し倒れリスクも下がるわけですし。「ぼろ儲け」をしたい業者が撤退しても「普通に儲けたい」業者がその穴をうめるのではないかと思うのですが?


行動経済学の見地からは? (亀戸ママチャリ日記)

2006-09-07 12:34:49

池田先生は先日、行動経済学の新書を紹介していらっしゃいましたが、そうした見地に経ってみるとサラ金から金を借りる人の行動はどのように解釈されるのでしょう。
自然界ではネズミは鼠算式には増えないので、複利計算の特性をわきまえた上で、経済合理的に行動するのが難しいのではないかと思うのですが。
 ご提案のクーリングオフ方式を導入すると返って自己破産が増える恐れは本当にないのでしょうか。
 教えていただければ幸いです。


Re: 行動経済学の見地からは? (池田信夫)

2006-09-07 17:14:08

2日の記事に書いたとおりですが、逆に「債務者はまったく合理的な判断ができない」とか「金利はリスクを反映していない」と考えるのも非現実的です。市場が競争的であれば、金利は資金コストに均等化するというのが経済学の教えるところです。

当ブログへのコメントにも、「金利を規制すれば下がる」と単純に考える人が多いようですが、無理に金利を下げたら、コスト割れになるリスクの高い人は借りられなくなります。その両面から検討しないと、規制の影響は評価できないのに、負の効果は無視して「正義の味方」を気取る人ばかり多いのは困ったものです。


Unknown (つか)

2006-09-07 20:00:02

普通に考えてサラ金は不完全情報市場だろ。


日経社説 (池田信夫)

2006-09-07 21:46:06

ふだん市場原理をかかげる日経も、この問題については「『例外』は最小限で」という論調ですが、最後にかろうじてひとこと「多重債務者対策は金利下げに頼りすぎるべきではない」という話が出てくる。

同じように消費者金融が問題になったイギリスでは、上限金利を設けるべきかどうかで論争が行われ、結局、今年成立した消費者信用法では上限規制は行わないことになりました。そういう議論もなしで「業者対消費者」というナンセンスな図式で泥仕合の続いた今回の騒動をみると、日本で経済学がいかに無力かを思い知らされます。特に役所のいいなりで「論点整理」を行った吉野座長の罪は重い。


re:日経社説 (Unknown)

2006-09-07 23:14:08

>「業者対消費者」というナンセンスな図式

2004年11月:「武富士」会長に懲役3年。
2006年4月:「アイフル」に業務停止命令。
2006年8月:「アコム」金融庁立入検査。

自浄能力あるの?こいつらに?みたいな世論はありますよ、そりゃ。
ふだん市場原理をかかげる日経ですら、業界を擁護しきれないところに、問題の深さを見て取るべき。
なにしろ、代表的企業にして、この体たらくですからねえ・・・ 
日経もそんな「空気」を読んだと理解すべきでしょう。


Unknown (ばたーかっぷ)

2006-09-08 01:32:15

誤爆すいません。
業務停止命令は貸金に限ったことではないでしょう。
確かに業界として、不健全な面はあるでしょうが。

それでも、不完全市場なら、完全市場に近づける種類の改正をするべきで、金利規制とか総量規制とかは最後の手段なのではと思います。
参入規制を厳しくするとか、信用情報機関利用の義務化とか、業務改善命令の導入だとかが盛り込まれているみたいで、そこら辺の手当てもされているみたいですけどね。

そもそも論として、価格統制が上手くいった例というのが思いつかないんですよね。


Unknown (まがりん)

2006-09-08 08:54:34

>価格統制

医者、弁護士、公務員、再販制度etc. うまくいってるかどうかはともかく存在は普通に可能。


自民党合同会議 (池田信夫)

2006-09-08 09:43:34

きのうは自民党の会議が荒れて、金融庁の案はペンディングになったようですが、これはよくある「ガス抜き」でしょう。自民党はすんなりと了承したわけではない、というポーズです。金融庁の案を変えられるとは思えない。特例措置を設けなければ、たちまち800万人以上が金を借りられなくなり、中小のサラ金が大量に倒産するでしょう。

多重債務などというのは、債務者の数%の問題です。そういう特殊な人々は、個別に救済措置を講じるしかなく、金利引き下げで問題は解決しない。おかげで、健全に返済している90%以上の人々の生活を破綻させ、闇金融に追いやるのです。


Unknown (Unknown)

2006-09-08 12:16:34

>業者が「大幅に減少」して大手の寡占状態になったら、
>リスクの高い債務者は市場から排除されるだろう。

金利引き下げで問題は解決しないのはご指摘の通り。しかし、上記の部分は、経済学的に明らかにおかしいですね。この議論に、大手の寡占うんぬんは基本的に関係ありません。

具体例を言います。いま、日本の自動車メーカーがどれだけあります?数えるほどですよ。まさに大手の寡占です。価格競争が起きていませんか?起きていますよ、充分に。寡占により市場が歪むという理論は、根拠に乏しいものです。その根拠をご教示下さい。


