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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu120.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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木村剛や田原総一郎が「潰せ潰せ」と言っていた不良債権が
景気回復で優良債権になり巨額の貸し倒れ引当金が戻ってきた。
2006年5月28日 日曜日
◆大手銀行に”架空利益”をもたらした政府・日銀の異常な金利政策の行方 立花隆
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060524_kinyuseisaku/index.html
(前略)
よくよく読んでみると、三菱UFJの場合、巨額の利益を上げたとはいっても、その内容は、通常の銀行業務による営業利益がそれだけあったということではない。
巨額の不良債権と化していた、倒産寸前(とみなされていた)企業への融資に対応して積んでいた巨額の貸し倒れ引当金が、融資先の経営が改善され、貸し倒れの可能性が低下したため、不要になって戻ってきた「戻し益」によるものである。
それはいってみれば、帳簿操作で生まれた利益のようなものである。粉飾決算で生み出される「架空の利益」とは逆に、実体以上に将来の損失を過大に見積もったが故に生じていた「架空の損失」が消えたことによって生まれた利益である。(中略)
旧UFJを破綻寸前まで追いやっていたダイエー、ミサワホーム、大京、日商岩井(現双日)などがいずれも黒字経営に戻っている。しかし、この政策の裏で何が起きたかというと、政府債務のとてつもない膨脹である。
いま国家財政は、全部ひっくるめると現在1000兆円をこえる債務をかかえており(国債だけなら昨年12月末で663兆7743億円)、それはGDPの2倍をこえていて、日本の歴史上いまだかつてないレベルに達している。あの貧乏のドン底状態であった終戦直後の国家財政ですら、GDP比でいってこれほどひどくはなかった。
景気回復によって、銀行も企業も、空前の利益をあげているというのに、国家財政は、歴史上かつてないほどの借金をさらに積みますだけで、いっこうに改善のメドが立っていない。(中略)
◆プライマリーバランスの回復に有効な50年国債
つい1カ月ほど前、財務省の今年度新規採用1級職公務員の研修会に招かれて、何でも話したいことを話してくれといわれたので、財務省に課せられている喫緊の課題は、何といってもプライマリーバランスの早急な回復にあるという話をした。
景気が回復した今こそそれに手をつけないと(すぐに回復はできないにしろ、少なくともその筋道は見つけておかないと)、悔いを千載に残すことになると述べた。
そのためには、既成概念にとらわれたものの考え方をしていてはダメで、これほどの異常事態が起きている状況においては、相当過激なことをする必要があるから、たとえば、こんな考え方もあるとして、次のようなことを述べた。
すでにヨーロッパ諸国で行われていることだが、50年国債を発行して、順次現存の10年、20年、30年国債をそれに書き換えていく。そして、50年国債に限って、相続税を免除(あるいは大幅軽減)することにする。
それも1代限りでなく、2代、3代にわたって相続してよいことにする。
そうすると、資産家の最大の心配は、自分の死後、子孫が遺産を相続するにあたって、相続税を国にどさっと取られて、貧乏することになるのではないかということにあるから、資産家であればあるほど、他の資産をどんどん売ってでも50年国債を購入しようとするだろう。(中略)
◆消費税の増税では財政破綻は救えない
以前から、日本には1400兆円もの個人金融資産があるから、国の借金がちょっとやそっと増えても大丈夫なのだという議論がよくあったが、個人の金はあくまで個人の金である。国家がそれを勝手に使うことはできない。
国家がそれを使うためには、それを個人の懐から国家の懐に移す手続が必要だ。税金として取り上げてしまうか、国家が借金として借りるという形にするかである。
税金として取り上げる道は、政治的に大変動をまねく恐れがあるので、政治家はやりたがらない。それで借金政策できたが、それはすでに見たように、現存のスキームのままでは量的限界に達している。
これからも借金政策でいくなら、新しいスキームが必要だ。何らかのメリットを個人に与えて、個人が喜んでその金を、新しい借金の証文とともに国庫に入れるスキームが必要になるのだ
いま述べたようなスキームであれば、大金持ちほど喜んでそれを利用し、それを長期にわたって(何代にもわたって)保有し続けるだろう。それによって、個人の懐に止どまり続けたら死んだままで終わるであろう巨額の資金が、国家の財政基盤を下支えする超長期固定資金として生き返ることになる。
まじめな話、これくらい過激なことをやらないと、日本の財政破綻は救えないと思う。
財政破綻を救うためには結局消費税を増やす以外にないという議論をよく聞くが、計算すればすぐわかるが、消費税増税によって財政をバランスさせようと思ったら、必要な消費税の税率は40%をこえてしまうのである。そんなことは政治的にできるわけがないし、できたとしても、その増税によって経済の足が引っぱられ、所得税も法人税もダウンしてしまう逆効果のほうがはるかに大きいだろう。
ここは大金持に少々甘い汁を吸わせることになるが、国家が資産家たちに助けてもらう以外ないのではないか。
◆50年国債発行を検討・財務省、金利上昇に備え 4月2日 日本経済新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060402AT3S0100J01042006.html
財務省は償還までの期間が50年の固定利付国債を発行する検討に入った。2年後をめどに数千億円規模で発行する案を軸に調整する。先行きの金利上昇の可能性に備え、より期間の長い超長期債の発行で利払い負担を軽減するとともに、高齢化による年金基金などの長期運用ニーズに応える。期間の多様化によって、政府の資金調達策である国債の安定消化につなげる狙いもある。
財務省は近く国債を販売する証券会社や機関投資家の需要調査を始める。安定消化できるかを見極めたうえで、今年度中にも発行規模や時期などを決める。
(私のコメント)
最近の田原総一郎の言論は有害無益であり、昨日も朝生の外交防衛問題でも触れましたが、「正論」から外れた議論ばかりしている。最近でもホリエモンを時代の寵児として囃したてたのは田原総一郎であり、三週間にわたって自分の番組に出演させたほどだ。しかし粉飾決算で起訴されると叩きまくる。
数年前では「不良債権を処理しろ」と大キャンペーンを張り、「ゾンビ企業はみな潰せ」と、木村剛の「30社リスト」と共に話題になった。その頃に30社リストの株式を買っていたら今頃は一儲けが出来たはずだ。つまり木村剛や田原総一郎の言っている事の逆をやっていれば儲けること間違いはない。
株式日記では「景気対策が一番の不良政権対策である」と書いてきましたが、景気の回復と共に不良政権は優良債権に変わり、銀行も貸し倒れ引当金が戻って巨額の利益を計上している。もし当時の銀行がダイエーやミサワを潰していれば、銀行も企業も共倒れだったのだ。
このように売れっ子のジャーナリストの田原総一郎や政府委員でもあった木村剛のような専門家の言う事が間違っており、素人の私のほうが正しいことを言っているのは時間の経過と共にはっきりしてくる。このような違いはどこから来るのだろうか?
