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中国市場豊潤 日系ビール各社 拠点拡大加速
国内需要伸び悩み 世界最大消費国に照準
日系ビール各社が中国市場の開拓に躍起となっている。キリンビールが新たな製造拠点の確保に乗り出すほか、アサヒビールやサントリーも拠点拡大に余念がない。国内需要が伸び悩む中、2004年に2800万キロリットル超を消費した世界最大のビール消費国である中国に熱い視線を注ぐ取り組みは泡立つ一方だ。(深沢真貴)
≪経済発展≫
キリンビールは22日、中国・上海市を中心とする長江デルタ地域にビールの製造拠点を確保する方針を明らかにした。経済発展の続く上海地区での事業展開を本格化させる狙いだ。
上海地域にビール製造拠点を持っていないキリンだけに、国際酒類カンパニーの大島仁志社長は「現地メーカーの買収や出資、合弁など複数の選択肢を検討中」と話す。投資額は最低でも数十億円規模の見通しだ。広東省に拠点を置く麒麟●酒(珠海)で製造した商品の一部を上海地区に輸送していたが、消費地の近くで製造できる態勢が整えば、販売数量の増加と物流コスト削減につながるとみている。
同社は上海市場向けにキリンブランドの新商品開発にも着手。大瓶1本あたり8〜10元程度(1元は約14円)の高価格帯で「来年初頭には売り出したい」(大島社長)としている。
≪勝負は高価格帯≫
中国のビール市場には世界最大手のインターブルーアンベブ(ベルギー)やSABミラー(英国)、アンハイザー・ブッシュ(米国)など主要メーカーが続々と進出。キリンだけでなく、日系各社も各地に拠点を築いている。2008年の北京五輪、2010年の上海万博の開催を控えて、一段の市場拡大が期待されるからだ。
少子高齢化や人口減少による需要縮小もあって日本市場(発泡酒、第3のビールを含む)は平成6年をピークに頭打ち。それだけに、欧米勢の買収攻勢の一方で「どうしてもクサビを打ち込んでおきたい」(日系メーカー幹部)わけだ。
上海地区で重点的に展開するサントリーは、昨年の上海東海●酒に続いて6月、豪州系メーカーの上海フォスターズを買収。激戦の上海地区で6割超の圧倒的なシェアを握った。
アサヒは浙江省湖州市に新工場を建設、来年5月から製造を始める。中国国内で5番目の拠点となり、年産能力は既存4工場とあわせて77万キロリットルまで上がる。キリンも来年夏には広東・珠海市で新工場を稼働させ、年産能力を現行の35万キロリットルから45万キロリットルまで引き上げるという。
「中国市場は魅力的」と口をそろえる日系各社だが、将来の国内需要減退による売り上げ減を中国事業で補完するには、収益力の向上が欠かせない課題となる。
消費量が多いとはいえ中国市場の主流商品はまだ低価格帯に過ぎない。今のところ、欧米勢が優位に立つ高価格帯の市場でいかにシェアを高めていくかが将来のカギを握っている。
●=口へんに卑
http://www.sankei.co.jp/news/morning/23kei001.htm