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王子製紙、北越に敵対的TOB 三菱商事と対抗、子会社化
製紙業界国内最大手の王子製紙は23日、業界6位の北越製紙と経営統合する方針を発表した。激化する国際競争に対応するためで、統合が成立すると売上高で現在の世界7位から5位に上昇する。しかし、北越製紙は21日に三菱商事から303億5000万円の出資を受け入れ三菱商事グループ入りを発表、23日には北越の三輪正明社長が「力ずくでねじふせるやりかたは許されない」と拒否姿勢を強調しており、王子の提案は事実上敵対的TOBとなる。三菱商事と王子による北越争奪戦となる見通しだ。
TOB価格は21日の北越の終値(635円)を大幅に上回る860円。50・1%以上を取得したうえで、完全子会社化を目指す。北越の全株式を取得した場合、買収額は約1400億円。統合が実現すれば、日本製紙グループを引き離し、年間売り上げ1兆3000億円超の世界5位の製紙メーカーとなる。
紙パルプ業界は中国製紙産業の成長による資源逼迫(ひっぱく)や燃料コスト上昇などを背景に効率化が急務となっている。中国市場への大型投資を検討している王子は、国内市場における規模の拡大と効率化が急務となっていることから、TOBによる北越との経営統合に方針転換し、可能性を探っていた。
王子は統合を、生産や物流面で効率的な経営ができる「最適な組み合わせ」で、国際競争力強化に不可欠な大型投資が可能になる態勢が整う、などと説明。北越の新潟工場を中核拠点と位置づけることや、北越従業員の労働条件を引き下げないことを示し、「株主、従業員などすべてにメリットがある」と強調した。
王子側は今月3日に北越に経営統合を提案し、24日までの回答を求めていた。しかし、北越側は19日に買収防衛策を導入、21日には三菱商事を引受先とした第三者割当増資を発表し、23日には北越の三輪社長が王子の鈴木正一郎会長に対し「提案を取り下げてほしい」と拒否を告げた。王子の篠田和久社長は「北越株主から選択の機会を奪おうとしており驚きを禁じ得ない」と反発したが、あくまでも「友好的」を強調。三菱商事や北越株主の理解を求めたい考えだ。
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【会社概要】王子製紙
紙・パルプ業界で日本製紙グループ本社を売上高でわずかに超えるトップ企業。平成8年に新王子製紙と本州製紙が合併して誕生した。売上高は1兆2138億円、営業利益は739億円(平成18年3月期)。グループの従業員は約2万人で、全国各地に工場があるほか、海外事業にも力を入れている。
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【会社概要】北越製紙
紙・パルプ業界6位。明治40年に設立され、売上高は1536億円、営業利益は69億円(平成18年3月期)。グループの従業員は約2800人。徹底したコスト管理による効率経営と、海外投資家の高い持ち株比率が特徴。新潟工場(新潟市)に最新設備を導入し、20年末から高級印刷用紙を生産する計画だ。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/24iti002.htm