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(回答先: 12 特別会計 【やさしい経済用語の解説】 投稿者 hou 日時 2006 年 8 月 01 日 23:53:28)
http://bankruptcy.jugem.jp/?eid=9
A.
国の会計は、一般会計と特別会計から成っています。特別会計は、国が行う特定の事業や特定の資金を運用する等の目的で設けられています。「特別会計の見直し」(by財務省)より。[財政法13条](by法庫)
特別会計とは、
国の会計は、一般会計と特別会計から成っています。特別会計は、国が行う特定の事業や特定の資金を運用する等の目的で設けられています。
特別会計の資金の流れ(17年度予算)
各特別会計の経理する内容はそれぞれに異なるものですが、17年度予算における各特別会計の歳出額を単純に合計した歳出総額は、約411.9兆円となります。
他方、この中には、会計間の取引として重複計上されているもの等が多く含まれています。
このような重複計上等を控除した特別会計の純計額は、約205.2兆円になります。
歳出総額 494.1兆円
うち一般会計 82.2兆円
特別会計への繰入額 47.7兆円
純計額 34.5兆円
うち特別会計 411.9兆円
特別会計の会計間取引額 85.2兆円
特別会計内の勘定間取引額 17.0兆円
一般会計への繰入額 0.8兆円
借換債の債務償還費 103.8兆円
純計額 205.2兆円
特別会計純計額内訳 (205.2兆円)
債務償還額・利払費等 88.6兆円
地方交付税・地方特例交付金等 19.3兆円
財政融資資金への繰入れ 31.3兆円
年金給付費・健康保険給付費等 51.7兆円
その他事務・事業費等 14.3兆円
特別会計の歳出の中で大きな割合を占めるものは、国債整理基金や交付税及び譲与税配付金などの整理区分特別会計や財政融資資金特別会計、厚生保険、国民年金などの年金・保険事業を経理する特別会計になっています。
特別会計の見直し
財政制度等審議会において全31特別会計の約3分の1について具体的な提言(平成16年11月19日)。事務事業の見直し、事業評価の活用による事業の重点化など、引き続き着実な見直しを実施。
【17年度予算における具体例】
・ NTT株式売却収入を活用した無利子融資制度は、廃止に向け、現在計画されている案件に限り措置することとし、一般会計繰入を縮減
(NTT無利子貸付金:710億円(対前年度▲277億円))
【産業投資特別会計(社会資本整備勘定)】
・ 麦政策の見直し等により収支改善を図り、13年度から続いてきた繰越損失を解消
(繰越損失:ゼロ(16年度末見込み▲101億円))
【食糧管理特別会計】
※財務省ホームページで更に詳しい情報をご覧になれます。
http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/top.htm
http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/tosin/zaiseia171121/zaiseia171121c.htm
(参考1)特別会計の設置根拠
財政法(第13条第2項)では、
i) 国が特定の事業を行う場合、
ii) 特定の資金を保有してその運用を行う場合、
iii) その他特定の歳入を以て特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合、
に限り、法律により特別会計を設置するものとするとされており、平成17年4月1日現在で、31の特別会計が設置されています。
(参考2)特別会計一覧(31特会)(平成17年4月1日現在)
1. 事業特別会計…25会計
(国が行う事業の収支を明らかにするための会計)
(1) 企業特別会計(1)
・ 国有林野事業特別会計
(2) 保険事業特別会計(9)
・ 地震再保険特別会計
・ 厚生保険特別会計
・ 船員保険特別会計
・ 国民年金特別会計
・ 労働保険特別会計
・ 農業共済再保険特別会計
・ 森林保険特別会計
・ 漁船再保険及漁業共済保険特別会計
・ 貿易再保険特別会計
(3) 公共事業特別会計(5)
・ 国営土地改良事業特別会計
・ 道路整備特別会計
・ 治水特別会計
・ 港湾整備特別会計
