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□カーコリアン・老獪投資家の正体と狙い [ゲンダイ]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2167342/detail
カーコリアン・老獪投資家の正体と狙い
カルロス・ゴーンはGMの救世主になるのか?
希望退職の応募者が予想を上回る3万5000人に達するなど、経営難に陥っているゼネラル・モーターズ(GM)立て直しのために、大株主の投資会社トラシンダがフランスのルノー・日産連合との資本提携を要請――。このビッグニュースに自動車業界は激震に見舞われている。世界的な再編につながりかねないからだ。
今回の提案をしたトラシンダを率いるのは、米投資家のカーク・カーコリアン(89)。日本ではさほど知られていないが、「ホリエモンと村上ファンドを足して100倍にしたほどの怪物」(国際金融筋)だという。
両親はアルメニアからの移民。家は貧しく、高校中退後、洗車の仕事についていたが、第2次世界大戦で空軍を志願しパイロットに。戦後、商才を発揮した。
「空軍から中古飛行機を買い取り、ラスベガスに向かう観光客用のチャーター機で大金を得た。チャーター機事業を売却したカネで、ラスベガスのカジノやホテルを次々と買収。その後も売却と買収を繰り返し、巨万の富を築いた。ハリウッド映画のMGMも同様で、最終的にソニーに約5500億円で売却した」(前出の国際金融筋)
そんなカーコリアンにとっては、自動車産業も、結局はマネーゲームの標的だ。
「90年代にクライスラーに買収を仕掛け、それが引き金になってダイムラーとの合併に展開していった。カーコリアンの名前を聞いただけで、自動車業界の首脳は震え上がる」(在米の有力な自動車アナリスト)
クライスラーの次の標的がGM。これまた、GM株を売ったり買ったりしてサヤ稼ぎをしていたが、経営が悪化したGMの9.9%の大株主となり、腹心をGMの取締役に送り込んだ。
「投資会社から送り込まれた役員が最初にやったことは、GMが保有している富士重工やスズキなどの株式を売却することだった」(前出のアナリスト)
カーコリアンが、GM救済策として打ち出したルノー=日産連合への合流。この老獪(ろうかい)な投資家の最終的な狙いは「GM株の高値売り抜け」とみられているが、資本提携にはゴーンも前向きとみられている。「最大20%取得に関心を示した」との報道も出ている。
今回の提携が実現すれば、ゴーンにはGM、ルノー、日産という日米欧にまたがる自動車メーカーのトップの座を射止める可能性が出てくる。日米両市場での販売不振が深刻で、神話がすっかり色あせてきたゴーンにとっては「渡りに船」の話だ。
老獪投資家、ゴーン、そしてGM、3者の思惑、野望、打算は、どんな決着をもたらすか。(敬称略)
【2006年7月3日掲載】
2006年07月06日10時00分