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「特別会計を廃止せよ」:北沢・東北公益文化大学院特任教授は強調!消費税増税不要〜と?同感!
次は、3月1日(水)<2006年>日経・朝刊『経済教室』からの引用ですが、北沢・東北公益文化大学院特任教授が、思い切った財政改革を提言しています。その主な内容は、「十分なチェックがないまま肥大化してきた特別会計の抜本改革が必要」〜「省庁の無駄使いに終止符を打てば、財政改革だけでなく、行政改革も一気に進む」〜「巨額の財源捻出も可能・消費税増税は不要になる。」と強調しています。そして、特別会計は『一般会計予算が厳しく査定されるため、シーリングを適用しない特別会計に資金を回したことなど〜厳しい財政要求の「抜け道」として利用された。』〜『数年前まで国会ではほとんど審議されず、マスコミ<*今昔注記:記者クラブに居座り官製情報に依存〜記者たちの怠慢・追従報道にも大きな責任あり。>もめったに報道せず、財務省の査定もずさん〜官の「沈黙の会計」として、ひそかに都合よく使われてきた。』と指摘します。
付け加えるとすれば、こうなってしまったのも、長年、政権交代がなく、政・官・業の癒着があらゆる分野に深く進行〜『自由・民主主義体制維持』の基本にあるべき情報公開やチェック・アンド・バランスの機能が働かず、その裏で政権政党の族議員たちがつるんで官僚たちをいいように取り込んで自分らの口利き利権や選挙の際の援軍<票および業界献金など>に利用してきたということです。さすがに、共同通信社の記者から学者に転進した方ですので、同氏は、そこまで踏み込んで批判はしていませんが、暗黙のうちに暗示しています。『権力は絶対的に腐敗する』〜これは、人類普遍の社会思想哲学です。だからこそ、アメリカは建国以降の憲法規定に、大統領の任期について、『2期8年』と限定しているのです。少なくとも、日本のような『議院内閣制』でも、その権力とその政党議員の腐敗をチェックする仕組みをしっかり規定すべきです。『情報公開法』が遅ればせながら出来たものの、今日でも骨抜き同然〜政府・行政とも、納税者への必要な『情報公開』を主体的に果たしているとはとても思えません。
*北沢 栄氏:42年生まれ。慶応大卒。共同通信社を経て現職。
本来、上場企業の重要情報の公開義務が、その企業に都合の悪い情報こそ『早めに公開』して、投資家の正確な判断を得るべきものであるのと同様、政府・行政にとっても、『結果責任を問われる性格の情報こそ』、早めに国民に公開してその判断に委ねる〜それこそ、『自由・民主主義〜国民主権国家の納税者への国の説明責任=国民から権力行使を信託されているの最低限の義務』といっていい。それを怠った政府・行政の責任を厳しく追求しようとしない国民やメデイアが今日のあいまいな政府・行政体制を温存してしまっていることは間違いありません。いろいろな戦後処理問題の遅れ、水俣病〜薬害エイズ、BSEや耐震偽装問題など、また、検察・警察官たちの対応にしても、国や行政がからんだ失態には常にこうした手続きの不備や情報公開の遅れなどがからんでいます。このような問題の基本には、『実質的な国民主権・基本的人権の尊重を軽視』する、権力を行使する側のきわめて消極的な姿勢があります。エリート<*指導者たる人材の資質>教育を怠ってきた有名大学の貧苦・特に国立大学の怠慢〜、私もこの掲示板で何度も取り上げていますが、その構造的な欠陥が指摘されます。
<次は、3月1日(水)(2006年)日経・朝刊『経済教室』からの引用。北沢・東北公益文化大学院特任教授の主張。同感する面が多い。>
「
《特別会計を廃止せよ》・・・財源の捻出可能〜消費税の増税は不要に
【特会改革で行革も実現】
自民党の柳沢伯夫税調会長が1月末、消費税『10%程度』への早期引き上げの必要を表明した。今後、消費税論議が活発化するのは必死とみられる。しかし、政府・与党が歳出カットを徹底せずに安易な増税に走るなら、国民の納得を得られないばかりか、いま火急の行政改革を緩ませてしまう恐れがある。せっかく伸びてきた景気回復の芽も摘んではならない。
増税の前に目を向けるべきは、借金漬けの一般会計をよそに資金がダブつき、離れで『スキヤキ』と化した特別会計(特会)だ。特会にメスを入れて抜本改革すれば、消費税10%への引き上げに相当する12.5兆円規模の財源捻出は十分可能と筆者はみる。
〜中略〜
筆者は、特会の抜本改革によって消費税増税の回避はおろか、国の財政事情を劇的に改善できるとみる。
