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□株価は秋口まで安定しない [ゲンダイ]
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=26525
【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
2006年5月26日掲載
株価は秋口まで安定しない
日米の金利政策で見方分かれる
東京株式市場は乱高下が続いている。平均株価は数百円の幅で下落と上昇を繰り返し、どうにも落ち着きがない。それでも定規を当ててみると、ズルズルと右肩下がりになっている。今月は8日の1万7375円をピークにして、24日に一時は1万5508円まで2000円近くも下落したのだ。
上場企業の決算はおおむね良好で、1―3月期のGDP成長率も民間予測を上回った。そんな中で相場が不安定になっているのは、先行きの不透明さが覆いようもない状態になっているからだ。
かつての日本市場は、動きがスローモーな機関投資家や法人が大部分を占めていた。それが今は市場の構成が様変わりとなり、個人投資家の割合がぐっと増えている。彼らは腰が軽く、なにかのきっかけで同じ方向に流れやすいから、大波が発生しやすい。
しかし、今の相場の不可思議な動きは、それだけが理由ではない。どっちに転ぶか分からない材料しかないから基本的なシナリオが描けず、どう動くかを決めあぐねているのだろう。とりわけ大きいのが、日米の金利動向がそろって読みにくくなっていることだ。
量的緩和政策を解除した日銀は、商業手形を売り戻す形で当座預金残高を減らしてきた。国債の売りを本格化していくのはこれからだ。そうなれば長期金利の上昇は避けられないが、焦点になるのはゼロ金利解除の時期である。6月とか7月とか、いや秋口以降にズレ込むとか、市場はいろんな観測で騒がしい。
福井総裁は「削減を終えることと、ゼロ金利脱却とは全く別問題だ」と早期解除は否定していたが、「何ら予断を持っていない。経済を点検することが非常に重要だ」とも言っている。確かにその通りだが、これでは市場は解除の時期を判断しかねる。
米国ではバーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言が混乱を招いている。4月末の議会証言では「利上げを1回か、それ以上行わないかもしれない」と述べたが、2日後には一部メディアに「利上げを終えたとの観測は間違っている」と打ち明けたそうだ。
金融政策決定に有力な材料が出てくるまで、市場は落ち着きそうもない。もっとも、その時期が読めないから市場は混乱しているのだ。この状況は秋口まで続く可能性がある。