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2006年05月20日
日本の対ASEAN戦略
日本の対ASEAN戦略について考えてみます。政府はFTA交渉などを通してASEAN諸国との関係を深めようとしていますが、それだけでこれらの国と本当に仲良くできるのでしょうか?よく隣国とは仲が良くないといわれますが、ASEAN諸国もお隣さんと考えてみれば、あまり仲が良くなくても仕方ないのでしょうか?
今、中国や韓国との関係の悪化を危惧されており、もしASEAN諸国との関係まで悪化させてしまうと、日本はこの東亜の中で孤立してしまいます。それが日本の将来にとってどれほど不安定な状態を導いてしまうかは、言わずもがなでしょう。ではどうやってASEANとの関係を築いていけるのか?
第二次大戦当時まで遡りますが、ASEANでは欧州の植民地政策によりかなりの国が植民地化されました。日本は占領軍でしたが解放軍的でもあり、現在に至っては中、韓より余程冷静に当時のことを振り返ることができるようになっています。以前見られたように日本の軍事力の肥大化に懸念を表明する、ということも最近では少なくなっており、冷静に話し合うことで本来なら良好な関係を築けるはずです。
一方で、中国はその経済発展力を見せつけてこれらの国と関係強化に努めており、日本との間に派遣争いが続いています。ASEANも経済発展を促せば今後の世界経済において高い成長率が可能であり、そうした利権が日中の間に対立を生んでいるのです。
本来、日本の経済成長力と中国のそれを天秤にかけると、十中八九は中国側についた方が有利ということになります。莫大な人口を用いた経済発展余力は、インドと並んで中国が圧倒的に強いのです。そしてその経済成長に伴って自国の経済発展を行うことが出来れば、ASEANにとっても百年の大計が成し遂げられることになります。
では何故日本との間で綱引きが可能なのか?ということを考えなければなりません。実は中国との結びつきを強めるとASEAN諸国には困った問題が発生するのです。実はASEAN諸国にはすでに大量の華僑、華裔が存在しており、自国の国籍を持っているので追い出すことも出来ないのですが、中国との関係強化により増えつつある中国系の住民が更に力を増し、発言力を増しては困るのです。
逆に日本人は経済的に結びついて企業が進出しても、その責任者はそれらの国に定住はせず、数年経てば日本に戻ってしまいます。これはASEAN諸国にとっては自国経済の発展を促し、また数の恐怖に怯える必要もないため非常に有利なことなのです。こうしたことをもっと日本が訴え、経済交流を深めていけば自ずと関係も良くなっていくでしょう。中、韓との関係悪化が叫ばれても、これらの国との関係を深めることで東亜のパワーバランスは保たれます。こうしたことを考え、国はもっと積極的にASEAN諸国との関係強化に努めて欲しいと思います。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/