特会の抜本改革の効果は、財政面にとどまらない。行政改革の面でも絶大な収穫が期待できる。透明性とチェック機能を高めれば、各省庁が官業の資金源として自らの裁量で使えた特会資金が自由にならなくなり、ムダ遣いに急ブレーキが掛かる。資金の流れは『官から民に』変わらざるを得なくなる。〜中略〜。
本論に入る前に、まずは特会の現状をみてみよう。国と地方の借金は合わせて約1千兆円にも上がる。国の一般会計予算(05年度82.2兆円)のほぼ4割を借金で(国債)で賄う窮状だ。
【肥大化が進みカネ余り状態】
この状況下で、05年度の特会予算は歳出ベースで411.9兆円と、一般会計予算の5倍にも達する。会計間の出入りなどで生じる重複計上分を除くと、一般会計の純計は34.5兆円、特別会計は205.2兆円と、実に6倍近い。06年度の政府予算案では、両会計の予算規模の格差はさらに広がる。20年前の1985年当時、特会の予算規模は一般会計の1.7倍に過ぎなかった。年々拡大傾向をたどっているのだ。
しかも、特会はカネがダブついている。05年度予算で、歳入449.2兆円に対し、歳出は411.9兆円と、37兆円もの入超だ。一般会計のカネ不足に対し、肥大化した特会はカネ余り状態にあるのだ。
〜中略〜
しかも、特会を管理する権限を持つ省庁は、これをいいことに、官業を営む所管行政法人(独法)や公益法人に、特会資金を供給してきた。例えば、雇用保険の積立金を財源とする労働保険特会の場合、雇用保険三事業(雇用安定、能力開発、雇用福祉)の05年度法人向け予算2千6百億円超の88%を厚生労働省所管独法四法人に、残り12%を同省所管の34の公益法人に補助金、委託費として支出している。
いずれも天下り先だ。
〜中略〜<*今昔注記:ご存知の『勤労者福祉施設などムダな例』をあげている。これこそが最優先の政治課題だと指摘。>
独法論議はかってなく高まっている。財務省は『(特会予算は)一見巨大に見えるが、子細にみると、削減できる余地はそれほどない』(主計局法規課)と改革の効果には悲観的だ。
〜中略〜
だが、数字を『特会事業を存続』を前提とせず、ゼロベースで見直すと、風景は変わる。まず収入が余った純剰余金(不用金)をみると全特会で計1兆3千685億円、積立金が207兆2千177億円(04年度決算ベース)。うち財政融資資金、外国為替資金、石油・エネルギー対策、電源開発促進対策、産業投資、農業経営基盤強化の各特会に資金のダブつきが目立つ。これらの不用金と社会保険給付以外の積立金を合わせ、消費税に代わる財源にするのである。先の財政融資と外国為替資金は積立金が37兆円もあり、長期にわたり継続して取り崩し、新財源に充てることが可能だ。
仮に積立金の水準を5年間に5割下げるとして、毎年ざっと3.7兆円相当の財源捻出が可能となる(不用金と合わせ5兆円相当の新財源)。
次に、特会事業から財源をひねり出す。特会の『廃止』か『民営化』を軸に徹底整理することで、消費増税に必要な12.5兆円相当の財源捻出が視野に入ってくる。
ハコもの事業で大失敗した雇用保険三事業は廃止する。ムダの多い労災保険事業も、ハコものの廃止を含め大幅に圧縮する。これにより1.2兆円(06年度予算、以下同じ)に上がる労災保険事業のざっと半分が浮く。このほか年金給付以外に使っている事務・事業費の1.6兆円、公共事業費の5.9兆円、電源開発促進の0.4兆円、食料管理の0.8兆円なども、事業の廃止や合理化により、ことごとく大幅に削減できよう。
なかでも公共事業費の大半を占める道路整備特会の廃止・道路特定財源の一般財源化で3.6兆円相当を浮かす。石油公団を廃止したのになお存続している石油・エネルギー特会は廃止し、0.7兆円相当を確保する。こうした政治の決断で、財源捻出をさらに拡大できる。
消費税率引き上げ回避は、このような特会改革で十分可能とみられるのである。
【一般会計の統合 収支を区分経理】
しかし、筆者は個別特会の廃止・民営化・合理化と並行して、特会制度自体を廃止する抜本改革が必要と考える。特会資金のムダ遣いを永遠になくし、省庁による特会の悪用に終止符を打つためには、特会制度を廃止して透明度の高い一般会計に統合するのがよい。
特会制度を持たずにすべてを一般会計に統合し、特別な事業は『ファンド』として経理する米国式会計制度の上をいく、より良い日本版をつくるべきである。特会事業で国の関与が不可欠なものに限り、収支が分かるように一般会計上で区分経理する。トラック(一般会計)やフィールドの各種競技(個別区分経理)をスタンド(納税者)から一覧できる『陸上競技場方式』にして、透明で分かりやすい会計制度に変えるのである。」〜以上。