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【経済面】2006年06月20日(火曜日)付
底見えぬ、損保不払い 三井住友海上、業務停止へ
金融庁が三井住友海上火災保険に対し、損保ジャパンよりも厳しい処分を出す方針を固めたのは、大量の保険金不払いなどから契約者を軽視した三井住友海上の経営姿勢が浮き彫りになったためだ。さらに、不払いの自主調査が不十分で公表後に件数が大きく膨らんだことも問題視されたようだ。だが、同じような事情は他の損害保険会社にもみられる。不払いを、当初は「事務上のミス」としてしか受け止めなかった業界の姿勢が改めて問われることになりそうだ。
「調べれば調べるほど不払い件数が増える。恥ずかしい話だが、当初はどんな規模になるか想像できなかった」と三井住友海上の幹部は明かす。
日本損害保険協会が加盟各社に不払いの自主調査を求めたのは昨年7月。三井住友海上は9月になって約2万5千件の不払いを公表したが、その後の調査で3千件以上、さらに7千件以上増えたもようだ。初めの公表数と実態との間で大きな開きが出たのは、損保ジャパンの場合と同じだが、その件数は損保ジャパンを上回っている。
不払いの大部分は入院や見舞い費用など、本体契約につく「特約」に基づく保険金で起きた。競争激化に応じて特約の種類を増やしたのに、対応する支払い態勢が未整備だったためだ。三井住友海上の関係者は「契約者から請求が無い保険金も多いうえ、もとの態勢が不十分だったので、不払いを見つけて契約者に連絡し、受け取りの意思を確認するのに時間がかかる」と、調査と実態がずれた理由を説明する。
だが金融庁は、十分な調査態勢を取らなかったこと自体を問題視する。5月、損保ジャパンに一部業務停止命令を出すにあたっては「調べる時間が限られているのはあらかじめわかっていた」と指摘。不払い問題を「真剣に受け止めていない」として、調査不十分を業務停止の理由に挙げた。
大量の不払いの発覚を受けて金融庁は昨秋、損保26社に業務改善を求め、各社は1月に業務改善計画を提出した。各社とも計画の内容は「精査中」として明らかにしていないが、複数の社が不払いの「追加」があったことを認めている。約18万件、84億円とされている26社の不払いの総額も膨らむ可能性がある。
業界では、支払いを確実にすることをめざし、特約を含めた商品構成の見直しも始まっている。「約束した保険金をきちんと支払うことへの認識が甘かったと言うしかない」。大手損保の幹部はこう話している。
◇ ◇
◆損保業界の不払い問題の経過
05年2月 富士火災海上保険で約5千件が発覚
7月 日本損害保険協会が加盟社に自主調査を要請。9月までに19社で発覚
9月 金融庁が全損保48社に報告を要求
11月 金融庁が26社に業務改善命令
06年1月 三井住友海上に、さらに約3千件あったことが発覚
5月 金融庁が損保ジャパンに一部業務停止命令
http://www.asahi.com/paper/business.html