★阿修羅♪ > 国家破産47 > 245.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
【経済面】2006年07月01日(土曜日)付
監査業界、地図変わる? 中央青山、一部業務停止
監査法人業界が大きく揺れている。中央青山が1日から主力の法定監査業務の停止を余儀なくされる一方で、金融庁は、監査のチェック態勢が不適切なことなどを理由に近く、4大法人に対し業務改善を指示する見通しだ。旧態依然とした監査法人への信頼が揺らぐなかで、米会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が新設した「あらた監査法人」が、着実に足場を築きつつある。
監査法人業界の勢力図の変化
●米系「あらた」、台風の目
「顧客は700社を予定。うち6割は(4大法人と競合する)国内業務だ」
今月中旬にPwCが都内で開いた「あらた」への採用説明会で、あらた幹部は顧客獲得に4大法人との競合も辞さない考えを明らかにした。
あらたの計画では、中央青山から移籍する会計士約80人を含め人員は年末までに800人、初年度の収入は170億円を見込む。実現すれば一気に業界5位に躍り出る。さらに4年後には総人員1700人まで拡充し、収入目標300億円。4大法人が8割を占める国内上場企業のシェア争いに割って入る考えだ。
「何をやろうと自由だが、こっちに営業をしかけてくるなら必死で防衛する」。中央青山幹部は焦りを隠さない。
PwCは中央青山の提携先だ。当初から中央青山を支援する姿勢を示してはいるものの、企業側の意向を受け、次第に自ら設立した、あらたへの誘導に傾いていった。
中央青山は5月30日、カネボウ事件との決別を目指して執行部を一新した。片山英木・新理事長は、カネボウ事件に絡んで元理事ら3人を新たに辞職させるなど事件の影響の一掃を急ぐ。数十人規模の「退職勧告」を念頭に幹部会計士の選別にも着手するなど、「外科手術」で信頼回復を図るはずだった。
だが、顧客離れは止まらず、処分期間に入ると「なすすべがない」というのが実情だ。引き留めようと顧客と過度に接触して、金融庁から違反行為の監査業務とみなされれば、再度の業務停止や解散命令の対象となる恐れがあるためだ。
当初は「中央青山の分裂劇」と静観していたあずさ、新日本、トーマツも、あらたの膨張に警戒感を募らせる。
金融庁から近く、4大法人に業務改善指示が出るのが確実だからだ。大手監査法人の関係者は「無傷のあらたと比較されると、分が悪い。今後の会計士の採用にも、影響が出るかも知れない」とも漏らす。
企業が選ぶ監査法人を承認する立場にある機関投資家の間では、監査不信の高まりを背景に「4大法人だけでは競争原理を損なう」(企業年金連合会)との声も出始めている。あらたの動き次第では、業界の勢力図が大きく変化しそうな雲行きだ。
http://www.asahi.com/paper/business.html