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すかいらーく MBO実施、株非公開へ 敵対的買収に究極の防衛策
外食最大手のすかいらーくは8日、野村証券グループの投資会社などの支援を受け、経営陣による自社買収(MBO)を実施すると発表した。短期的な業績や株主の意向に左右されない経営体制に改め、事業の再構築を目指す。
野村プリンシパル・ファイナンスなどが出資するSNCインベストメントが、すかいらーくの株式公開買い付け(TOB)を実施。TOB期間は9日から7月10日までで、買い付け価格は1株2500円。議決権ベースで3分の2超の応募があれば成立する。応募株式をすべて買い付けるため、買収額は最大で2718億円となる。
TOBが成立すれば、9月下旬に東京証券取引所1部上場を廃止され、株式が非公開となる。来年1月にSNCとすかいらーくが合併し、横川竟(きわむ)会長は新会社で引き続き経営に携わる。
東京都内で記者会見した横川会長は「組織全体に漂う停滞感を打破し、劇的に変化する市場に対応していきたい」と強調。既存事業の見直しや新業態開発など事業の抜本改革に取り組む考えを示した。
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≪創業家「会社守る」 ワンマン経営の恐れも≫
すかいらーくが経営陣による自社買収(MBO)を決めたのは、ファミリーレストラン事業の抜本的な立て直しが理由だ。しかし、敵対的買収が活発化する中、「究極の防衛策」を講ずることで創業家の意思に反する買収者から会社を守る狙いも見え隠れする。
「35年、ファミレスとしてやってきた結果、時代とずれてきた。思い切った改革が必要だが、5万人いる株主にそのリスクを理解してもらうのは難しい」
横川竟会長は8日の会見でMBOに踏み切る理由をこう語った。平成17年12月期の売上高は連結で前期比1・1%減の3793億円、最終利益は8・9%減の66億円。売上高で1兆円企業を目指す同社にとって厳しい状況だ。業態転換を含めて「ファミレスの抜本改革に赤字覚悟で取り組む」(横川会長)とはいえ、それは短期的な利益を求める株主の意向に反するというわけだ。
ただ、横川会長は「創業家の4兄弟のうち一番上は75歳。創業家が欠けた結果、株がバラバラになるのは危ない」とも指摘。創業家の持つ約18%の株が散逸した場合に備え、敵対的買収にさらされる可能性を防ぐ狙いも示している。
昨年以降、MBOを実施したワールドやポッカコーポレーションなどの共通項はいずれも創業家の影響力が強いこと。こうした企業では、今後もMBOの採用が広まる公算が大きい。
もっとも、株主の横やりが避けられる一方で、ワンマン経営者の暴走に歯止めがかからなくなるとの見方もある。いわば「もろ刃の剣」のMBOがすかいらーくにとって吉と出るかどうかは不透明といえそうだ。
(石垣良幸)
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【用語解説】自社買収(MBO)
企業の合併・買収(M&A)手法の一種でマネジメント・バイアウトの略。企業の経営陣が自社の株式を買い取り、経営権を取得する。金融機関や投資ファンドなどが資金支援するケースが多い。株主の意向に左右されず長期的視点で経営ができるほか、株式を非公開にすることで買収防衛につながる利点もあるとされる。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/09kei002.htm