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剛腕トップ 手腕に注目 郵政会社社長に西川氏  【読売新聞2005年11月14日】
http://www.asyura2.com/0601/hasan46/msg/461.html
投稿者 愚民党 日時 2006 年 5 月 26 日 07:36:37: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: 銀行頭取時に金融被害  日本郵政 西川社長の責任追及  【しんぶん赤旗】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 5 月 26 日 07:28:07)

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20051114mh14.htm

剛腕トップ 手腕に注目 郵政会社社長に西川氏
就任打診 一週間前 首相・竹中氏 旧郵政幹部と確執も

 郵政民営化で誕生する持ち株会社のトップに、小泉首相は「銀行業界の顔」だった西川善文・前三井住友銀行頭取を選んだ。郵政グループと競合する銀行業界からの起用という「奇手」には、有力候補の固辞や政府内の“駆け引き”などで決まった側面もある。「最後のバンカー」と呼ばれる西川氏が、どんな手腕を発揮するのか。(政治部 望月公一、経済部 是枝智)

 西川氏は11日午後、首相官邸に呼ばれ、小泉首相から「郵政民営化は大変重要な国家的なプロジェクトだ。しっかりやってほしい」と切り出された。西川氏は記者会見で、「(国家的なプロジェクトという)首相の一言がずきんときた。多少なりとも国のために役に立ちたい」と力を込めた。


日本郵政株式会社の社長に内定し、記者会見する西川氏(中央左)と取締役に内定した団・日本郵政公社副総裁(同右)、高木・前金融庁長官(右端)。左端は竹中総務相(11日、総務省で)

 今回の日本郵政株式会社トップ人事を主導したのは、「民間から起用するように」と首相から強く指示された竹中総務・郵政民営化相だった。

 西川氏の名前は、竹中氏らが用意した候補者リストにあったものの、竹中氏は先週に入ってから西川氏に就任を要請。西川氏が受けることを決断したのは10日という慌ただしさだった。

 西川氏は10日、「国益のためにやる」と三井住友銀行首脳に電話で伝えたという。

 銀行業界には、巨額の資産を抱える郵貯銀行への警戒感もあり、日本経団連の奥田碩会長も一時、金融界からの起用に慎重論を唱えていた。だが、首相は「金融業界の反発を和らげ、滑り出しをスムーズにするしかない」(政府筋)という判断から西川氏起用を決めたようだ。西川氏は比較的高齢ということもあり、民営化を円滑にスタートさせるための人事との見方もある。


 当初有力視されたのは、日本郵政公社の改革を進めた生田正治総裁の横滑りだった。が、生田氏は麻生総務相(当時)の説得に「次のトップは新しい人で」などと固辞したという。

 その後、伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長やメーカートップらの名前が浮上した。だが、持ち株会社トップの給与は年間数千万円で、大企業経営者から見れば高いとは言えない水準だ。さらに、国会に参考人として呼ばれたり、政治から「干渉」されたり、というマイナス面が多く、経済界には尻込みする空気が強かった。

 9月の衆院選直前、ある金融業界OBは、首相サイドから就任を打診されたが、即座に固辞したという。

 「首相・竹中サイド」と旧郵政省側との確執もあった。総務省の旧郵政省系幹部らは10月末、別の民間企業経営者を起用する人事案をまとめ、政府・与党内の根回しに入ったものの、察知した首相官邸側にストップをかけられたとされる。

 竹中氏は総務相就任直後、同省幹部に対し、「そんな話は聞いていない」と白紙撤回させたという。

高木 祥吉氏(たかぎ・しょうきち)71年東大法卒。金融庁長官、郵政民営化推進室副室長。徳島県出身。

団 宏明氏(だん・ひろあき)70年東大法卒。郵政事業庁長官、日本郵政公社副総裁。長崎県出身。



合理化徹底? 肥大化促進? 「最後のバンカー」

 日本郵政株式会社の初代社長に内定した西川善文氏は、メガバンクの一角を占める三井住友銀行の頭取を長く務め、金融再編だけでなく、厳しいリストラや収益拡大などに強い指導力を発揮し、“剛腕”と言われてきた。金融界などでは、西川氏の社長内定に、大きな期待を寄せる声がある一方、今後のかじ取りを懸念する見方も少なくない。

 西川氏の社長内定について、ある大手行幹部は「西川氏は今年4月まで全国銀行協会長として、銀行と郵便貯金の競争条件を同じにするよう訴えてきた。銀行側の主張を熟知しているので、バランスを取りながら、うまくやってくれるのではないか」と期待する。

 反面、西川氏は、最近まで全銀協会長として郵便貯金の縮小などを訴えてきた立場にあっただけに、今回の内定を疑問視する声もある。金融界では、その収益を重視した経営手腕ゆえに、かえって郵政民営化会社の肥大化を招くのではないかとの警戒感も出ている。

 西川氏は11日の会見で、「金融も物流も構造的な変革期。変化を先取りしなければいけない。そのためにはリスクを取らなければいけない。リスクを取って成功したものが利益を得る」と、“西川節”を披露した。

 西川氏は今年4月の全国銀行協会長の退任会見で、郵政民営化について「民営化の結果が民業圧迫にならない制度設計を願っている」と述べていたが、実際には、07年10月の民営化後、グループの一体的経営が続くまま、業務範囲が段階的に拡大される仕組みだ。

 しかも、日本郵政公社の職員26万人、約2万4700の郵便局を引き継ぐだけに潜在的な営業力は強い。人員削減などに取り組む可能性もある一方で、西川氏は「新しいビジネスモデルを作る絶好のチャンス」と攻めの姿勢も強調した。

 一方、西川氏は米ゴールドマン・サックス証券とも近いとされる。日本郵政株式会社は郵便貯金銀行など金融2社の株式を、17年9月末までに完全処分することになっているが、国会審議でも外資に乗っ取られるとの声が出ていただけに、そうした懸念の声が再び浮上してくる可能性もある。

試される 改革貫く姿勢

 三井住友銀行頭取を務めた西川善文氏の名前から思い起こされるのは、「リストラ」だ。同行の収益力を高めたのも、大規模なリストラによる経費削減と言われている。

 小泉首相が、長年の悲願である郵政民営化のかじ取り役を西川氏に任せるのは、そうした実績を踏まえ、「郵政民営化を着実に進めてくれる」と期待したからにほかならない。

 ただ、持ち株会社は、政府が株式を保有し続ける特殊会社で、経営者がどこまで自由に判断できるかは未知数だ。郵政グループの一体性を求める郵政族議員らが露骨に経営に口出ししてくる可能性もある。西川氏には、改革を貫く姿勢も求められる。(政治部 尾山宏)

日本郵政株式会社
 日本郵政公社の民営化後に誕生する、郵便局会社、郵便事業会社、郵便貯金銀行、郵便保険会社の4社を傘下に置く持ち株会社。06年1月、準備企画会社として発足する。社内には、新会社の事業計画を策定する「経営委員会」を設置する。

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(2005年11月14日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20051114mh14.htm

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