結局は木村剛や田原総一郎はB層に対する世論操作の道具であり、エコノミストとかジャーナリストと言う肩書きにB層はみんな騙されてしまうのだ。しかしテレビに出られる評論家達は政府の太鼓持ちであり、政府批判をする評論家は亡国のイージ○の圧力によって出られなくなっている。
今日のサンデープロジェクトでも長崎の新幹線の是か非かをやっていましたが、新幹線や高速道路を作っても決め手にならないことは長野が証明している。逆に日帰りできる事で支店やホテルなどが無くなってしまうのだ。景気回復には財政政策が必要なのですが財政=公共工事と言う誤ったキャンペーンがなされて緊縮財政がとられてしまった。
民間企業が負債整理に追われている時には政府が支出を増やさなければデフレになってしまう。だから国債を発行して財政で景気を拡大しなければならない。景気対策には減税も必要な対策です。さらには国家的な投資も必要ですが、それは橋や道路よりもサービス産業振興のためには教育投資が必要だと思う。
最近では普通の文科系大学でも学費が年間に国立でも80万円もかかり、私立では120万円以上もかかる。少子化の原因は教育費に金を取られて子供一人か二人で手一杯になるからだ。これで卒業してもフリーターやニートではまったく子育ては間尺に合わない。だから公共事業で金をばら撒くよりも学費を無料にして家庭の負担を軽くすればそれだけ消費も伸びる。
景気が回復したのは小泉構造改革が成果をあげたからだと言う意見もあるが、りそな銀行の頃から政策を銀行潰し政策から銀行救済に方針転換したからだ。その頃から景気は回復し始めて株価も7千円台から1万7千円台にまで回復したのだから、銀行の持ち株も評価を上げて不良債権を処理しやすくなったのだ。
「構造改革」とスローガンを掲げてもやった事は道路公団の民営化と郵政の民営化だけでアメリカの要求によるものだ。企業も正社員の首を切りパートに切り替えて利益を出しているが、社員達は給与水準が下がってしまった。そして「格差社会」が問題になり始めている。「構造改革」は正しいのだが実際は正社員をパートにしたことが構造改革だったのだ。
私の考えでは小渕内閣があと三年も続いていれば現在よりも景気は上がっていたはずだ。100兆円の国債発行が非難されたが小泉内閣の方が150兆円と大きいのだ。これも景気を回復させて税収入を上げて財政を均衡させるのが正しい方法であり、緊縮財政が財政赤字をかえって大きくする原因になっている。
立花隆氏は50年国債の発行を提言しているが、手段方法としては正しい。財務省のバカ官僚は増税で財政均衡させようとしているが、消費税を1%でも増税すれば景気は再び底が抜けたように下落するだろう。消費税はインフレ経済の時は上げやすいがデフレの時は1%でも上げれば不況を招く。
97年の消費税2%の引き上げで不況が本格化して金融パニックを起こしましたが、私のように商売をやっている人にとってはデフレ時の増税は値上げが出来ずに家賃の実質値下げで泣かされてきた。役人やサラリーマンにはそのことが分からない。
最近はリチャード・クー氏がテレビには出られないようですが、財政支出論者だったからですが、植草氏のようにスキャンダルの罠に嵌められないように注意しているのだろう。リチャード・クー氏は「金利が低いと言う事は市場が財政を求めていると言う事だ」と言っていましたが、赤字国債の残高よりも市場金利に気をつけるべきであり、低金利であるならば国債を発行して財政拡大せよと言う信号なのだ。
財務省は50年固定金利国債の発行を検討しているようですが、50年と言わずに100年とか永久国債でも発行したらどうだろう。800兆円の赤字国債も永久国債に借り換えしてしまえば永久に返さなくてもいい事になる。それくらいの大胆な発想が財務省に出来れば「失われた10年」など無かった筈だ。