・ 空港整備特別会計
(4) 行政的事業特別会計(8)
・ 登記特別会計
・ 特定国有財産整備特別会計
・ 国立高度専門医療センター特別会計
・ 食糧管理特別会計
・ 農業経営基盤強化措置特別会計
・ 特許特別会計
・ 自動車損害賠償保障事業特別会計
・ 自動車検査登録特別会計
(5) 融資事業特別会計(2)
・ 産業投資特別会計
・ 都市開発資金融通特別会計
2. 資金運用特別会計…2会計
(国が行う資金運用の収支を明らかにするための会計)
・ 財政融資資金特別会計
・ 外国為替資金特別会計
3. その他…4会計
(1) 整理区分特別会計(2)
・ 交付税及び譲与税配付金特別会計
・ 国債整理基金特別会計
(2) その他(2)
・ 電源開発促進対策特別会計
・ 石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計
「財務総合政策研究所ニューズレター」より
大蔵省歴史散歩 −特別会計制度の始まり−
国の会計が一般会計と特別会計に区分されることはよく知られていることと思う。資金運用部や郵政事業の特別会計が話題になることも多い。そこで今回の歴史散歩では、特別会計の制度化に注目してみたい。
国の歳入歳出は、その全てを一団として経理することが原則(予算単一主義の原則、会計統一の原則という)であるが、国の財政活動が広範かつ複雑であることから、一般会計とは区分して経理することが合理的な場合が生じてくる。
我が国の近代会計制度の成立過程で、一般の会計と特別の会計を区分して経理するという概念が出現する要因となった代表的な例としては、明治新政府成立後、次々に立ち上げられた官業があった。官業は、その発達に従って、これに関する収支は一般の国の歳入歳出とは区別して経理することが、経営上望ましいことと考えられ、これらの官業等の収支については一般会計と区分して、別途会計と称して経理されていた。
こうした中で、明治22年に明治憲法が発布され、会計法(明治22年法律第4号)が成立した。特別会計制度の始まりは、この会計法の成立によってであり、同法第30条において、「特別ノ須要ニ因リ本法ニ準據シ難キモノアルトキハ特別會計ヲ設置スルコトヲ得特別會計ヲ設置スルハ法律ヲ以テ之ヲ定ムヘシ」と規定された。これによって、特定の活動に対する一般会計との区分経理が初めて法的根拠を得たわけである。これ以後、整理公債金特別会計の設置を皮切りに、相次いで特別会計が設置されていった。
しかし、特別会計はその数が多数に及ぶと、特定の財政活動を一般会計と区分経理することで合理化する反面、財政活動全体としては総覧性が欠如し、その全貌の把握が困難になるとともに、財政膨張の要因となる傾向があったため、歴史上、整理廃合と増設が繰り返されていくこととなる。
最後に、参考として、現行の財政法(昭和22年法律第34号)の規定を見ておくことにしよう。同法では、第13条において、「国の会計を分って一般会計と特別会計とする」こととし、同条第2項で、「国が特定の事業を行う場合、特定の資金を保有してその運用を行う場合その他特定の歳入を以て特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合に限り、法律を以て、特別会計を設置するものとする」と規定している。財政法では、会計統一の原則の立場から、特別会計の設置を極力抑制しようとする姿勢がうかがえよう。
■
追記:01/22 引越しのためTBを引き継ぐことができなかったので記録します。
「財政特集 特別会計400兆円の闇を解説-1」(by ニュースの研究)
■関連ページ&サイト
・「経済財政諮問会議で何かが起きている!?」(by木村剛)
・「民主党 「特別会計・特定財源制度改革作業チーム」」(by 民主党参議院議員 ふじすえ健三)
・「特別会計の知識」(by行政のしくみ)
・「「特別会計」という借金の増幅制度」(by Financial Journal)
・「族議員挑む最後の戦い 特別会計の改革骨抜き」(by asahi.com朝日)
・「なぜ財政赤字は膨らむのか? 政府予算の本当の規模は297兆円」(by 消費経済研究会)
・「特別会計の誤解」(byニュースの研究所)
・「特別会計の見直し」(by財務省)
・「特別会計見直し本格化」(byなるほど経済 特集 マネー・経済 YOMIURI ONLINE(読売新聞))
