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□フタタ 親子のシタタカ戦法 [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2339771/detail
フタタ 親子のシタタカ戦法
「この親子、なかなかシタタカかもしれない」
福岡を地盤とする郊外型紳士服チェーンのフタタ。年商100億円規模のこの会社の創業者・二田義松相談役と、その長男・孝文社長の親子評が市場関係者の間で急上昇している。
フタタは現在、紳士服2位のAOKIホールディングスからTOB(株式の公開買い付け)による経営統合を提案されている。と同時に、提携関係にあり、筆頭株主でもある業界4位のコナカからも完全子会社化の話を持ちかけられている。
「買収は会社にとって一大事です。ところが、フタタ親子は動じるどころか、両社の思惑をうまく利用して主導権を握っている」
ある証券幹部はこう褒める。業界トップの青山商事を追撃するためフタタを買おうとするAOKI、そうはさせじと手を挙げたコナカ。14日に設定されていたAOKIへの回答期限を18日に延期したのはその好例だろう。15日に開いたAOKIの緊急会見で青木拡憲社長は延期について不満を口にせず、「義松相談役とは40年来の友人」と親密な関係を強調し、仮にTOBを拒否されても「フタタにエールを送る」と気を使った。
会社をいかに高く売るか――。最もフタタ親子の評価を上げているのは、この点にある。
「フタタ親子の本心は、この先自らが経営していくつもりはありません。仮にその気があれば、株主にTOBに応じないよう徹底的に呼びかけるはずです。実際は無借金経営とはいえ、フタタの経営状況は03年、05年と赤字に転落するなど厳しい上に、この先大きく伸びる余地がない。親子はこのことをよく知っています。いまこそ潮時、言い換えれば売り時と考えているのです。フタタをより高く買ってくれるところに売る。これがホンネ。しかし、そんなことをおくびにも出さず、むしろ、AOKIにもコナカにも脈があるような話をして食いつかせている。見事です」(前出の証券幹部)
実はそれだけじゃない。実利も得ている。今回の騒動でフタタ株価は急騰。400円台でウロウロしていた株価がAOKIのTOB発表をきっかけに825円(15日終値)まで跳ね上がった。全株式の約4割を保有するフタタ一族の資産は、時価総額でザッと計算しても30億円から60億円に増えたことになる。
「堅実経営で地味」と地元関係者からも見られるフタタ親子だが、業界トップクラスのライバルを手玉に取るところはなかなかの戦略一家といえようか。
【2006年8月16日掲載】
2006年08月19日10時00分