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中銀のドル離れ、ドル安加速も−米インフレや世界成長に脅威(2) (ブルームバーグ)
2006年5月15日(月)19時12分
5月15日(ブルームバーグ):ストックホルムからアブダビまで、世界の
中央銀行がドル安による影響を緩和しようとする動きが、ドルをさらに下落さ
せる恐れがある。ドル安は米国のインフレ加速の懸念を高め、欧州と日本の成
長を脅かす。
スウェーデン国立銀行(中銀)は4月、ドル保有をほぼ半分に減らしユー
ロに乗り換えたことを明らかにした。クウェートやカタール、アラブ首長国連
邦もユーロ買いを示唆。ロシアのクドリン財務相はドルの「不安定」に苦言を
呈した。
中銀による準備通貨の入れ替えは、ドル安圧力をさらに高める。ドルは既
に、貿易加重ベースで10年ぶりの低水準にある。ドル下落は輸入物価を通して
インフレ圧力を高め、利上げ休止時期を模索する米金融当局のかじ取りをさら
に難しくする。ドル安は、欧州と日本の成長持続も脅かす。
カリフォルニア大学バークリー校の経済歴史学者、バリー・アイヒェング
リーン氏は「中銀はドル下落による大幅な損失を回避しようとしている」が、
これは「インフレを勢い付かせ米金融当局に利上げ継続を迫る公算が大きい」
と話した。
米連邦準備制度が主要貿易相手国の7通貨を基に算出するドル指数は2002
年1月に比べ28%安となり、1995年につけた最低水準にあと1%と迫っている。
10年前には、ドルは世界で唯一の「準備通貨」としての地位に守られてい
た。現在はドルに代わり得る準備通貨としてユーロが存在する。ドル相場下落
によってドル建て資産の利回り面の優位が打ち消され、ユーロの人気はドルを
上回る可能性がある。
ユーロ買い
クレディ・スイスのニューヨーク在勤・為替ストラテジスト、ララ・ラー
ム氏は「準備通貨としてのドルに対する国際社会の信頼が揺らいでいる。この
ような弱気の見方が利回り面でのドルの優位を相殺している」と話した。
セントラル・バンキング・パブリケーションズとロイヤル・バンク・オブ・
スコットランドの調査によると、2005年に準備通貨の構成を変更した中銀の約
60%はユーロを増やした。また、約4割の中銀がドルを減らした。
ドイツ連邦銀行のチーフエコノミスト、ヘルマン・レムスペルガー氏は「中
銀にとって、ドル保有を増やすことはドル下落時の損失のリスクを高めること
でもある」として、「中銀がドル以外の通貨の検討する傾向は強まる可能性が
ある」と話した。
外貨準備高が急速に伸びている開発途上諸国もドル保有を減らしている。
国際通貨基金(IMF)によると、途上国の外貨準備は2005年、1999年に比べ
ほぼ3倍の2兆9000億ドルに達した。このうちドルの比率は71.1%から60.5%
まで低下した。先進国の外貨準備高は1999−2005年に78%増加した。
全世界の準備通貨に占めるドルの割合は2005末に66.5%と、1999
年の71.1%から低下。一方、ユーロは24.4%と、18.1%から上昇した。
原題:Dollar's Loss of Favor Stokes Inflation, Growth Worry (Correct) 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=15bloomberg12aarcvsoFobac
(抜粋) {NXTW NSN IZAVXV0UQVI9
東京 木下 晶代 Akiyo Kinoshita
akinoshita2@bloomberg.net Editor: Kasahara(keo)
東京 笠原文彦 Kasahara Fumihiko
記事に関する記者への問い合わせ先:
Simon Kennedy in Paris at skennedy4@bloomberg.net