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日本債券(終了):大幅安、世界的な金利上昇警戒−株安でも買い控え (ブルームバーグ)
2006年6月6日(火)16時49分
6月6日(ブルームバーグ):債券相場は大幅安(利回りは上昇)。週明け
の米国市場で利上げ継続の観測が再燃して、短期セクター中心に米債相場が大
きく崩れており、欧州も含めて世界的な金利上昇の警戒感が広がった。朝方に
は内外株安がサポート要因とも意識されたが、投資家が現物買いに慎重な姿勢
を崩さなかったため、先物相場は前週末からの上昇分をほぼはき出している。
三井住友アセットマネジメント・保険資産運用第一グループ・ヘッドの堀
川真一氏は、海外で金利が上昇したとはいえ株価が続落すれば、先物限月交代
を控えて債券相場はさほど崩れないとみられていたと指摘。しかし、「実際には
米国で今月も利上げが行われれば、日本銀行もやりやすくなるとの思惑もあっ
て、米国の金利上昇により影響を受ける展開だった」とみていた。
東京市場の先物中心限月6月物は、この日の高値となる133円51銭で取引
を始めた。直後の売りをこなすと株価続落を手掛かりに133円49銭まで戻した
が、この水準ではすぐに売りが膨らんでじりじりと水準を下げた。
午後に入ると一段と売り込まれて133円5銭まで急落。その後いったんは
133円10銭台に持ち直したが、2時過ぎから再び売り圧力が強まると、大引け
間際に73銭安の132円78銭まで下落。そのまま安値圏の132円84銭で引けた。
米国では5月の雇用統計が予想以下の内容となり、これを受けて2日の米
債相場大幅に上昇したことが、前日の国内債市場で買い買い材料視されていた
だけに、週明けの米債反落が朝方からの売りを促すきっかけとなった。
また、前日には株価反落が債券買いにつながっただけに、この日も朝方こ
そ株安に伴って債券先物が下げ渋っていたが、午後には日経平均株価が300円
超の続落となっても、債券買いを促すには至らなかった。
「欧米市場での金利上昇と国内株続落という、債券市場に両サイドの材料
があったわけだが、結局はきのうに大幅高となった反動で売り材料に反応して
いた」(モルガン・スタンレー証券・山脇貴史債券ストラテジス)と言う。
10年債利回りは1.925%−午後に中期売り
現物債市場で10年物の280回債利回りは、前日の終値1.860%より1.5ベ
ーシスポイント(bp)上昇の1.875%で取引を始め、その後はじりじりと水準を
切り上げる展開。午前10時前後からは1.905−1.915%でもみ合っていたが、取
引終盤にかけて再び売りが出ると、7bp上昇の1.93%をつける場面もあった。
この日、午前には10年以上の長期や超長期債売りが先行したが、中期債相
場は比較的に落ち着いた動きだった。しかし、午後には中期債売りが活発化し
ており、5年物の56回債利回りは1日以来の1.405%をつける場面もあった。
みずほインベスターズ証券の井上明彦マーケットアナリストは、5年債は
8日の入札前の持ち高調整ということで説明できるが、このタイミングでの超
長期債売りはやや予想外だと指摘。「5月後半以降に外国人投資家が買い越して
いたため、こうした向きからの戻り売りもあったのではないか」とみていた。
こうしたなか、10年債は引き続き方向感の定まらない展開で、海外の金利
や株価動向の影響を受けやすい地合いが続きそうだが、ここ最近の取引レンジ
である1.9%付近から大きくは逸脱しないといった指摘もあった。
三井住友アセットマネジメントの堀川氏は、1日の10年債入札が低調だっ
たのは、5月末にかけて金利が予想以上に低下していたためだと言い、「逆に金
利が上昇してくれば6月の償還資金が動く」と予想。引き続き1.9%を中心に押
し目買いと戻り売りが続くのではないかとの見方を示した。
欧米市場で債券安・株安
5日の米債市場では金利が上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)のバー
ナンキ議長が、最近のインフレ指数の上昇について「歓迎できない」と述べた
うえで、その上昇傾向が継続しないよう警戒すると続けたことから、今月29日
の連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが継続されると観測された。
市場では、「今月末のFOMCで25bpの利上げが行われるなら、米10年債
利回りは5.25%程度までの上昇はやむを得ない。国内金利は欧米と連動性が高
いだけに、米国次第で金利上昇余地が広がる可能性はある」(井上氏)と言う。
5日の米債市場で2年債利回りは前週末比約7ベーシスポイント(bp)近
く高い4.98%付近となる一方、10年債利回りは同3bp上昇の5.02%にとどま
り、利回り曲線にはベア・フラット(平たん)化の圧力がかかった。
また、8日に行われる欧州中央銀行(ECB)の会合では0.5ポイントの
利上げが実施されるとの見方から、欧州市場でも短期債主導で金利が上昇して
おり、世界的な金利上昇を警戒して国内債にも売り圧力が強まっている。
一方、利上げ継続観測を受けて米株相場は続落となり、ナスダック総合指
数が前週末比2%強の下げとなったほか、主要な株価指数が軒並み下落する展
開となり、朝方に国内株価が続落すると債券市場で下支え要因と意識された。
しかし、グローバル市場で債券安と株安が進行していることについて、「米
国のスタグフレーション懸念と、世界的な金融引き締めによる流動性相場終え
んの観測」(三菱UFJ証券・石井純チーフ債券ストラテジスト)があるだけに、
国内債市場も次第に株安の下支え効果が弱まりつつある。
物価連動債の入札結果は無難
この日に実施された10年物の物価連動国債(8回債)の入札結果は無難な
内容だった。今回の入札結果に関しては、「会計制度の見直しもあって機関投資
家の需要が期待されたが、実際にそうしたニーズは見えなかった。ただ、予想
よりやや弱めというのも想定範囲内で、相場全体への影響は特段みられなかっ
た」(井上氏)と指摘された。
10年物価連動国債の入札結果によると、最高落札利回り(応募者利回り)
は1.05%に決まった。最高利回りについて、ブルームバーグ・ニュースがプラ
イマリーディーラー13社を対象に調べた予想値1.045%をやや上回った。応札
倍率は3.59倍と前回債の3.69倍から低下。発行価格は99円53銭。
(債券価格) 前日比 利回り
長期国債先物6月物 132.84 -0.67 2.044%
売買高(億円) 46949
10年物280回債 99.79 1.925(+0.065)
記事に関する記者への問い合わせ先:
東京 赤間信行 Nobuyuki Akama akam@bloomberg.net
http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=06bloomberg12abVoVTockz5A