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http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/
2006年05月24日
世界経済がおかしいぞ?
以前資金シフトの流れが変わり始めた。纏まった時点で説明します、としていたので今日はその内容についてです。韓国の韓副首相がドル安、アジア通貨高の原因の一つとして「日本の量的緩和解除で円キャリートレードを手仕舞う動きがある」と懸念を示したそうです。日本の政治家は経済を知らない、と思っていましたが韓国も同じなのですね。以下に色々ひっくるめて説明したいと思います。
まず日本の量的緩和が解除され、資金の流れが変わりました。新興国に円から流れていた資金が縮小し、それを見たヘッジファンドが更に新興国に流していたお金を引き上げ始め、一気に新興国で株安が起こりました。これは世界同時に起こった現象なので、まず間違いないものと考えます。ですがこの流れで行くとドルに資金が引き戻される動きなので、ドル高にはなってもアジア通貨高にはなりません。
私はこの流れをリスクヘッジと見て、安全な市場、安全な企業への逃避が起こったのだと主張していました。実際、三月から米国市場は利上げ停止と絡めて上昇。日本、欧州でも上昇を見せて、久し振りに高値を更新しました。
この流れが変わったのはG7です。人民元の為替調整への批判が噴出し、これがアジア通貨高のきっかけとなり、更にこっそり上げられた中国の金利により、人民元の上昇プレッシャーがそのままアジア通貨にも波及し、一斉にアジア通貨が高くなりました。そして逆に意識され始めたのがドルの弱さであり、米国の双子の赤字という訳です。
ここで米国の動きを抑えます。グリーンスパン前FRB議長は市場との『難解な対話』により市場を導きましたが、これは『難解』であるため、市場は気迷いムードになり易く、変動が少ないという利点があります。一方、バーナンキFRB議長は明解な説明であるため、市場マインドが一方向に傾き易い傾向にあります。更に指標次第で金利を変動させるとしたので、良い指標でインフレ懸念、悪い指標で経済減速懸念と、どう転んでも市場は悪い方向に流れることとなってしまったのです。
このためヘッジファンドに投資して儲けようとしていた層が、自国経済の弱さを意識し始め、資金を市場に滞留させておくことに不安を感じ、六月の満期に向けて解約に動き始めました。このため運用していたファンドは売りを加速させ、世界同時株安の現状を生み出す結果となりました。これを表現すると、過剰流動性の『過剰』の部分が世界的に剥落した流れが現在だといえます。
円キャリートレードが手仕舞うのは仕方のないことです。逆に日本発で世界に異常なお金を溢れさせていたので、今が正常化の動きなのです。日本の異常な政策の結果、世界経済の異常な動きが導かれたので、その動きに対する非難は受けることになるでしょうが、アジア通貨高は日本に全く関係のないということが分かったでしょう。
最後に日本市場に少しだけ良い方向性を示しておきます。市場が下落したので、やっと年金基金などの持分が減って、国内機関投資家も市場にお金を投入できるようになりました。後はバブル以上の投資信託の設定と言われていても、貨幣価値の向上分ぐらいの上値余地はあるでしょう。外国人の売り以上に買うことは出来ないでしょうが、今まで外国人に頼っていた分、ここからは国内が頑張らないと…。
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