★阿修羅♪ > 国家破産46 > 425.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□与謝野経財相の呆れた軽率発言 [ゲンダイ]
http://gendai.net/?m=view&g=syakai&c=020&no=26378
【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
2006年5月19日掲載
与謝野経財相の呆れた軽率発言
「いざなぎ景気なんて軽く超える」
なんとも軽率な発言である。与謝野馨経済財政担当相が、11月に戦後最長の「いざなぎ景気」(1965年11月から57カ月)を超えられるかどうかについて、「軽く超えると思っている」と言い切ったのだ。
エコノミストなら独自分析で景気見通しを披露してもおかしくない。だが、与謝野氏は政治家だ。明確な根拠だってないだろう。「超えることを期待している」くらいにとどめておくべきである。
この前日、都内で講演した日銀の福井俊彦総裁は、「景気は成熟化し、経済成長率が減速していく」との見通しを示した。これがプロの表現だ。景気はいつまでも上昇を続けるわけではなく、調整期は必ずある。それを承知した語り口ができないようでは、ただの素人。経財相を任せられるのか疑わしくなる。
景気は今、踊り場にあるのは間違いない。設備投資の拡大は3年以上も続いている。教科書的に言うと、そろそろ設備過剰になって稼働率が落ち収益はマイナスになる。
物価も気掛かりだ。素材価格の値上げは、川下で吸収しきれないレベルまできている。最終製品に転嫁されるのは時間の問題だろう。
さらには金利だ。量的緩和政策の解除で国債を売って当座預金残高を減らしていけば、長期金利は秋口に3%という流れになるだろう。日米の金利差が縮まれば、夏以降は円高が一段と加速する公算も大きくなる。
こういう動きをイメージしながら株価動向を予測すれば、平均株価は1万7000円が天井になりそうだ。「いざなぎ景気を軽く超える」なんて無責任に言える状況ではない。
もっとも、今回の景気拡大が戦後最長になったところで、大都市圏と地方の“景気格差”が縮小するわけではない。いざなぎ景気のボトムは65年第4四半期だ。その後の3年半でGDPは80%増を記録している。バブル期はボトムから3年半で25%増。ところが今回の景気拡大では、ボトムから3年半が経過しても、GDPは3%しか増えていない。これくらいの水準なら、悪い地域はずっと悪く、景気回復の実感が持てないはずだ。
シタリ顔で景気見通しを言うよりも、政治家には格差を是正することが求められているのではないか。【高橋乗宣】