・「ブラックボックス予算 特別会計で小泉内閣を切ってみる。」(by貞子ちゃんの連れ連れ日記 )
・「国の予算全体を視野に入れた財政論議を喚起 日医総研報告書」(by兵庫県医師連盟)
・「日本の国家予算は232兆円?」(by dSb digi-squadblog)
・「国家公務員天下り2万2000人 衆院調査局調べ 」(by産経)(記:06/02/16)
・「神戸空港 手放しでは祝えない 」(by朝日)(記:06/02/16)
■文献
・「国家破綻はありえない」(増田 悦佐 (著))
・「特別会計への道案内―387兆円のカラクリ」(松浦 武志 (著))
■保守
・「族議員挑む最後の戦い 特別会計の改革骨抜き」(by asahi.com朝日)
(2005年12月19日号)
郵政民営化に決着をつけ、特別会計の整理に乗り出した小泉首相。だが、指示内容はいま一つ明確でなく、族議員の巻き返しが激しい。
◇
「先輩たちがつくって守ってこられた仕組みを、私の代で壊すわけにはいかないんですっ!」
12月7日、自民党本部の一室に、松島みどり衆院議員の甲高い声が響いた。
党の「特別会計改革委員会」が、経済産業部会長の松島氏にヒアリングをした時のことだ。改革の俎上にのぼっている電源開発促進対策特別会計や貿易再保険特別会計などについて、松島氏は、今のままの制度を残してほしい、と主張した。
電源特会のお金は原発の地元対策費に使われてきたが、ここ数年は毎年約1000億円の剰余金が発生している。要するに、余っているのだ。松島氏は必死に訴えた。
「剰余金がたまっているから、地元対策に使えるんです。一般会計だと単年度主義だから、次の年に回せない」
「いや、そういうことも一般会計でできます」
改革委員会のメンバーで財務省主計官出身の寺田稔衆院議員が反論すると、松島氏は言葉に詰まった。
郵政民営化論議が終わり、政府や自民党は特別会計の改革に取り組んでいる。特別会計は文字通り、一般会計とは別に特定の事業や資金について管理する、いわば“もう一つの財布”だ。この“財布”は31種類もあり、2005年度の歳出総額は、412兆円。一般会計(約82兆円)の約5倍だ。各特別会計間の資金のやり取りなどを除く実質でも205兆円にのぼる。
その財源には、道路整備のための道路特定財源のように使い道が決まっている目的税などのほか、一般会計からもその6割ほどが繰り入れられている。そして、たとえば電源特会からは関係自治体に巨額の交付金が配られ、豪華な公共施設や道路に姿を変えている。
「おかゆ」と「すき焼き」
特別会計の問題の一つは、独自の借り入れや特会間のお金のやりとりもあって、資金の出入りが非常に複雑で、不透明なことだ。また、一体どれくらいのお金が何に使われているのか把握しにくいし、「会計基準もばらばらで、無駄が多い」(寺田氏)。
そんな“財布”を関係法律によって各省が管理し、族議員の利権や既得権益の温床にもなってきたといわれて久しい。
「母屋でおかゆを食っているのに、離れでは子供がすき焼きを食っている」
一昨年、当時の塩川正十郎財務相は、切り詰めている一般会計とは対照的な特別会計の大盤振る舞いの様子を、そう表現した。
改革委員長の太田誠一衆院議員は、次のような問題意識だ。
「内閣の統制のもとにあるはずなのに、一般会計とは別であるために国とは別に存在するように錯覚してしまい、その結果、優先度に疑問のある事業が行われがち。一般会計に吸収するなどして国民にわかりやすく、同一条件のもとで比較可能にすることが重要だ」
この特別会計に手をつけることが、改革推進を政権のエンジンにしている小泉首相にとって、郵政の次のターゲットになるのは当然といえば当然といえる。政府系金融機関の統廃合や三位一体改革と並ぶ目玉だ。
太田氏が10月に首相官邸を訪ねて「原則としてすべて廃止するということでいいですか」と問いかけると、首相は「そういう方針でやってくれ」と答えたという。
中でも特に首相が熱心なのが、道路整備特会に入る“道路特定財源”の見直し。ガソリン税や自動車重量税など、国道や地方道の建設に使われる財源だ。これについては早くも首相就任直後の01年5月、国会答弁で「聖域なく見直す方向で検討したい」と表明している。
古賀氏の“遠ぼえ”
道路特定財源の生みの親は、若き日の田中角栄元首相。それ以来、竹下派、小渕派、橋本派、津島派と続く田中派の系譜の力の源泉となってきた。