Unknown (Unknown)

2006-09-08 12:37:46

>健全に返済している90%以上いる、
>しかし、たちまち800万人以上が金を借りられなくなる。

金利引き下げで問題は解決しないのはご指摘の通りと、あらかじめ断ったうえで、一言。決して揚げ足をとりたくはないのですが、この部分が核心なんです。健全に返済している人が9割と仮定します。返済余力のある人たちです。それが、3%かそこらのの貸し出し金利の低下によって、大半が不良債権化とみなされ、貸し出しをとめられる。それが池田さんの意見です(これは経済的に正しい意見です)。

しかし、9割の"健全な"利用者にとっては、金利が上がろうが下がろうが、リスクは一定じゃないの?という思いがあるんですね。だって、給料も同じだし、与信リスクは同じのはずでしょ、と。感覚的にね。

金利が下がれば、むしろ返済率は上がりこそすれ、下がることはないとすら思うかもしれない。しかし、それが逆だといわれる。唐突に「もう貸せないよ。焦げ付くから」となるわけです。しかも、大半が。

そのへんのロジックが、一部の政治家もふくめ、なかなか「感覚的に」理解しにくい部分だと思いますね。


? (池田信夫)

2006-09-08 16:36:01

>この議論に、大手の寡占うんぬんは基本的に関
>係ありません。

あります。今は大手で借りられない人が中小で借りているので、こういう人々は、中小の業者がいなくなったら市場から排除されます。


Unknown (Unknown)

2006-09-08 17:19:28

池田さん、原因と結果を取り違えてますよ。

A:池田さんの主張
(1)中小の業者がつぶれる(原因)
  ↓
(2)貸せなくなる(結果)

B:むしろこうでしょう。
(1)金利規制で貸せなくなる(原因)
 ↓
(2)中小がつぶれる(結果)

逆ですよ。中小業者の淘汰は「原因」ではありません、「結果」なのです。倒産するから貸せなくなるのではありません(A)。貸せなくなるから倒産するのです(B)。議論に混乱が見られます。倒産による寡占うんぬんは、この問題の本質的な問題ではありません。倒産が問題ならば、業者の救済が政治課題になりますよ。これは完全にポイントがずれてしまいます。


何が逆なんですか (池田信夫)

2006-09-08 17:42:45

金利が規制されたら中小の業者が「大幅に減少」するから、リスクの高い債務者は借りられなくなるのです。中小がいなくなるのは、結果であるとともに原因です。わけのわからない話はもうやめてください。

Unknown (Unknown)

2006-09-08 18:43:13

>中小の業者が「大幅に減少」するから、リスクの
>高い債務者は借りられなくなるのです。

リスクの高い債務者は、中小の業者があろうが、なかろうが、金利規制によって強引に一切借りられなくなる。そしてその数は800万人にも及ぶ・・・というのが、池田さんの議論の核心だと理解していました。

気分を害させるのが目的ではありませんので、やめます。失礼の段ありましたら、平にご容赦くださいませ。


パックインジャーナル (風月)

2006-09-10 19:27:13

昨日のCS朝日のパックインジャーナルがこのテーマでしたね。出張先のホテルでちょっと見ました。

紺谷典子氏が「私は皆さんと違って金融庁よりの姿勢ですが」と前置きして、「金利を低く制限することで中小企業の経営者が非常に困るようになる」と池田氏と同様の主張をしたところ、司会の愛川欽也氏や田岡俊次氏等他の出席者からから激しく攻撃されてました。

紺谷氏が「まじめに経営している貸金業者が〜」と発言したところ、すかさず田岡氏が「高金利の業者がまじめな経営だなんて」と突っ込んでましたね。この人、こんなこと言うから「田岡元帥」って揶揄されちゃうんだよな。

小生はIT系のコンサルをしてるんですが、資金繰りその他において高金利を承知の上で合法貸金業者からつなぎ資金を調達するクライアントはいっぱいいて、貸金業者も別に悪徳ではないんですよ。高金利なのは、利用する中小企業のうちいくばくかの企業が倒産して回収不能になったり、審査にほとんど時間をかけずにほぼ即決で融資するので、その分回収不能率が高くなるわけで、その危険負担を考えて高金利になってるわけですね。大数の法則による融資、ってやつでしょうか。

池田氏のおっしゃるとおり、高金利を規制するとこれまでの金利で借りていた企業や個人が借りられなくなって困窮するわけで、高金利規制の経済的意味を無視して、「高金利イコール悪徳」みたいな議論は笑止千万ですね。

グレーゾーンの解消と、多重債務者を救済することと、高金利の是非は分けて考えるべきで(政策には整合性が必要ですが)、そこをごっちゃにした床屋政談みたいな番組だったんで、見るのは止めちゃいました。愛川欽也、パックインミュージックの頃は楽しかったんだけどなぁ。


