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巨額な資金を投入して破綻したプロジェクト
http://www.asyura2.com/0601/hasan46/msg/580.html
投稿者 hou 日時 2006 年 6 月 03 日 05:00:45: HWYlsG4gs5FRk
 

http://www.hi-net.zaq.ne.jp/buaim609/essay/245.htm
245:グリーンピア破綻の責任


現在日本政府が直面している政策課題の一つに年金問題がある。

少子高齢化による年金受給者の増加と、年金を納入する現役勤労者数の減少で、年金制度自体の運営が危機に直面していることは、周知の通りである。
少子高齢化以外に、これまでの年金財源の資金面での運用及び投資された資金の用途には、不適切なものが多く、中には信じられないような問題点が次々に露呈している。

年金事業団の職員用住宅や職員用の保養施設の建設に、勤労者が納入した年金が使われていたことは、最近の情報公開で明らかになったが、これは全く国民を愚弄した話である。

これと並んで、巨額な資金を投入して破綻したプロジェクトとして、「グリーンピア」保養施設がある。
グリーンピア保養地は、被保険者に対する保養施設の提供と言う名目で、全国13箇所に建設された。その殆どが、元厚生大臣の地元であるという。
バブル時代またはそれ以前に計画されたものが多く、所在地も今では考えられないような交通不便な僻地であったりする。その典型的な例として、読者諸氏はご承知であろうか。今週始めまで4メートル近い豪雪で国道が閉鎖して孤立して、連日テレビを賑わしている、新潟県の津南町に、なんと「グリーンピア津南」という保養地があるのだ。
これでは、健全な経営を期待する方が無理というものだ。
然も、経営能力や責任が皆無である官僚達の無責任な計画と、経営陣への天下りによって、モノの見事に破綻を来たしたのである。

これ等の保養施設の運用では、毎年巨額な赤字が累積する為に、遂に事業団は経営を諦め、所在地のある地方自治体に順次譲渡したのである。昨年末に、グリーンピア三木を兵庫県に譲渡したのを最後に年金事業団は、その経営から手を引いた。

その収支決算の数字を見て、その余りの杜撰さに怒りを禁じえない。以下その数字をご覧願いたい。

グリーンピア保養地建設に要した総額は、3730億円である。これは全て年金財源から支出されているのである。これに対して、今回13の施設を地方自治体に売却した総額はたったの48億円だという。その差額、3682億円の年金が真夏の朝露の如く消えてしまったのである。
年金財源不足により、年金制度そのものが論議され、見直しが再検討されている現在、厚生省の官僚に依ってこのような事実が平然と語られることに、驚きと怒りを禁じえないではないか。

然も、この破綻に対して、責任を負う者は誰も居ないのである。このような事実に接する時、官僚の企画による公社、公団の事業経営が共産主義社会の破綻と全く同一軌道のものであることを痛感する。即ち、官僚は、社会の需要や時代の変遷に全く目を向けず、族議員の利益と官僚達の再就職先の確保だけしか考えていないのである。

日本人はこれほど愚かなのであろうか。これに対して年金の納入者も受給者も声を大にして、厚生省及び事業団の責任を追及すべきではないだろうか。マスメディアもこの問題を深く追求して貰いたいものである。

この責任追及をなくして、年金制度の改革は勿論、若年者への年金納入促進を期待することは出来ないであろう。現内閣は、制度の廃止で満足せずに責任の所在を明確にして欲しいものである。


(平成18年1月19日)

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