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【経済面】2006年05月27日(土曜日)付
新政策金融、課題は山積 行政改革推進法成立
政府系金融機関の統廃合や民営化などを盛り込んだ行政改革推進法が26日成立した。政府は今後、政府系金融機関の具体的な業務や組織などについて検討を本格化させ、年内にも個別法案を国会に提出する。民業圧迫批判の解消と収益力の向上の両立が課題だ。大幅なリストラや業務見直しも避けられない。天下り先が減る監督官庁が合理化に抵抗することも予想され、小泉首相の退陣後に改革が後退する恐れも残っている。
政府系金融機関の今後の動き
●肥大化、民業圧迫の懸念 天下りの削減カギに
対象8機関のうち、国民生活金融公庫など5機関は新政策金融機関に統合される。残る3機関のうち、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫は民営化、公営企業金融公庫は廃止され、政府系金融機関は一つになる。
8機関の出融資残高は合計約90兆円。これが大幅に減ることになるが、それでも新政策金融機関の出融資残高は約30兆円にのぼり、3メガバンクに次ぐ規模だ。個人や零細・中小企業から、大企業向けの海外金融まで扱う業務も幅広い。
畔柳信雄・全国銀行協会会長(三菱東京UFJ銀行頭取)は「民間でできることは民間で、という基本原則に沿った検討を期待する」と、新機関の肥大化を警戒する。
国際協力銀行は分割され、海外ビジネスへの融資などの業務が新政策金融機関に統合される。政府内には「海外でブランド力があることに配慮する必要がある」との意見があり、統合する新機関のなかで独立性を持たせようという動きが出ている。
政策金融機関への天下りをどれだけ減らせるかも焦点だ。日本経済研究センターによると、監督官庁(自治体も含む)から5機関に天下っている官僚OBは26人と役員全体の半数を超える。特に目立つのは財務省出身の12人で、民営化・廃止される3機関を含む8機関すべてに天下っている。
昨秋、経済財政諮問会議の民間議員は政策金融機関への天下り廃止を求めたが、行革推進法では、経営責任者が「固定的に選任されないよう配慮する」としただけだ。財務省幹部は「小泉政権ではOBを送り込みにくい」と、9月の首相交代後に期待する。
一方、政投銀と商工中金は08年度に民営化する。政府はその後、5〜7年かけて保有する株式を段階的に売却し、完全民営化させる。
ただ商工中金については完全民営化後に銀行法に基づく普通の金融機関にするのか、根拠法を作り政府の規制を残すのかは今後決める。民営化の方針が固まった昨秋以降、発行している債券の金利が上がり、資金調達に影響が出ている事情もある。
二階経産相は25日の参院特別委員会で「中小企業に不安感を抱かせることのないよう改革の実現を図る」と述べ、何らかの政府関与を続ける意向をにじませた。
http://www.asahi.com/paper/business.html