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「為替」 米CPI受けたインフレ加速懸念再燃でドル急反発108.97円→111.35円／ニューヨーク外国為替市場概況
「米CPI受けたインフレ加速懸念再燃でドル急反発108.97円→111.35円」ニューヨー
ク概況 2006年5月18日（木曜日）−株式会社フィスコ 平松 京子／片山 善博
[ニューヨーク外国為替市場概況]
*06:35JST 「米CPI受けたインフレ加速懸念再燃でドル急反発108.97円→111.35円」
【ロンドン市場概況】
17日のロンドン外為市場では、5/3-4英中銀金融政策委員会の議事録で一人が利上
げを主張していたのが判明したことを受けてポンド買いが強まり、ポンド・ドルは
1.8946ドルから1.9005ドルまで上昇した。ポンドの上昇をきっかけにドル売りが優
勢になり、ユーロ・ドルは1.2890ドルから1.2918ドルまで上昇、ドル・スイスは
1.2031フランから1.2005フランまで下落した。ドル・円は、109円25銭から軟調とな
って108円90銭-109円00銭のストップロスを試す動きを強め、一時108円97銭まで下
落した。その後ポンド・ドルが1.8961ドルまで反落し、ユーロ・ドルも1.2891ドル
に反落、ドル・スイスは1.2037フランまで上昇、ドル・円はショートカバーの買い
で109円38銭まで上昇し、ユーロ・円は140円72銭-140円92銭でのもみ合いから141円
05銭まで上昇した。
【経済指標】
英・4月の失業者数増減：前月比+7700人（予想+7800人、3月+12800人）
英・4月の失業率：3.0％（3月3.0％）
ユーロ圏・4月の消費者物価指数：前年比+2.4％（予想+2.4％、3月+2.2％）
【要人発言】
5/3-4英中銀金融政策委員会議事録
「5月の英中銀金融政策委員会でキング総裁はじめ6人が金利据え置きを主張」
「5月の英中銀金融政策委員会で一人が0.25％利上げ（ウォルトン委員）、一人が
0.25％利下げ（ニッケル委員）を主張」
「経済見通しに関する政策委員会の見方が幅広く分かれているため、少なくとも当
面は金利が据え置かれる可能性が高い」
マンデルソン欧州委員
「EU、ASEANと年末までに自由貿易交渉の可能性」
谷垣財務相
「（為替で）基本的に態度変わらず、市場を注視」
【ニューヨーク市場寄付】
ドル・円：109円35銭、ユーロ・ドル：1.2885ドル、ユーロ・円：140円89銭、ポン
ド・ドル：1.8961ドル、ドル・スイス：1.2049フラン
【ニューヨーク市場概況】
17日のニューヨーク外為市場では、米CPIが予想以上に上昇し、コアCPIの前年比
伸び率が連銀容認レンジの上限を超えたことによるインフレ加速懸念を受けてドル
が安値から急反発した。ドル・円は米債券利回り上昇に伴い109円02銭から米インべ
ストメントバンクの買い主導で111円35銭まで上昇し、110円95銭前後で引けた。
ユーロ・ドルは投機筋のドル売りに1.2920ドルまで上昇後、ユーロ圏政府高官筋に
よるユーロ上昇牽制発言や米金利上昇を受けて1.2701ドルまで反落し、1.2740ドル
前後で引けた。ユーロ・円は140円20銭まで下落後、ドル・円の急上昇に連れて141
円53銭まで反発した。ポンド・ドルは英中銀金融政策委員会議事録を受けた利上げ
観測により1.9026ドルに上昇後1.8777ドルまで反落した。ドル・スイスは1.2010フ
ランから1.2189フランまで上昇した。
【原油市場】
原油相場は在庫統計を受けて約1ヶ月ぶり安値水準に下落した。在庫統計では原油の
減少量が事前予想を下回ったほか、ガソリンも3週連続で増加するなど、安定的な在
庫推移が確認された。また、本日は金や銅など他の商品相場が伸び悩み、ここ数ヶ
月間続いた上昇相場に頭打ち感が強まっていることも原油買いの手控え要因となっ
た。NYMEX原油先物価格は軟調に推移し、68.69ドル（前日比1.2％安）で取引を終え
た。
【株式市場概況】
NY株式相場は大幅下落。朝方発表された4月消費者物価指数及びコア指数が共にエコ
ノミスト予想を上回る伸びとなったことで、インフレ懸念が一段と高まり終日下落
する展開となった。ダウ平均は200ドル越す下落となったほか、ナスダックも年初来
で下落に転じた。セクター別でも、エネルギーや素材を中心に全面安。半導体製造
装置のアプライド・マテリアルズ（AMAT）は予想を上回る決算を発表したものの、
受注が減速傾向にあることや控え目な業績見通しを示した事が嫌気されて5.2％安。
