★阿修羅♪ > 国家破産47 > 581.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu126.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
日銀はデフレ下で金融引締めに転ずるという暴挙をしたが、
10年もの国債金利は1,7%に急低下、実質金利もマイナス金利
2006年8月30日 水曜日
NHKクローズアップ現代より
MHKは福井日銀総裁の暴挙をはっきりと指摘すべきだ。
◆消費者物価、新基準で伸び鈍化 脱デフレ宣言に逆風 8月26日 朝日新聞
http://www.asahi.com/business/topics/TKY200608260061.html
消費者物価指数の5年ぶりの基準改定で、家計の消費動向に合わせて対象品目や比重を見直したところ、物価上昇の勢いは旧基準の指数に比べて大幅に鈍った。生鮮食品を除いた7月の総合指数は前年同月比0.2%の伸びにとどまる。年内の追加利上げを検討している日本銀行や、目標としてきたデフレ脱却の宣言に秒読み態勢だった政府にとっては、予想外の「逆風」となりそうだ。
25日の東京債券市場では、年内の追加利上げの観測が後退し、長期金利の代表的な指標である新発10年物国債の流通利回りは一時、前日終値に比べて0.085ポイント低い1.700%と急低下(債券価格は急騰)した。5カ月ぶりの低水準だ。
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「米国経済の下ぶれ懸念を考えれば、年内の追加利上げはできない。年度内さえ微妙な情勢だ」と指摘する。
日銀も「意外な数字」(日銀幹部)と戸惑いを隠さない。これまで、物価上昇率よりも短期金利が低いことで、不動産や株式などへ資金が流れ込み、不自然な価格上昇が起こりうるというシナリオを描き、利上げの根拠の一つにしていたからだ。日銀が誘導目標とする無担保翌日ものの短期金利が0.25%なのに対し、新基準の物価上昇率は0・2%と逆転。「実質金利がマイナスだから追加利上げすべきだという根拠は否定された」(上野氏)。
さらに、1月や4月の物価上昇率は今回の基準改定でマイナスとなった。安定的にプラスになることを前提としていた3月の量的緩和解除の判断にも疑問符がつきかねず、「この数字が出ていたらまずかった」との声も日銀内から漏れる。
ただ、日銀は「物価の上昇傾向は変わらない」「設備投資を見れば、景気は上ぶれ懸念が強い」との見方から、早いタイミングでの追加利上げをうかがう姿勢を崩していない。
第一生命経済研究所の熊野英生・主席エコノミストは「日銀にとって消費者物価指数は金融政策を決める判断材料の一つにすぎない。年内の追加利上げの可能性は消えていない」と指摘する。
●「検討する時間必要」与謝野氏
基準改定による消費者物価指数の上昇率押し下げ幅は最大0.6ポイントに達し、0.2ポイント程度にとどまるとみて、小泉政権でのデフレ脱却宣言を想定してきた政府に冷や水を浴びせた。
内閣府は「デフレ状況に後戻りしない十分な物価上昇」が確認されれば、脱却宣言は可能としてきた。ある幹部は「直近の各指標で数カ月前にも宣言はできた。逆に悪化した指標が出た今、脱却宣言の根拠を示すのは難しい」という。
デフレ脱却を判断するうえで政府が重要視してきた、石油製品などを除いた中核的な物価指数は、旧基準では3カ月連続プラスで、月例経済報告から「デフレ」の文字を削除するきっかけになった。しかし、新基準の7月は前年同月比マイナス0.3%に落ち込んだ。4〜6月の国内総生産(GDP)速報でも、企業間取引も含めた物価を示すGDPデフレーターは前年同期比マイナスが続いている。
25日発表の消費者物価指数で指数改善が明らかになれば、宣言にゴーサインを出すとみられていた与謝野経済財政相は同日、消費者物価指数以外の経済指標も含め、9月中旬の月例経済報告までに検討する時間が必要だとの見解を示した。
一方、竹中総務相は25日の会見で「現状がより的確に反映される指標が出て、緩やかなデフレが続いていることが確認された」と自らの従来の主張が適切だったことを強調した。
ただ、閣内では「新基準でも2カ月連続のプラスとなった。デフレからの脱却が視野に入ったという今までの認識を変更する必要はない」(谷垣財務相)と強気の見方もある。
NHKクローズアップ現代より
日本のゼロ金利解除は世界経済に大きな影響をもたらした。
◆CPI基準改定についての日銀の言い訳 8月30日 BI@K
http://bewaad.com/20060830.html
タイミングを失してCPI基準改定そのものは取り上げられなかったのですが、cloudyさんのエントリにおいて丁寧に説明されているので、まずはそちらをご覧いただければと思います。
