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■前年を上回る見込みのサウジアラビアの2006年の石油収入
(2006年3月29日掲載)
サウジアラビアの経済動向を追っている国内外のエコノミストの多くは、同国の2006年の石油収入が2005年を上回ることになると予測している。例えば、ロンドン発行のEconomic Intelligence Unit誌のサイモン・ウィリアムズ氏は「確かにサウジアラビアの2005年の石油収入は推定1540億ドルと、それ以前の5年間の年平均石油収入の5倍という歴史的なものとなった」「2006年の石油収入については、原油価格がブレント建で1バレル60ドル超、サウジアラビアの産油量が約960万B/Dと仮定して前年比よりやや増加の約1600億ドルとなると予測される」と述べ、前年比微増になると見ている。
同じように、Samba Financial Groupのチーフ・エコノミストであるブラッド・ブーランド氏も「サウジアラビアには巨額の現金があり極めて心地よい状態にある。2006年の石油収入は約1600億ドルとなろう」「アラムコの近年の資本支出予算は巨額であったが、この傾向は続こう」と語り、やはりサウジアラビアの2006年の石油収入が1600億ドルの大台に乗ると予測している。但し、サウジ国内の金融機関でもアル・ラジヒ銀行は「サウジアラビアの石油収入は2005年が1570億ドル、2006年が1550億ドル」と推計しており、微減するとの控えめな見方を打ち出している。
ところでサウジアラビアは2009年までに産油能力を1250万B/Dに引き上げ、同国として常時少なくとも150万B/Dの余剰生産能力を維持するための事業を開始している。サウジ国家安保評価事業(Saudi National Security Assessment Project)の最新報告書でも、アラムコは2009年までに産油能力拡大に130億ドルを支出することになると述べている。
実際先週には、生産能力を30万B/D引き上げるとの8億5000万ドルのハラドゥ油田能力拡大事業を予定より5ヶ月早く完成させ、サウジアラビアの産油能力を1130万B/Dとしている。ナイミ石油・鉱物資源相は「諸君が考えねばならなのは、石油市場でサウジアラビアと競合している産油国の能力拡大に要する費用・マージンとわが国のそれらの比較である」「わが国は最良ではないかもしれないが、最良のうちの一つといえる」と語り、生産能力の拡大事業での同国の比較優位性を強調している。
尚、アラムコは2009年6月までに産油能力をさらに120万B/D追加するための、1社としては世界でも最大級となるフライス開発事業にも着手しているほか、輸出用の製油所2基(事業費用は各40〜50億ドルの見込み)の建設も計画している。