ところが、今や道路族の有力者は次々に引退したり、郵政をめぐる騒動で党外に去ったりした。もはや「党内の有力な道路族は古賀誠氏だけ」(自民党関係者)という状態なのだ。
その古賀氏も、党道路調査会長を外され、発言力はすっかり低下している。
「せっかくの機会ですから、道路特定財源の一般化は、しっかり納税者の意見を聞いて決めていただきたいということは、ここでしっかり陳情させていただきたい」
12月上旬、太田氏のパーティーで古賀氏が講演した時の言葉も、“遠ぼえ”のように響いた。
こうしてすっかり影を潜めたかにみえる族議員たちなのだが、話はそう簡単でもない。
7日に自民党がまとめた特定財源の見直し案は、首相がみせていた意気込みとは裏腹に、なんとも歯切れの悪いものになった。「真に必要な道路は計画的に整備」するとし、一般財源化については「一般財源化を図ることを前提とする」と明記はしたものの、なんとなく腰砕けトーン。全体的に玉虫色の表現が目立ち、具体案は来年6月にまとめるという「完全な先送り」(自民党幹部)にとどまった。
切り込みと確保を兼任
それを裏付けるかのように、ある自民党有力幹部が「実は」と、打ち明ける。
「首相がこだわっているのは、“一般財源化”という文言だけ。あとは関心がない」
そもそも、特定財源見直しの座長に任命されたのは、あの石原伸晃衆院議員。道路公団改革に行革担当相や国交相として取り組んだ際、「腰がひけている」と批判された前歴の持ち主だ。今回も自動車業界や族議員の反発の前に、それを繰り返した形だ。
しかし、無理もない。石原氏は、首相の側近・中川秀直政調会長に指名されて座長になったが、その一方で道路予算を確保するのが役割の道路調査会長も兼任している。「予算の確保役と切り込み役の兼任に無理があったといわざるを得ない」(関係者)のだ。
自民党の改革案に先立って11月にまとまった財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の報告は、31の特別会計をほぼ半減させるという内容だ。
だが、一般会計に吸収するのはわずかで、民営化を明記したものは一つもない。残りは、国土交通省が担当している道路整備や空港整備など公共事業関連の会計を一つにするといった統合が中心になっている。
この報告に対しては、財務省内からも、
「省庁再編に合わせた数合わせに過ぎない。本当に改革する気なら、一般会計に吸収して厳しい査定の対象にしなければ意味がない」
という批判が出ている。
自民党改革委の太田氏らも、
「財政審の中身では不十分。党がまとめる案はそれ以上踏み込みたい」
と声をそろえるが、自民案の骨抜きに向けて、官僚と族議員が巻き返しを図っているのが現状だ。
改革委のあるメンバーのもとには、12月初め、地元の電力会社の社長から電話がかかってきた。電源特会と交付金制度を守ってほしいという頼みだった。
「これがなければ原発立地ができないんです。勘弁してください」
そして翌日、また同じ社長から電話がかかってきた。
「いやあ、昨日電話したって言ったんですけど、先生がもう一度かけろっておっしゃるものですから……」
経産族の議員から電話をかけるように言われたというのだ。原発を抱える知事からも「交付金がないと困る」と電話があった。もちろん、経産省の役人は日参してくる。
応援団が押しかける
国交省も負けてはいない。自民の改革委による国交部会長のヒアリングは12月6日だった。その席に、呼ばれていない旧運輸省OBの参院議員らが、部会長の応援団として押しかけた。
「ご造詣の深い先生にぜひ来ていただかないと困る、と役所から頼まれたので」(出席者)
改革委の9日の会合には50人以上の議員が詰めかけ、その多くが特会堅持を主張した。
「電源特会が一般会計化されると、原発をつくる時に予算が取れるかどうか心配だ」
「空港整備特会を公共事業特会に一本化するのはいいが、それ以上に推し進めて民営化が(改革案に)入ってくると早すぎる」
舛添要一参院議員のように、
「世間の目がわが党に厳しいのは、特会が天下りの温床になっているからだ」
と改革の必要性を訴える声は少なかった。
改革委は、公共事業関連特会などについては一般会計化の目標年次を改革案に盛り込みたい方針だ。時期を明示しないと結局うやむやになってしまいかねないからだ。だが、今月中のとりまとめに向けて、族議員の抵抗は続く。果たして改革の実をあげることはできるのか。
