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http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_f98e.html
欧州社民党のCPEへの見解
既にドビルパン首相がCPEの撤回を表明してしまったので、なんだか古新聞みたいな話ですが、去る3月30日に、欧州社会民主党の代表で、前デンマーク首相のラスムッセン氏がこんなことを言っていたんですね。
http://www.pes.org/content/view/428/90
CPE、デンマークモデルとは何の関係もない、って。
なにしろ、ドビルパン首相、今はやりのフレクシキュリティをやるつもりで、しかも繰り返し言うところ、「デンマークモデルにインスパイアされて」、このCPEを提案したというのですから、そのデンマークモデルの責任者(?)でありかつ、フランス国内でCPE反対を掲げているフランス社会党の加盟する欧州社民党の代表としては、きちんと批判しておかなければならなかったと言うことでしょう。
曰く、デンマークでは、若年失業者は6ヶ月間就職できなければ訓練を受けられる。フレクシキュリティとは権利を保証するとともに、人々に一定の責任を受け入れるよう期待することだ。デンマークモデルとは、労働者の権利を掘り崩すことではなく、労働組合や使用者との協議で公平な妥協に到達することだ。労使団体と何の協議もなく提案されたこの新たな契約の導入は、市民とのつながりを欠いている、と。
ううむ、中味の話なのか、手続論なのか。手続論として言えば、組合組織率が90%近いスカンジナビアモデルと、5つ合わせても10%にいかないフランスとではやや違うのではないかという気もしないではないですが、確かに、ソーシャル・パートナーシップを看板にするヨーロッパの真ん中で、エリート主義丸出しの今回の提案は、それだけで批判を浴びる値打ちはあったと言えます。
しかし、中味の話として言えば、どこがデンマークモデルの趣旨に反するのか、ラスムッセン氏の発言だけからではよくわかりかねるところがあります。デンマークモデルでは解雇は一般に極めて容易で、そのかわり、税金をたっぷり使って労働者の生活や再就職の面倒を見てくれるわけで、ドビルパン首相の認識がまるで間違っていたというわけでもないでしょう。
もちろん、欧州社民党代表として喋っているんだから目くじらたてることもないのかもしれませんが。