cloudyさんが告発されているように、日銀はデフレ下で金融引締めに転ずるという暴挙をしたわけですが(基準改定がなくてもそのような批判をwebmasterはしていましたが、より犯罪性が明らかになったということで)、それについての弁明が掲載されている記事が昨日(29日)ありました。
◆日経金融「BOJウオッチャー/日銀批判の再燃懸念/CPIショック、余波続く」
《 量的緩和政策の解除もゼロ金利政策の解除も間違いだったのではないか――。消費者物価指数(CPI)の基準改定を受け、政府・与党内からこんな批判の声が上がるのではないかと、日銀が警戒を強めている。基準改定がCPIを予想以上に押し下げたからだ。
(略)
三月に量的緩和を解除した際、日銀はCPIが一月まで三ヵ月連続でプラスになったことを最大の根拠に挙げた。その後CPIのプラス幅が拡大したことが、七月のゼロ金利解除を後押ししたのも間違いない。だが、CPIの下方修正は、政策変更の前提が「誤りだった」という批判を呼び起こしかねない。 》
とりあえずガセではないとの前提で、ふざけるのもたいがいにしやがれ! おっと下品な口ぶりで失礼。
まず、デフレかどうかは一般物価の動向で決まるわけですが、CPI=一般物価というわけではありません。理念的な一般物価をそのまま観測することは不可能であるので、代替的に用いられる指標に過ぎないわけです。CPIがプラスになったけれども、それがデフレ脱却を意味するのかどうかをきちんと検証すべきであるにもかかわらず、CPI=一般物価であるかのように印象操作を行ったのは日銀自身に他なりません。「皆で共有している経済指標」の1つであるGDPデフレータが依然としてデフレを示唆しているのを無視したくせに、どの面下げてこのような責任感ゼロの言葉を吐けるというのでしょう。
加えて日銀が罪深さを重大なものにしているのは、実際には「将来の改定後にこのくらい変わると予想」し、それが小幅にとどまるであろうという印象操作を行った点です。具体的には昨年11月(ちょうど「地均し」が盛んだった時期です)に発表された、白塚重典「わが国の消費者物価指数の計測誤差:いわゆる上方バイアスの現状」がそれです。
CPIにはボスキンバイアスとして知られる上方バイアスがあり、つまりは計測されるCPIは本来あるべき数値よりも高めの値をとります。CPIでデフレか否かを判断することの問題として指摘される点の1つがこれですが、白塚さんは、かつて(1998年)日本におけるボスキンバイアスは0.9パーセントポイントとの試算を発表された方です(1990年基準CPI)。推計を誤ったのが故意か過失かはwebmasterの知るところではありませんが、ボスキンバイアス試算者としての白塚さんの令名が結果として悪用されたのは事実でしょう。あの白塚さんがそう予測しているのだから、インパクトはそんなものだろう、と。
百ペタ歩譲って神ならぬ身には予測は不可能だったとの言い訳を受け入れるにせよ、であるなら自らのミスが基準改定により明らかになったことを喜び、引締め政策を即刻中止すべきでしょう。ところが日銀の実態といえば・・・
《 さらに、1月や4月の物価上昇率は今回の基準改定でマイナスとなった。安定的にプラスになることを前提としていた3月の量的緩和解除の判断にも疑問符がつきかねず、「この数字が出ていたらまずかった」との声も日銀内から漏れる。 》
「この数字が出ていたら間違えずに済んだのに」って悔しがれよ、アホンダラ。
NHKクローズアップ現代より
日本の金融政策が世界経済を動かしているのだ。
(私のコメント)
昨日のNHKのクローズアップ現代では「金利はどうなるか」を報道していましたが、株式日記では金融の量的緩和やゼロ金利解除はまだ早すぎると主張してきました。ところが日銀のバカ官僚や福井日銀総裁はゼロ金利解除まで断行してしまった。まさにデフレ経済下の日本で金融の引き締めを行なうという暴挙は犯罪行為だ。
私は元銀行員であり、現在は都心にオフィスビルと郊外に賃貸アパートを経営しているのですが、日銀官僚と言う人種は雲の上で生活していて下界の日本経済の実態を掴む事ができないのだろう。だからこそ株式日記で実際の日本経済の実態を書き続けているのですが、私がまだ早いと言っているにもかかわらず福井日銀総裁は金融引き締めを断行してしまった。
さっそくの私のメインバンクが貸出金利の引き上げを通告してきましたが、現在ですら収支トントンの実態なのに、金利が引き上げられた分が赤字になってしまって、自己資金を取り崩してやりくりしなければならない。私がこうして毎日ブログを書き続けているのも、銀行が金を貸してくれなくなり、仕事が開店休業になってしまったからです。そして美味しい不動産物件は外人がみんな買い占めてしまった。
日銀は既にデフレは脱却したとしてゼロ金利を解除したのですが、ゼロ金利を解除するための根拠としては物価上昇率がずっとプラスと言う事でしたが、最近の発表ではCPIは下方修正されてしまった。さらには10年物の国債金利が1,7%まで急低下して、短期金利が0,25%なのに物価上昇率が0,2%と実質金利がマイナスになってしまった。