「改革、改革と競い合っているんだからおめでたい」
党の有力者でさえ、そんなふうに冷笑するありさまだ。
(AERA編集部・秋山訓子)
・「特別会計見直し本格化」(byなるほど経済 特集 マネー・経済 YOMIURI ONLINE(読売新聞))
◆無駄遣いにメス “連結”決算導入
2005年度予算編成に向け、「特別会計」の見直し作業が本格化する。経済財政諮問会議は、それぞれの特別会計を所管する省庁に改革案づくりを課した。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は、民間企業の会計手法を取り入れるよう求めている。こうした見直しで、特別会計の無駄遣いを無くすことができるだろうか。(加藤 弘之)
■特別会計とは
国の予算には、教育費や防衛費など政策経費を扱う一般会計のほかに、厚生保険特別会計や道路整備特別会計など計31の特別会計(特会)がある。
予算は本来、一般会計で一体的に管理することが望ましいが、国が保険など特定の事業を行う場合、事業ごとの収支を明確にするため、財政法で例外的に、一般会計と区分した特会の設置が認められている。
特会は、国民の「受益と負担」との関係を分かりやすくし、弾力的かつ効率的に予算執行するのが本来の趣旨だ。
しかし、実際には、31特会の予算規模はあわせて387兆円、特会同士の重複部分などを除いても207兆円にのぼり、例外のはずの特会が、一般会計の5倍近い規模に膨らんでいる。さらに、特会の収入のうちの47兆円は、一般会計からの繰り入れでまかなわれ、一般会計歳出の6割近くを使っている。
■既得権益の温床
ここまで肥大化したにもかかわらず、特会の資金はこれまであまり監視されてこなかった。
特会の資金は一般会計からの繰り入れや独自財源、民間からの借り入れなどが入り組んで出入りが分かりにくく、国会などでも追及しにくかった。社会保険料やガソリン税など特定の財源を持つ特会では、財務省も支出だけを減らせとは言いにくい。この結果、各特会を所管する官庁が自分の財布のように自由に予算を使い、特会は各省庁や族議員の既得権益の温床になってしまった。
厚生保険特会や国民年金特会では、巨額の予算が不採算の保養施設「グリーンピア」の建設や、特殊法人や関係団体に天下った厚生労働省OBの高額の報酬などに使われていることが判明した。「母屋(一般会計)でおかゆを食っているのに、離れ(特会)で子どもがすき焼きを食っている」(塩川前財務相)ひどい例は、他の特会にも数多い。
今年度予算編成では、財務省が特会の事業の見直しを進め、5000億円以上の実質削減につなげた。
■2年目の改革
財務省は見直し2年目となる2005年度予算編成でも、予算執行調査などで無駄遣いの洗い出しをさらに進める方針だ。
一方、経済財政諮問会議は、関係省庁が成果目標と中期的な歳出抑制目標、達成時期を盛り込んだ改革案を年内に策定するよう求めた。特に、各種の保険事業については、廃止を含めた検討を求めている。改革案と毎年の実施状況も報告させることにした。
各省庁には、もう1つ宿題が課せられた。財政制度等審議会は17日、省庁別に財務書類をつくるための作成基準を発表し、9月をめどに、一般会計と特別会計を合わせた2002年度分の財務諸表をつくり、来年春には、さらに特殊法人も加えた2003年度分を公表するよう求めた。
閉鎖されたグリーンピア指宿(鹿児島県指宿市)。特別会計で行われたグリーンピア建設では多くの無駄遣いが指摘された
◆「特会とばし」「隠れ借金」…あぶり出す
■国民の監視
企業の決算では、グループ全体の業績を示す連結決算が主流となっている。連結決算ならば、グループ内の一部の企業に損失を隠すなどして、業績をごまかすことができないからだ。
国もこの手法を導入し、省庁ごとに一般会計と特会をあわせて複雑な資金の流れを整理し、資産と負債の状況などをはっきりさせることにした。一般会計では予算をつけにくい案件を特会に回して、財政融資資金で手当てする「特会とばし」「財政融資とばし」や、民間からの借り入れによって不足を手当てする「隠れ借金」などをあぶり出す狙いがある。2005年度決算の連結財務諸表ができるのはまだ先だが、ずさんな実態が明らかになれば、予算編成作業にも反映できる。