太陽光発電機器のサンパワー（SPWR）は2.5億ドル規模の資金調達計画を発表して
9.9％安となった。一方で好決算を発表したアバクロンビー&フィッチ（ANF）が上昇
したほか、家電小売のサーキットシティ（CC）も業績見通しを据え置いたことで買
われた。ダウ構成銘柄では、ヒューレット・パッカード（HPQ）が好決算を受けて上
昇した以外は全銘柄下落、特にアルコア（AA）やGM（GM）は4％を越す下落となっ
た。結局ダウは214.28ドル安の11205.61、ナスダックは33.33ポイント安の2195.80
で取引を終了した。商品価格は連日の下落となっているにも拘らずインフレ懸念後
退には結びついておらず、長期金利の上昇が株価を抑える要因となっている。
【通貨オプション】
ドル・円は、05年9月来の安値となる108円台後半まで下落した後、米4月消費者物
価指数が予想以上に上昇した事を受けて110円台後半まで大きく反発した。この荒い
値動きを受けてオプション市場では変動率が上昇、1ヶ月物は10.800％から
11.050％、3ヶ月物は10.325％から10.375％、6ヶ月物は10.075％から10.125％へそ
れぞれ上昇した。
リスクリバーサルでは一段の円先高観は根強く、中長期での円コール買いが強まっ
ている。 25デルタ円コール・ドルプット1ヶ月物は+1.500％で変わらずだが、3ヶ
月物は+1.650％から+1.750％、6ヶ月物は+1.825％から+1.925％へそれぞれ拡大し
た。
【経済指標】
米・4月の消費者物価指数（CPI）
全体：前月比+0.6％（予想+0.5％）、3月+0.4％、前年比+3.5％（予想+3.5％）
コア：前月比+0.3％（予想+0.2％）、3月+0.3％、前年比+2.3％（予想+2.2％）
【要人発言】
スノー米財務長官
「75ドルの原油価格、昨年のハリケーン（カトリーナ＆リタ）を考えるとコアイン
フレは引き続き抑制されている状態」
「米国は双子の赤字や貯蓄拡大に取り組む必要がある」
「世界不均衡の整然とした調整を予想」
「中国は貿易黒字削減を実行する事を約束」
「ドルの急落予測実現の可能性は非常に少ない」
「人民元の柔軟化に中国は慎重すぎる」
「中国は一段の為替制度改革を進めるべき」
「中国は制定された操作国の基準には見合わなかった」
「世界不均衡是正に関して新興国経済の中で特に中国の役割は多く、為替相場の更
なる柔軟化や安定した成長、金融セクターの近代化の実現が要求されている」
「人民元政策の変更なしには不況に陥るリスクも」
「中国は国内消費を促す措置必要」
「不均衡是正には日本、欧州の景気拡大も必要。米は財政赤字縮小」
ブルトン仏経済財務産業相
「為替相場にはリスクが存在しており、注視していく」
「最近の為替相場の変動はG7が促進するものではない」
「現在のユーロ水準はユーロ圏経済に与える影響は緩やかである。輸出の2/3程度は
ユーロ圏内で行われているため、為替の変動による影響は少ない」
「フランスの第1四半期成長はほぼ+0.6％」
「為替相場と原油が経済のリスク」
「対ドルでユーロが上昇継続しないようあらゆる措置を講じる」
ドイツ経済省
「ユーロ上昇長引けば国内輸出両者に悪影響が出る可能性」
【東京市場終値-ニューヨーク市場終値】
為替市場： （始値） （高値） （安値） （終値）
ドル・円 109.17 111.35 108.97 110.98
ユーロ・ドル 1.2898 1.2922 1.2701 1.2743
ユーロ・円 140.81 141.53 140.20 141.41
ドル・スイス 1.2025 1.2189 1.2005 1.2147
ポンド・ドル 1.8962 1.9026 1.8777 1.8830
株式市場：
NYダウ 11410.13 11410.13 11174.38 11205.61
ナスダック 2214.42 2222.38 2193.87 2195.80
債券市場： （始値） （終値）
米国債30年物 5.209 5.267
米国債10年物 5.095 5.145
先物市場：
NY金先物 710.0 712.5 686.3 691.8
NY原油先物 69.50 69.50 68.20 68.69
シカゴ日経平均先物 16160 16230 15850 15925
（フィスコ） - 5月18日6時38分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060518-00000001-fis-brf
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