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(回答先: ミッタル・スチール―― 粗鋼生産量年間1億トン超、世界シェア(市場占有率)10% 【読売新聞】 投稿者 hou 日時 2006 年 6 月 26 日 23:38:38)
アルセロール、ミタルの買収受け入れ発表
世界2位の鉄鋼メーカー、アルセロール(ルクセンブルク)は25日、世界最大手のミタル・スチール(オランダ)からの買収提案を受け入れると発表した。合併により年間粗鋼生産量が1億1000万トンと、世界シェアの1割を握る巨大鉄鋼メーカーが誕生する。国内最大手の新日本製鉄は、上位2社の合併で世界2位に順位が上がるが、生産量は合併新会社の3分の1と引き離されることになる。
新会社は「アルセロール・ミタル」で本社はルクセンブルクに置く。新会社の会長にはアルセロールのキンシュ会長、社長にミタルのラクシュミ・ミタル会長が就任する。
ミタルがアルセロール株の評価を1株あたり40・37ユーロと、従来の37・74ユーロから7%引き上げたため、買収総額は約268億ユーロ(約3兆9000億円)となる。
アルセロールはミタルが今年1月に株式公開買い付け(TOB)の意向を発表して以来徹底的に対抗。ロシアの大手、セベルスタリとの合併でミタルとの合併回避を画策したが、アルセロール株主から反感を買い、1億3000万ユーロの違約金をセベルスタリ側に支払いミタルと合併する。
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■鉄鋼再編 戦略転換迫る
アルセロールとミタル・スチールの合併は、国境を越えた業界再編を加速させそうだ。新会社「アルセロール・ミタル」は、粗鋼生産量では世界シェアの1割を占めるが、シェア目標は2割以上ともみられている。さらなる企業買収、業界再編の波が一気に日本に押し寄せる危険性は薄いが、日本メーカーも国際競争環境の変化に対応して、買収防衛や海外メーカーとの提携など戦略転換を迫られることになりそうだ。(村山繁)
≪日本も標的≫
合併の日本経済に与える影響は経済界でも関心が高い。日本経団連の御手洗冨士夫会長は26日、再編の波が日本企業に及ぶ可能性については「あると思う。日本企業も例外ではない」と述べた。
今回の合併は、規模の拡大により鉄鉱石などの原料仕入れ先や、販売相手に対する価格交渉で優位に立つのが目的であるとの見方がある一方、これまで建築資材など汎用品を中心に扱ってきたミタルが、「成長が続く自動車向けに薄板を供給する高度な技術を手に入れるのが狙い」(鉄鋼業界首脳)との見方もある。
ミタルのミタル会長は26日の会見で、日本の鉄鋼メーカーを買収する可能性について「その意図はない」と明言、日本に買収の手を広げる考えのないことを示した。
ただ、市場には技術力の高い日本メーカーが「格好の標的」との見方は根強い。新日鉄の三村明夫社長も「第2幕、第3幕がある」とし、業界内でも「警報装置が鳴り続けている」(大手メーカー)と危機感が募る。
≪「質も量も」≫
国際的な競争環境の変化に対応した買収防衛策など戦略の練り直しの可能性も残る。
新日鉄は、買収者の議決権比率を低下させる新株予約権発行を発動する仕組みとその発動の是非を「株主意思確認総会」の判断に委ねる仕組みの導入を3月に表明した。
同時に、山陽特殊鋼、中山製鋼所などと株式持ち合いを強化。住友金属工業、神戸製鋼所とも共同で買収を防ぐ覚書をかわしており、複数の組み合わせで対応する構え。
ただ、JFEスチールの馬田一社長は「全部現金で買収に来られたら(買収を)防ぐ手はない」と指摘。技術力による差別化に邁進(まいしん)してきた新日鉄の三村社長も「生産能力が三千数百万トンでいいのかどうかは宿題」と発言している。日本メーカーは「量より質」を合言葉に高い技術を確立し、収益力を高めてきたが、「規模の追求」を再び戦略の中で位置づける動きも出てきそうだ。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/27kei003.htm