落としどころ (池田信夫)

2006-09-10 21:13:50

金融庁と自民党の調整で、特別措置を2年短縮して3年とすることで決着する方向だそうです。しかし、これは業者に店をたたむ余裕を与える意味はあっても、債務者の半分以上が借りられなくなるという問題の解決にはならない。

今回の騒動で救いがたいのは、規制強化によって債務者を締め出すマイナスの効果について(「有識者」も含めて)まったく議論が行われず、業者を救済しようとする金融庁とそれに反対するクレサラ弁護士の不毛な対立で論争が行われたことです。

クレサラ弁護士の親方、宇都宮弁護士などは「中小の貸金業者は借金返済のための金を貸しているだけだから、なくなってもかまわない」と公言しています。こういう人々は、ちゃんと返している大多数の債務者が金利規制でどうなるのか、という問題を考えたこともないのでしょう。


それにしても (風月)

2006-09-10 22:10:55

金融庁は、なぜ規制強化によるマイナスの効果についてアナウンスして、それに関する議論を喚起しないんでしょうかね。金融庁だって「業者と結託している」なんて見方をされるのは嫌なはずで、「中小企業と小規模事業者の味方です」っていうスタンスのほうが国民の受けが良いはずなのに。

もしかしたら、国民の大多数は「上限金利が下がると、今まで高金利で借りざるを得なかった自分も安い金利で借りられるようになる」って勘違いしてるのかな。そうだとしたら、そんな誤解を放置しておく金融庁と、クレサラ弁護士たちの罪は大きいです。

クレサラ弁護士の活動を否定するつもりは毛頭無いんだけど、彼らは困窮していく中小企業とその経営者を救済する活動は行うんだろうか。日本の中小企業って個人資産を投入している経営者が多いから、会社が倒産すると経営者個人も悲惨なことになるんだよね。株式会社であっても経営と資本は全然分離していなくて、実体はむしろ合名会社みたいなものだからね。日本の中小企業は。

ホームレスになっていく中小企業経営者を、宇都宮氏や木村氏は救っていけるのだろうか。

実験してみませんか(w (平宮康広)

2006-09-10 22:44:46

一文無しの僕が、「起業する」と言って試しにサラ金で1000万円借りてみるのも面白いかもしれません。無担保で借りれるわけですよね。金利がナンボになるのか、、、(w

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/4cb96ae7784acc861f9168be3d65b7eb

(私のコメント)
株屋さんの『なぜマスコミは「後藤田氏は闇金業者の肩を持つのか!」と批判しないのだろう。浅はかなヒロイズムが結局闇世界の助けになっているのだが。
はっ!まさかそれが狙い!?』

これに100票ですね。金利無しで乗り出すイスラム金融がこの追い貸し地獄の引き受け先になることでしょう。自己債権を守るためにまた追い貸しを続ける。こういった駆け込み寺は闇金の莫大な債権を支えることになるでしょう。日本で借りてイギリスの高金利で運用する。まあどちらにしたってリスクを抱えることになるんでしょうが。

上限定めたって、引当金ってのがあるので、まったく法規制が利かない範囲になってしまいましたね。借りてみないと分からない。債権を守るほうに動くのか、債権価格を下げ、現金の価値を上げるように動くかもまったく定まっていませんし。

問題はやはり、資本が集積した場所で貸し出しに使ってしまったことにあると思います。消費不足を借り入れで補う流れが出来てしまいました。債権を保護する流れにいくなら、サラ金財政を推奨する流れになるでしょうし。乗数理論を上回る借金依存体質が存在します。最初から紙幣循環を放棄しています。

二宮金次郎がシェイクスピア以上に問題の本質を突いています。光クラブも。銀行法では預金を預かって貸付をする事業主は銀行法を適用することということでしたが、出資法でこういった規制が一切響かない闇金、消費者金融が出てきました。預金保護、債権保護適用外の裏稼業でしたが、預金保護で、実質、今の銀行法を適用している銀行も裏稼業と同一レベルになってしまいました。それもこれも現金が集まるとすぐ使ってしまうお役所体質が法律を緩和せざるを得なかったのではないでしょうか。

借金がないと生きていけない体質になっています。いつの間にか裏稼業が表の政策になってますし。なぜ昔の人に今の問題の本質を問わせているのでしょう。俺が悪いんじゃない、悪いのは先代だ!?製鉄法に至っても、ヒッタイトの既得権益だったという話ですが、あたかもその地に木が生い茂っていたかのようですよね。たたら法では大量の大木を必要とします。木もユダヤ人によって切り倒されたとでも言うんですかね。

ヒロイズムが悪魔に変わるとき。悪魔によってヒロインズムが生み出される。ほぼ生殖機能ですね。

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