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波乱の日本株、海外勢の現状姿勢を問う−ブルームバーグ・フォーカス (ブルームバーグ)
2006年6月12日(月)17時28分
６月12日（ブルームバーグ）：前週末９日までに、日経平均株価は2002
年２月以来となる５週連続安となった。週間の下げ幅が1000円を超えたのも
2000年末以来、およそ５年半ぶりのこと。波乱ムードに包まれる日本株市場で
広がっているのは、米国の景気減速下における行き過ぎた金利上昇への懸念、
リスク許容度が低下した海外投資家による日本株売りへの警戒感だ。
ブルームバーグ・ニュース東京支局では今週、日本をテーマに国内外有識
者に今後の展望を聞く「ジャパン・イン・フォーカス」を行っており、日本株
についても、海外の著名な投資家に現状の日本株や経済情勢に対する認識を問
うている。12日にブルームバーグ・テレビでインタビューを放映したのは、シ
ンガポールに運用拠点を置くエルムウッド・アドバイザーズのクイン・リオダ
ン社長、ヘンダーソン・グローバルインベスターズのディレクター、ジェレミ
ー・ホール氏で、両氏の発言の詳細は次の通り。
●エルムウッド・アドバイザーズのクイン・リオダン社長
「日本を過去10年間苦しめていたのはデフレーションと考えると、緩や
かなインフレは日本にとって良いことだと考える。インフレというと経済、株
式市場に取ってマイナスと反射的に考えることが多々あるが、それはここ100
年もの間、他の経済でデフレを経験していないからと言える。デフレからの脱
出をしているという点で特殊である日本にとって、インフレは良いことだ」
「同様に、金利の上昇も健全な経済の反映と考えればプラス材料である。
日本には1200兆円の預金がある。今まで何もつかなかった預金に対し、皆が1
パーセントの金利を受け取れるようになっただけでも、相当の額が消費に回る
ようになると想像できるだろう」
「世界経済に関する懸念としては、何より米国経済と米国の消費、住宅市
場の減速感が挙げられる。また、米国市場の減速は日本製品の消費大国でもあ
る中国経済の減速へとつながり、日本にとっても間違いなくネガティブだ」
●ヘンダーソン・グローバル・インベスターのジェレミー・ホール氏
「最近の下げ相場は日本独自の問題で下がったのではない。日本経済はむ
しろ現段階では好調と言える。問題はアメリカに起因しており、不透明な金利
政策や世界経済への見通しに捕われる形で、日本株は下降トレンドをたどった。
しかし日本だけに目を向ければ、景気環境はとても良い。成長速度自体は減速
するだろうが、５年連続の成長、長期に渡る成長ということに違いはない」
「市場のバリュエーションが低くなったことも考えれば、ここはリスクよ
り買いの好機と捉えられるのではないか。物色としては、ＰＥＲで14倍、15
倍という水準にある大型優良株が中心。ただ、自動車業界に関しては、需要の
大元でもある米国と、米国の消費に関して慎重な見方をしているため、強気で
はない」
「日本のゼロ金利解除は、貸し出しから得られる利益の方が、預金に対す
るコスト増より先に来るため、総じて日本の銀行にはプラスと働くだろう。銀
行貸し出しに関しては、短期の回復トレンドに入り始めたのではないか」
記事についての記者への問い合わせ先：
東京 鈴木 牧子 Makiko Suzuki msuzuki13@bloomberg.net
東京 院去 信太郎 Shintaro Inkyo sinkyo@bloomberg.net
http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=12bloomberg12aae8Yxhcc.eE
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