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□実力会長に噛み付いた降格社長 [ゲンダイ] 【伊藤ハムで勃発した兄弟喧嘩】
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=26491
【この会社の人と事件】
2006年5月25日掲載
実力会長に噛み付いた降格社長
伊藤ハムで勃発した兄弟喧嘩
伊藤ハムでお家騒動が勃発した。社長を降格させられた伊藤正視取締役(64)が、「代表取締役社長」の肩書のまま緊急記者会見を開き、「社長辞任は誠に不本意」と不満をぶちまけたからだ。
伊藤ハムは5月19日、伊藤正視社長の平取締役への降格と、後任社長に河西力・取締役専務執行役員(64)の昇格を発表し、即日就任した。創業家の伊藤家以外からの社長就任は、創業以来初めて、と話題になった。
伊藤社長を解任したのは伊藤ハムのドンである伊藤研一会長(68)。正視氏は研一氏の実弟で、社長の座をめぐり兄弟喧嘩が表面化したわけだ。伊藤ハムの前身は伊藤傳三氏が1928年に大阪市で創業した会社。
傳三氏の長男の研一氏は、幼少のころから後継者として育てられ、慶応大学経済学部在学中の1959年に伊藤ハムの取締役に就任。卒業後は、常務、専務と、とんとん拍子に昇格。81年、父・傳三氏の死去で、43歳で社長に就任。2002年に会長になるまで20年以上、社長の座に君臨した。
一方、正視氏は1964年に慶応大学商学部を卒業して伊藤ハムに入社したが、「研一さんに比べて影が薄かった」(業界関係者)。社長に就任したのも60歳を過ぎてからだ。
しかし、正視社長時代に、輸入豚肉にかかる差額関税制度を悪用して関税を免れた「豚肉不正輸入」事件が発覚、関税法違反に問われた。昨年12月には、「悪質だ」として検察側の求刑の3倍にあたる3000万円の罰金刑を受けた。
「豚肉不正輸入事件、営業赤字、減配と、正視社長の手腕に疑問が持たれるような出来事が相次いだ。これで研一会長が、弟に見切りをつけた。実弟の正視氏を切って、生え抜きの河西氏を起用したのは、業績回復に向けての背水の陣といえる」(業界関係者=前出)
だが、切られたほうは面白くない。弁護士が同席する、個人の資格で開いた記者会見の席上で、「社内の意識改革が進み、業績の急回復が見込める中の辞任は忸怩(じくじ)たる思いだ」と胸の内を吐露。これで兄との確執が明らかになったわけだ。
社長退任よりも「造反社長に役員退職金は支払われるのか」が食品業界の最大の関心事となっているという。【野村隆夫】