★阿修羅♪ > 国家破産47 > 177.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
2006.6.22(その1)
森田実の言わねばならぬ[168]
「福井日銀総裁は『中立性』を守らず、郵政民営化を支持する政治的な発言を繰り返した」/尊敬する友人の稲村公望さんからの手紙――「郵政米営化」に反対して戦いつづけている全国の正義の士を激励して全国遊説をつづけている闘士・稲村公望氏(元郵政公社理事)の福井日銀総裁に関する所見
「天網恢々疎にして漏らさず」(老子)
[天の網は広大で、目は粗いが、漏らすことはない。悪人は必ず天罰を受ける]
【森田実前説】福井日銀総裁の事件は衝撃的である。高い倫理性を持っていない人物が日銀総裁という要職についていたことが明らかになったからだ。公的な地位についてもなお、私的利益をはかろうとしていたというのは大きな驚きである。小泉構造改革はこのような偽善者をのさばらせた。日本指導層の、この腐敗・堕落を暴き、彼らに責任を取らせ、指導者の座から追放しなければ、日本の未来はないと思う。今の日本、自己の利益のみをむさぼるような倫理的に低劣な人物が高い地位についている。正さなければならぬ。 以下、稲村公望さんからの正義感に溢れた手紙を紹介したい。
《森田実様
福井日銀総裁が村上ファンドに投資していた1000万円が、05年末時点で、運用残高が、2231万円になっていたとの報道です。うまい汁をすすったとしか言いようがありません。
福井日銀総裁は、郵政民営化の中身を決定づけるような発言をしたことがありました。去る2004年の8月のはじめに開催された経済諮問会議の席上であったのですが、「郵政のユニバーサルサービスと経営の自由度はどこかで両立しない」と述べて、経営の自由度を尊重するような意見で、「一番理想的なのは4事業がそれぞれ独立していることだ」と、郵便局を4つの機関にばらしてしまうことを主張するなどの発言で、その当時から、民営化の骨格をもう事前に形作っているかのような発言振りでした。小泉首相が掲げた郵政民営化の中身を決定付けるような発言で、それが、「郵政民営化の基本方針」と法案そのものに具体化していきました。
経済諮問会議の委員としての福井総裁は、政治的な中立を保たず、日銀の役員は日銀法で積極的に政治運動にかかわってはならないと定められているにもかかわらず、例えば、参議院での採決が迫る昨年の7月27日には、会見の席上で、郵政民営化法案への支持を明らかにしています。
日銀の独立性を強調しても、その当時から、中立性については疑問がありました。有識者会合でもいくつかの発言があったと記憶しますが、一貫して政治的な発言であったことです。
事実、郵政公社には、財務省からの出向者はいないものの、日銀からの出向者が理事として就任しておりますが、福井さんの推薦があったとの話がもっぱらであったし、その出向者が、有識者会合で、民営化に賛成すると発言して驚かされたこともありました。もちろん個人としての考えは多様であっても、公社の理事が政治の中心議題となっている事項について、公式に政府の法案に賛否を述べることは慎まなければなりません。
「政治がお決めになることだ」と逃げを打つのが公務に携わる者のたしなみだと思います。
福井総裁は、報道によれば、商船三井やキッコーマン、富士通などの株を持っている可能性についても言及されています。市場原理主義者の集まる経済同友会の人脈での取引があったことは容易に予想がつくことで、村上ファンドとの人脈がダブって透けて見えるようです。市場原理主義者の特徴は、政治には無関心な様相を示しつつ、その実は、きわめて政治的に動く、政治を動かすことを目標にしているのが特徴です。亀井静香先生の刺客となったホリエモンがその典型ですが、今にしてみれば、むしろホリエモンのほうが単純にも見えるような構図です。
村上ファンドのみならず、その他の資産についても、また、福井総裁がこだわった郵政民営化支持の背後の考え方についても、追及の手を緩めるべきではありません。
株であれば、就任前のことだからとの言い訳をすることになるかもしれませんが、そういう人物を、もっとも清廉で中立的な、見識のある中央銀行の総裁に選ぶ過程に、すなわち、国会での任命過程に問題があるとしか思えません。郵政会社の社長の、銀行頭取時代のコンプライアンスの問題にしても、過去のことだからと言うわけにはいきません。信頼が音を立てて崩れ去っているようですが、それは、公のものを私物化すること自体に原因があるように思えてなりません。
森田実の時代を斬る
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/
今日、アメリカの国務省の前の高官から、竹中大臣に書簡を送ったゼーリック氏が辞めたことを聞きました。桜井参議院議員が、参議院審議の後半で質問した、ゼーリック書簡のことについては、まともな答弁が行われなかったことはもうよく知られていますが、関岡英之氏による日米構造協議の深層、小林興起先生の著書によって郵政「米営」化の問題が明らかになるにつれ、そのもともとのファンドの資金供給者が、太平洋の両岸のどういった政治家や投資家がかかわっていたかのかも漸次明らかになるものと思われます。v 新約聖書によれば、どんな情報でも針の穴から漏れてくると言われていますから、深謀遠慮の陰謀でも未来永劫隠し通すことはできません。
森田さんのご活躍をお祈りしております。敬具》
【稲村さん、お手紙ありがとうございました。お元気でご活躍ください。また手紙をください――森田実】