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□米ガソリン事情:価格上昇でも消費はおう盛=消費スタイルと豊富な在庫が背景 [ライブドア・ニュース]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2199004/detail
米ガソリン事情:価格上昇でも消費はおう盛=消費スタイルと豊富な在庫が背景
堅調な消費が支えの景気も金利とインフレ率の継続的上昇には要注意
【ライブドア・ニュース 07月14日】− AP通信によると、ガソリン価格の上昇は米経済にとって成長の阻害要因となるはずだが、消費は依然としておう盛だ。原油価格の上昇傾向を映し、ガソリン価格は1ガロン(約3.78リットル)=3ドルの節目に達しようとしているが、消費の力強さは当面、揺るぎそうにないとみる専門家が多い。保守的な消費行動、楽観的な在庫量の見通しなどがその背景にあるとされている。ただし、おう盛な消費の基本的な前提となっている金利とインフレ率の継続的な上昇には目を凝らす必要がありそうだ。
米金融最大手シティグループ傘下のスミスバーニーでシニア・エコノミストを務めるスティーブン・ウィーティング氏は、1バレル=3ドルが転換点とする一般的な見方について「過剰に意識されている」としている。アーカンソー、ルイジアナ、オクラホマ、テキサスの各州でガソリンスタンドを展開するE.Zマート・ストアーズのソーニャ・ハバード社長も、価格上昇にもかかわらずガソリンの販売は伸びているという。ただ、ハバード氏は、ガソリンスタンドの利益で半分以上を占めることがしばしばある食品・飲料水の売り上げが5月以来、落ちていると指摘する。
米エネルギー省は12日、過去4週間のガソリン消費量について1日平均960万バレルだったと発表した。同期間は米自動車メーカーの販売不振が伝わっていたが、昨年同期と比較するとガソリン消費は1.7%増だ。
ガソリン需要が急激には縮小しないと見込まれる一方で、石油アナリストは、景気拡大の減速がエネルギー価格の上昇を緩和すると予想する。ただし、中長期的な視点に立つ話だ。金融先物ブローカー、フィーマットUSAの石油アナリスト、アントワーヌ・アルフ氏は「それは徐々に現れる緩慢な影響になるだろう」とみる。
エコミストは、エネルギー価格の高騰にもかかわらずガソリン需要も景気も急激な落ち込みを示していない理由を、米国の家計に占める燃料費の割合の低さに求める。比較的低水準で落ち着いている金利やインフレ率が消費者の助けとなっているが、2つの指標は上昇しつつある。この傾向が続けば、経済に悪影響を及ぼす兆候となるかもしれない。
昨年9月初め、ハリケーンによってメキシコ湾岸の石油精製所が被害を受け、ガソリン価格は一時、平均価格の史上最高1バレル=3.07ドルまで急上昇。以来、3ドルは消費を手控える心理的な水準として意識されるようになった。しかし、今年は事情が違うようだ。今回の3ドルへの接近は、緩やかな上昇になっているため、消費者は心理的にも経済的にも対応する余裕がある点が昨年と異なっているという。
米大手銀ワコビアのエコミスト、ジェイソン・シェンカー氏は、消費者は保有する自動車の種類や使用方法・距離といったような生活様式にかかわる要素を急激に変化させることはないと考える。「消費は本質的に固定的。自動車販売の主流はSUV(スポーツ多目的車)や小型トラックだ」。
ガソリン価格は米国の多くの地域で、1バレル=3ドルを軽く超えてきているが、これまでのところ全国平均は2.96ドルにとどまっている。イランの核開発問題などで緊張が高まる中東情勢や大型ハリケーンの最来襲の懸念といった不安定要因があり、原油価格が劇的に低下することは期待できないとする専門家が多い。
一方で、エネルギー市場は、需給緩和要因として米国など各国の在庫水準の上昇に注目している。米エネルギー省は12日、7月7日に終了した週の原油在庫を3億3530万バレルと発表。前の週に比べて600万バレル減少したが、前年同期よりも2%増えている。IEA(国際エネルギー機関)は同日、原油の余剰生産能力について2011年まで600万バレル程度と、現在の3倍に拡大するとの見通しを明らかにした。今後、供給危機が生じても、衝撃吸収の力は高まる勘定だ。
最近の原油価格は1バレル=70ドル超の高水準で推移している。世界の1日の消費量は8500万バレルで、うち4分の1を米国が消費する。経済調査会社ウインチェスターのマイケル・リンチ氏は「需要が弱くなれば、価格は下がるだろう。しかし、消費量が現状のままでは価格下落は望めない」と述べた。
ガソリン消費が高水準を維持しているとはいえ、原油価格高騰が業績悪化につながると危機感を高めている米企業は少なくない。世界最大の小売ウォルマート・ストアーズは、6月の売り上げが減少したのは、エネルギー価格の高騰と金利上昇が消費者の可処分所得を縮小させたためと分析している。6月の自動車販売で大幅に実績を減らしたゼネラル・モーターズ(GM)、ダイムラークライスラーもウォルマートと同じ考えだ。
それでも、スミスバーニーのウィーティング氏は、現在の環境を考えれば6月の消費関連の指標はそれほど悪くない結果だとみなす。「消費支出はやや鈍っている。しかし、ガソリン価格が急騰している中でこの程度の現象だ」。同氏の2006年下半期の米GDP(国内総生産)を前年同期より0.2%低い3.0%になると予想している。
野村証券のエコノミスト、デイビッド・レスラー氏はやや悲観的で、下半期のGDPを2.8%と予想する。「それ(2.8%)は私にとって消費者行動の変化を意味するものだ」。【了】
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ライブドア・ニュース 戸塚雅美記者/NK
(参照:http://blog.livedoor.jp/emasutani/)
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2006年07月14日14時34分