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(回答先: 年金なんぞ全く頼りにならんことがようわかっとるこん世の中で老後の生活をどうするねん。 投稿者 hou 日時 2006 年 8 月 06 日 19:25:47)
http://www.waseda.jp/student/shinsho/html/65/6513.html
5. 高貯蓄の背景
日本経済が直面している将来からの挑戦はいうまでもなく人口減少と高齢化現象です。ご承知のように我が国の人口は2007年頃から減少を始め、2050年には9200万人〜1億人になります。こうした中で65歳以上の人口比率は、現在の18パーセント弱から2050年には32〜35パーセントという超老人国になります。こうした現象もある意味では戦後の成功物語がもたらした帰結でありますが、このような長寿化・少子化現象は高齢化社会への歩みを早め、これまでの右肩上りの成長とピラミッド型人口構造を前提とした既存の制度との軋轢をもたらす中で、将来の不確実性を高めているということです。ここでは、特にこのような将来の不確実性・不安の高まりと先に見た日本経済の低収益構造が国民の貯蓄率を高め、これが現在の不況の原因になっているという点を指摘したいと思います。
日本人は貯蓄の好きな国民です。かつてはこれでよかった。しかしながら、現在の不況の原因の一つに投資に比べて貯蓄が多すぎるという現象があります。貯蓄をすることが裏目に出ているのです。それでは、なぜ日本人はよく貯蓄をするのでしょうか。その一つの理由は高齢化社会になることに伴なう不安・不確実性や失業率が高まるという不安の中で、家計が保有している貯蓄からの利子が少ないから、さらに貯蓄をせざるを得ないという事情があります。働けど働けど老後の不安は解消せず、せっせと貯蓄に励むという悲しい現実です。それではなぜ金利が低いのか。もちろん現在はゼロ金利政策がとられていますが、家計が保有する金融資産(特に銀行預金)の金利は以前から低いのです。なぜか?それは先に見たように日本の銀行の効率が低いからです。さらには日本の産業(特にサービス業)の資本効率が低いからです。
このように、現在の過剰貯蓄という不況の原因の背景には日本の企業の効率の低さが原因していると言えます。それゆえ、現在の難局を脱却するためにも日本経済の企業の構造改革を断行し、効率を上げていかなけばならないのです。いわゆる金融のビッグバンはここにきて急速に進んでいますが、その戦略的な意味合いはこれまでの金融システムをグローバルスタンダードに改編していかないと日本経済はビッグバースト(破局)に陥るという基本認識があるからです。
このように考えると現在の日本経済の長期のスランプは、過去と現在と将来の問題が根の深い所で複雑に絡み合って生じていると言えるでしょう。問題の解決はそう簡単ではないでしょう。