新手法は、財務省だけが予算削減を求めるのではなく、情報を透明化して、各省庁に自己改革を促す手法をとっている。財務省は「情報が明らかになれば、中途半端な改革案は世論の集中砲火をあびる」(財務省幹部)と、国民が無駄遣いを許さないよう監視の目を光らせることで、新手法が改革の突破口となることを期待している。
(2004年6月22日 読売新聞)
・「国家公務員天下り2万2000人 衆院調査局調べ 」(by産経)
≪補助金5兆5300億円≫
公益法人や独立行政法人などに役職員として「天下り」している国家公務員が2万2093人に上り、国からこれらの団体へ補助金などとして交付されている税金が5兆5395億円(2005年度予算)に達することが15日までの衆院調査局の調べで分かった。
各府省庁に関係の深い公益法人などが天下りの受け皿となり、巨額の税金も投入されている実態があらためて浮き彫りなった。防衛施設庁発注の官製談合事件を受け、与党内でも再発防止策に関連して天下りへの規制強化論が出ており、今後の議論に影響しそうだ。
調査は、民主党の松本剛明政調会長らの要請を受けた衆院内閣委員会の命令により調査局が実施、このデータを基に民主党が集計した。対象は、各府省庁が認可した公益法人や独立行政法人などで、昨年4月1日現在で退職後10年以内の元国家公務員の再就職状況をまとめた。
調査によると、天下り先となっている団体は3987。天下りした国家公務員の4割に当たる8884人が非常勤を含む役員に就いていた。
府省庁別では、国土交通省が5762人で最多。厚生労働省の3561人がこれに次ぐ。補助金などの金額では、国立大運営費交付金を抱える文部科学省からの交付が約2兆1600億円と最も多かった。(共同)
(02/15 23:42)
・「神戸空港 手放しでは祝えない 」(by朝日)
16日朝、神戸市の沖合につくられた神戸空港から一番機が飛び立つ。
150万都市の中心部から新交通システムで16分余りという立地の良さから、日本航空と全日空、スカイマークエアラインズの3社が就航する。東京や札幌、鹿児島など7都市に1日27便が飛ぶ。
阪神大震災からの復興とバブル後の不況に苦しんだ地元経済界にとっては、久しぶりに明るい話題だろう。
だが、抱える問題の深刻さを考えると手放しで祝う気にはなれない。
3千億円を超す空港の事業費は、海を埋め立て、生まれた土地を売ることで工面するはずだった。2千億円以上はそれで賄える計算だったが、これまでに買い手がついたのはわずか3社、6億円分にすぎない。それも3割も値引きしてのことだ。
神戸市は空港島の北にある人工島では「医療産業都市」づくりを進めている。ここでも土地は売れ残っているが、市は「空港の価値が高まれば、どちらも売れる」と強気だ。
空港の管理運営費にあてる着陸料収入でも、目算は外れた。当初の需要予測をもとに年間十数億円を見込んだが、実際はその半分程度にとどまりそうだ。便数は確保できたが、着陸料の安い小型機が多くなったからだ。
神戸空港といえば、建設に反対する市民団体が30万人分を超える署名を集め、計画の是非を問う住民投票を求めたことが思い出される。予測通りの利用客を見込めるのか。埋め立てた土地は思惑通りに売れるのか。それらが争点だった。
この疑問は解消されるどころか、このままでは懸念された通りになってしまう。少々空の需要が増えても、土地が売れないことには事態は改善されない。
神戸市は過去に手がけた「埋め立て商法」で利益を上げ、これまで730億円を一般会計に繰り入れてきた。だからといって、空港の経費に安易に税金を回すようなことは許されない。建設にあたって「市民に負担はかけない」と約束しているうえ、一般会計は1兆円を超す借金を抱え、その余裕もない。
このまま土地が売れない場合の財政の見通しについても、市民にきちんと説明しておくべきだ。「土地神話」に頼った手法が行き詰まれば、最終的には市民にツケが回ることは避けられないからだ。
神戸空港は、自らの都合で増便や国際線の誘致ができる立場にはない。厳しい条件のもとで建設が認められたのだ。
関西圏は半径25キロ圏に関西、大阪(伊丹)と合わせて3空港がひしめくことになった。地域エゴから互いに利用客の奪い合いをするようでは、共倒れになる危険さえある。
政府は、関西が国際拠点空港、伊丹は国内基幹空港、神戸は地方空港という住み分けを決めた。神戸市には、港との連携を高めて空と海の物流を一体にするような知恵が求められている。
author : it1127