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丸紅、ダイエー子会社化 「川下戦略」商社加速へ
機構から全株買い取り
丸紅は22日、産業再生機構が保有するダイエー株式すべてを買い取る方向で調整していることを明らかにした。月内にも正式発表する。ダイエーを子会社化することで、消費者に近い「川下戦略」を強化する。消費財を含めて丸紅が持つ幅広いネットワークを活用し、商品供給力を高めて収益基盤を向上させたい考えだ。他の大手商社もスーパーやコンビニエンスストアとの連携を強めており、今後、流通企業との提携強化がさらに加速しそうだ。(石垣良幸)
丸紅が買い取るのは、再生機構が持つダイエーの発行済み株式33・6%(議決権ベース)。丸紅の出資比率は現在の保有分と合わせて44・6%となり、ダイエーを子会社化する。再生機構が進めてきたダイエー支援は、当初予定よりも1年早く年内にも終了する見通しとなった。
産業再生機構の傘下で経営再建を進めているダイエーをめぐり、丸紅は昨年3月、投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(AP)と組んでダイエーの事業再生の支援会社(スポンサー)となった。現在は再生機構のほか、APが23・4%、丸紅が10・9%をそれぞれ出資している。
再生機構の保有株に対する優先買い取り権は、丸紅とAPが持っているが、食品スーパーのマルエツに出資するなどスーパー事業に力を入れてきた丸紅に今後の再建を任せるのが得策との認識で一致したもようだ。
再生機構は月内にも売却金額を固めるが、500億円を上回る公算が大きい。
≪再建が軌道に≫
「小売業としての方向性をみた上で、ぜひ買い増ししたい」。丸紅の勝俣宣夫社長はかねてこう語り、ダイエー株の買い取りに強い意欲をみせていた。
しかし、ダイエーは再建初年度の平成17年2月期単独決算で、営業赤字になるなど本業の業績が低迷した。このため、丸紅社内からは「ダイエー株すべてをうちが取得する必然性はない」との慎重論も上がっていた。
その丸紅を全面支援に傾かせたのは、ダイエーの18年第1四半期(3〜5月)の好業績だ。店舗閉鎖の影響で連結売上高は前年同期比21%減の3347億円にとどまったが、営業利益は33%増の127億円と大幅に改善。ダイエーが進めてきた店舗閉鎖や人員削減、非中核事業の売却などのリストラがようやく効果を上げ始めた。これが「再建が軌道に乗ってきた」(丸紅幹部)として、再び“ダイエー取り”に向かわせる理由となった。
≪再編の鍵に?≫
スーパーやコンビニエンスストアなど消費者に近い「川下」の情報を、卸や製造部門といった「川中」「川上」に反映させる「川下戦略」。大手商社が取り組む成長戦略の一つだ。
丸紅はダイエーだけでなく、マルエツや東武ストアといった食品スーパーにも出資して食品などを供給しており、ダイエーだけでも年800億円の取引がある。スーパーとの連携を強め、食品などの商品供給を増やすほか、新規店舗の出店での不動産開発など商社ビジネスへの相乗効果を期待している。三井物産はイトーヨーカ堂などを展開するセブン&アイ・ホールディングスに出資。三菱商事も食品スーパーのライフコーポレーション、コンビニ大手のローソンとの関係を強めている。また、住友商事は首都圏を中心とする食品スーパー、サミットに100%出資しており、今後の店舗拡大に意欲的だ。
丸紅がダイエーに対する出資を拡大して子会社化することで、今後は他の大手商社も流通企業への関与を強める可能性が高い。加えて、「スーパーやコンビニはオーバーストア(過剰出店)状態」(大手スーパー)と指摘されている。これからは商社が出資する企業同士の再編も動き出すとみられており、大手商社が流通再編の鍵を握る見通しだ。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/23kei001.htm