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(回答先: ○1 人間がどれほど自然環境に依存しているかを明らかにします 【エコロジカル フットプリント】 投稿者 hou 日時 2006 年 6 月 03 日 22:17:26)
http://www.mizuho-ir.co.jp/column/kankyo050621.html
2005年6月21日
最近、新聞記事で「持続可能な社会」という言葉を良く見かけます。この持続可能な社会とはいったいどういった社会なのでしょうか。こうした問いかけに答えるために“エコロジカルフットプリント”という指標があります。これまで日本ではあまり知られていませんでしたが、この指標は、世界的に有名な自然保護団体であるWWF(世界自然保護基金)などで“持続可能性を測る指標”として活用されているほか、英国ではウェールズ議会が持続可能性指標として採用しているのをはじめとして、各国の行政でも活用され始めています。いちはやく持続可能な社会について問題提起した「成長の限界−ローマ・クラブ人類の危機レポート」(1972)から続く、シリーズ第三の「成長の限界 人類の選択」(2005)の中でも、このエコロジカルフットプリントという指標を用いて、持続可能な社会について研究および評価が行われています。
それでは、エコロジカルフットプリントという指標は、私たちに何を示してくれるのでしょうか。この指標は、地球生態系の有限性という視点から経済活動の資源消費量が適切であるか否かを判断する目的で、1990年代初頭にブリティッシュコロンビア大学を中心に開発されたものです。私たちが現在の暮らしを維持するのに必要な土地面積を、現在の暮らしをおくるために私たちが踏みつけている足跡という言葉で表現しているのです。
エコロジカルフットプリントの特徴は、持続可能性という感覚的にわかりづらい問題を、土地面積というわかりやすい数字に置き換えて表現している点にあります。さらに、生物的な生産が可能な土地面積“バイオキャパシティ”と比較することで、私たちの暮らしが持続可能な状態をどれぐらい超えてしまっているのかを、土地面積という数字で明確に捉えることができます。以前はこの土地面積を表すための単位として「ha(ヘクタール)」を用いていたのですが、最近は土地の生物的な生産性に応じて重みづけした仮想的な土地面積1haを意味する「global ha(gha)」という形で表されることが増えてきました。
WWFが公表している「Living Planet Report 2004」に記載されている、一人当たりのエコロジカルフットプリントとバイオキャパシティを見てみると、世界平均ではそれぞれ2.2gha/人と1.8 gha/人。つまり、この指標上では世界全体でみると、すでに持続可能な状態を超えているということになります。そのほか、日本は4.3 gha/人と0.8 gha/人、アメリカが9.5 gha/人と4.9 gha/人、イギリスが5.4 gha/人と1.5 gha/人、中国が1.5 gha/人と0.8gha/人となっています。もし、世界中の人々が日本人と同じような暮らしをすると、地球が約2.4個必要ということになります。
ここでは国単位の結果を例として挙げましたが、エコロジカルフットプリントは、地域別や家庭単位でも計算して数値を求めることが可能です。なお、エコロジカルフットプリントには議論すべき技術的な問題が残されており、更なる“開発”も必要といわれています。しかし、まずはこうした誰にでもわかりやすい指標を共有することで、持続可能な暮らしという重要な問題をみんなで議論していくことが必要ではないでしょうか。
(地球環境室 高木 重定)