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2006年05月27日
新興国の資産バブルが終わり、日本にも波及する影響
あまり大きな記事にはなりませんでしたが、IMFのアジア太平洋局次長が「日本は失われた10年や、デフレ時代から脱出した」と発言しました。日本政府、特に小泉政権にとって、デフレ脱却宣言は政権最後の散り花として、八月ごろに「デフレ脱却」を宣言するつもりなので、この発言自体を無視しているようです。
今更政府が「デフレ脱却」などと宣言しても有り難くもないですが、やはり「任期中にデフレ脱却を宣言できた。めでたしめでたし」と言いたいのでしょうね。もう指標を見ると、いつデフレ脱却を宣言しても良いのですが、こうしたものを政府の思惑で先延ばしされても、市場が混乱するだけというのが政治家には分からないようです。
最近、経済評論家やアナリストの意見を集めると、やっと過剰流動性の縮小などの話が散見されるようになりました。酷い話になると4月の市場は行き過ぎた、というものまで。3月半ばから4月にかけて、散々先高期待を煽った方たちの心変わりに、正直情けない気持ちで一杯です。それを信じて買った皆さんが今、評価損率を見ると苦しんでいるのが分かります。しかも先物という金融派生商品に踊らされて市場が動く、これでは皆さんも安心して取引など出来ないのでしょうね。
私はずっと上昇についていっては危険、と訴えていましたので今の市場は予測済みでした。ただ、私が想像した以上に円キャリートレードの手仕舞いが多く、新興国からの資金流出が止まりません。こうした状況を見て、日本のバブル崩壊時に起きた問題を考えながら、世界経済に与える影響を推し量ってみたいと思います。
日本のバブルには様々な分析視点があると思いますが、私は外資からの大量の日本買いにより、実体以上に資産が増大した企業が増え、その資産を担保に銀行から借金をして土地、株などで運用し、設備投資などを行ったことにより引き起こされたと考えています。当時のPER、PBRがよく引き合いに出されますが、世界的に見て異常な数字であるのはよく分かるところです。
それが今の新興国でも起こる危険を、私は危惧しています。つまり過剰流動性と称する資金が新興国に入り、勝手に資産価値が上がりました。まだ新興国の経済を分析してはいませんが、もし日本のバブル期並みの運用などを進めていた場合、ここでの市場下落はかなり大きなダメージとなって残るかもしれません。そうなると、新興国の経済発展によって導かれていた世界経済の上昇が、一瞬でも停滞する可能性があるのです。
世界経済の減速は、当然日本にも影響を与えます。対外資産残高が過去最高、なんて言っている場合ではないのかもしれません。最悪のシナリオは怖くて記載できませんが、日本の企業もかつての教訓を生かして、しっかりとした眼をもって資金を運用して欲しいと思います。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/