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□新日鉄 世界最大手ミタル買収騒動 [ゲンダイ]
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=26526
【この会社の人と事件】
2006年5月26日掲載
新日鉄 世界最大手ミタル買収騒動
トヨタ傘下に?
「近い将来、新日鉄がトヨタの傘下に入る日がくるかもしれない」――。大手鉄鋼メーカーの元幹部がこう囁く。一笑に付す向きが多いかもしれないが、これは決して絵空事ではない。
海の向こうでは、巨大鉄鋼メーカー同士の買収合戦が勃発。その矛先がいつ、日本の鉄鋼メーカーに向かっても不思議ではないのだ。
「ミタル・スチール」と聞いて、ピンとくる日本人は少ないだろうが、このミタルこそが、世界の鉄鋼業界で、いまもっとも注目されている世界最大手企業であり、同2位のアルセロールに対して買収を仕掛けている張本人だ。
「ミタルは、インド人経営者のラクシュミ・ミタル氏が、父親がやっていたスクラップ事業を引き継ぎ、76年にインドネシアに設立した新興メーカー(現在、本社オランダ)。その後、経営不振に陥ったトリニダード・トバゴの鉄鋼会社を手始めに、カナダ、カザフスタン、ルーマニアなどの鉄鋼会社の買収を繰り返し、04年にニューヨーク証券取引所に上場、05年には粗鋼生産で世界最大手になった。買収意欲は衰えるところを知らない。世界の鉄鋼メーカーの台風の目のような存在です」(大手鉄鋼メーカー幹部)
鉄鋼業界の再編話がなぜ、自動車メーカーに波及するのか。鉄鋼メーカーにとって自動車メーカーは最大規模のユーザーであり、高級鋼材の得意先だからだ。
「ミタルは粗鋼生産こそ世界最大規模になりましたが、自動車向けの高級鋼材の生産能力に乏しい。逆に新日鉄など日本の鉄鋼メーカーには高い技術力があり、ミタルはこれを狙っています。仮に6月末を期限とするアルセロールの買収が未遂に終わった場合、その資金を使って、新日鉄の買収に乗り出すのではないかと噂されています」(前出の幹部)
そうなれば、新日鉄、住友金属、神戸製鋼との3社での株式持ち合いなどでは抵抗しきれない可能性がある。そこで、最後に駆け込む先として「世界のトヨタ」が浮上しているのだ。トヨタにとっても、最大級のサプライヤーを外資にのみ込まれ、生産に影響をきたすような事態は避けたいのは間違いない。ミタルの動き次第では、驚く展開があるかもしれない。【斎藤隆之】