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2006年05月18日
月例経済報告;バブル抜く、実感なき景気拡大
5月の月例経済報告で「バブル景気」越えが確実となりました。貿易拡大による恩恵を企業が資産デフレの穴埋めとリストラなどの人件費カットに費やした結果、景気拡大が4年4ヶ月も続いていたにも関わらず、我々は何ら恩恵を受けることなくここに至りました。グリーンスパン前FRB議長が「インフレなき景気拡大」と評されたので、私は日本の現状を「実感なき景気拡大」と例えることにしています。
今日も市場は下落したようですね。私は16000〜17000円が今の日本経済の実態に合っていると考えていますが、上げ過ぎたので下げ過ぎる局面が来ているということなのでしょう。『先高期待』という夢想の中で上昇した相場だけに、夢醒めれば下落もきついといったところでしょうか。以下に今後の相場を少し占ってみたいと思います。
まず以前指摘したように現在市場では信用買い残、先物の裁定買い残が積み上がっています。そこでは私が煽りを誘っても仕方ないのであえて述べませんでしたが、この状況は先物で仕掛ける人間にとって見れば、「売った方が面白い」という結論になります。評価損の高まりと追証の発生により、先物を売って行けば『投売り』状況を誘発しやすいという意味ですが、こうした買い残が解消されるまでこの動きが続いてしまいます。これが今の相場の重しとなり、上値を抑える原因となります。押し目で買っても売り崩されて損を出す可能性が高い、となると中々手が出せないでしょうから。
一方で今回の下落の最初の原因が円高にある訳ですが、そこから様々な不安が噴出しました。円高による企業業績の悪化懸念、新興市場の会計検査厳正化に伴う下方修正不安、原油、資源高騰による素材インフレ懸念。今までプラス思考で乗り切ったきた問題点をようやく日本も意識し始めたので、逆に無視してきた分の反動も大きく影響します。更に米経済への不安、世界情勢の不安、数え上げればキリがありませんね。
ここから今後を少し予想してみます。上記のように皆が不安を意識し始めたこと、及び上値に対してそれを抑える要因が偏在していることで、もう少し下に押す可能性は充分あります。今は速度が速いので少し調整しつつ、15500円を意識し始めると抵抗すると考えています。ですがその後もしばらく上に抜けることは難しいでしょう。更に政局リスクをどこまで織り込めるかで今後動きは変わると思います。安倍氏が総裁となれば下落、福田氏が総裁になればやれやれ買いと言ったところだと思います。これは以前なら考えられなかったことですが、小泉路線の継承が市場では歓迎されない可能性が出てきたからです。この影響についてはまた後の機会に説明することにします。
また現在調査中ですが、世界の資金シフトの流れで新たな動きが出てきているように感じています。いずれ纏まった時点で記事にしますが、どちらにしても日本市場は今後重たいでしょう。個人で市場に参加している方は軟調相場でも頑張って下さいね。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/