おそらく金融の引き締め効果が現れる頃にはこの傾向が強まって、2000年の時のゼロ金利解除の誤りを再び繰り返したということがはっきりするだろう。早く金融を正常化させたいという日銀の主張も分かりますが、雲の上の日銀官僚には経済実態がつかめないのだ。これほど長くゼロ金利が続いているという事は、金融に問題があるからではなくて、財政や税制などに主な原因があるからであり、バブルの頃に改正された税制がそのまま残っているからだ。
一番大きな要因としては消費税が導入された事であり、3%の消費税がバブルを崩壊させ、さらに5%に引き上げられたことで金融パニックが起きるまでになってしまった。日本の消費税はヨーロッパの国でもない制度であり、全ての売買に5%の税金がかかりますが、実際にヨーロッパで行なわれている消費税はかつての物品税のようなもので生活必需品にはかけられていないか低い税率が適用されている。
この消費税を財務省は10%に引き上げたいとしているが、財務省の役人も雲の上の人であり現実が分かっていないのだ。可処分所得が横ばいか減っているにもかかわらず増税すれば確実に消費は減り大不況がやってくる。財務省の役人の根本的な発想が間違っているのであり、税金は所得や利益にかけるものであり、消費に税金をかければ消費を抑制するものとなるから経済にはマイナスだ。
さらに株式や不動産に対する税制も変えられましたが、その事により株や不動産が大暴落して日本の資産は1000兆円以上もの資産価値の消失を招いてしまった。確かに株や土地は上がりすぎていたが、大蔵省や日銀は急激にバブルを破裂させてしまって、アメリカのグリーンスパンがやったようにソフトランディングさせようとはしなかった。
日本のゼロ金利政策も景気回復になぜ効かないのかと言う事は、金融政策の問題ではなく財政の問題だからであり、箪笥にしまわれた現金を投資に向けられるようにすべきなのですが、大増税の前宣伝が強すぎて大金持ちはみんな箪笥に現金をしまいこんでしまう。この箪笥にしまわれた現金を引き出させるには税制を改正してさらにインフレ政策をとるしかない。
ところが日銀はインフレ政策が大嫌いであり、すぐ金融を引き締めたがる。財務省もいったん税源を設けると二度と手放そうとはしない。財務省とマスコミの財政赤字の大宣伝で国民も増税やむなしと言う人もでてきているが、歳出カットと増税がますます財政赤字を増やす元になっている。本当に財政赤字を無くすためには、政府の大規模な財政出動と日銀のインフレ政策しかないのですが、財務省や日銀の頭の固い官僚には分からないらしい。
なぜ分からないかと言うと、このような状況は教科書には書いてないからだ。だから経済学者も分からない。ましてやマスコミやエコノミストやジャーナリストにも分かるはずがない。日本がなぜ世界の金融を左右するほどの力を持つようになったのか誰も説明できないでいるが、1980年代に起きた日本のロボット革命は世界中の需要を日本一ヶ国で賄えるほどの生産革命なのですが、それを恐れたアメリカが日本経済を潰しにかかった。
それを恐れた日本は生産拠点を中国やアジアに分散させてアメリカの圧力をかわして来ましたが、技術そのものは日本が独占して持っている。家電製品や自動車製品は日本の独壇場だし、中国や韓国や台湾の製品の中身をあければ日本の素材や部品が使われている。アメリカの航空宇宙軍需産業も日本製のパーツが使われている。
このような日本の生産技術や素材革命によるハイテク商品には日本がほとんど独占している。このような生産力や技術力の裏付けがあるからこそ、金融資本力の裏付けとなり日本からの資金供給が可能だった。このような状況は第二次大戦前後のアメリカも世界の製品の供給国となり超低金利時代が続いた。日本やヨーロッパが戦災で焼け野原になり、アメリカ一国で工業製品を賄った。それと同じ状態が現在の日本に訪れているのだ。
本来ならば日本の円を世界通貨にして円とドルとユーロの三本立てで、円の国際化を図るべきなのですが、そのような状況が財務省の役人には理解できないのだ。円を国際化するにはアメリカに円建ての国債を発行させるしかないのですが、日本の政治家や財務省はそんな度胸が無いらしい。その代わりを中国にさせようとしている。
◆日本銀行が世界経済の動向を左右する時代が来ていた 5月25日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/d/20060525
《 このように技術力こそが経済の基礎であり、日本がダントツのリードを持っているから、日本の金融も世界の資金の供給元になれるのだ。通貨の信用の元は生産力と労働力にあるのですが、ハイテク社会では技術力が通貨の信用の元なのだ。だからアメリカに次ぐ世界の覇権国は中国ではなく日本であると思う。 》